2024年1月23日(火)、夜7時から東京文化会館で開催された『柳川守 ピアノ・リサイタル』に出向き、オランダ人のルカ神父さまが主任司祭をされているカトリック佐久教会でオルガン演奏を担当して下さっている柳川守先生の演奏を拝聴してきました。
2023年10月23日(日)にカトリック佐久教会で行われたルカ神父さまの92歳の誕生会でお会いした際に柳川守先生と演奏会のチラシと共に撮影させて頂きました。実は、柳川守先生も現在91歳とのことです。ご自身がピアノで弾かれる全ての曲の楽譜を丸暗記されています。本当に素晴らしいですね、91歳とは思えないです。
きっと、ルカ神父さまは讃美歌を歌う際のオルガン演奏者としての柳川守先生しかご存知ないでしょう。だから、讃美歌ではなくクラシック曲を演奏する柳川守先生のカッコイイお姿をルカ神父さまにもお見せできたらいいのにな~!と考えながら、柳川守先生の演奏を聴いていました。しかし、よく考えるとカトリック佐久教会の聖堂にあるオルガンの横の席に座っていてもルカ神父さまは柳川守先生の伴奏を無視してマイペースで讃美歌を歌ってしまうクセがあり、オルガンの音にせよピアノの音にせよルカ神父さまには伴奏の音すら聞こえていないかも知れません。だから、今となっては柳川守先生の演奏会に行ってもダメかも知れないとも思いました。願わくば・・・、ルカ神父さまのお耳が不自由になる前に柳川守先生の軽井沢での演奏会で生の演奏を聴いたことがありますように。
柳川守先生の演奏会はこの小ホールで行われました。夕方5時半頃に東京文化会館に到着しましたが、小ホールのゲートはまだ閉っていました。
開場が18時30分なのでまだ1時間ほどありましたが、座る場所がなかったので暇潰しがてら「上野精養軒」で食事することにしました。
こちらが小ホールの内部になります。館内放送によると「2014年12月に東日本大震災を踏まえて、耐震性に万全を期した施設を目指した耐震構造になっています。」ということで、もし地震がきても大丈夫ですとのことでした。
そして、小ホールの壁などを眺めていましたが、ふっとウィーンにあるウィーン楽友協会(Wiener Musikverein)を思い出しました。東京にあるサントリーホールというのは、ウィーン楽友協会(Wiener Musikverein)の音響学的な構造を真似して建てられていますが、
確かに、この東京文化会館のコンサート会場もウィーン楽友協会(Wiener Musikverein)っぽいなと思いました。恐らく、最近ではどのコンサート会場もそのような音響学的な構造になっているものと思います。
そして、各々にプログラムが手渡されました。柳川守先生がお若い頃はこのような感じだったのですね。
全部で曲目は、以下の4つでした。しかし、リスト作曲の『ソナタ ロ単調』だけでも演奏時間が30分38秒でした。
最初に演奏された曲がこちらのモーツァルト作曲の『幻想曲 ニ短調(K.397)』でした。皆さんもよくご存知の曲かと思います。
次に演奏されたのが、モーツァルト作曲『ロンド ニ短調(K.485)』でした。
そして、20分間の休憩が終わってから演奏されたのが、リスト作曲の『ソナタ ロ短調』でした。しかし、残念なことにここで事件が起こってしまいました。このリスト作曲の『ソナタ ロ短調』の演奏途中でピアノを弾く柳川守先生の手が止まってしまったのでした。
確かに、この1曲で30分38秒という長い曲だった為、お自分がどの箇所を演奏していらっしゃるのか分からなくなってしまわれたようでした。柳川守先生の場合、全ての楽譜を暗記されていらっしゃいますので楽譜を見ながらの演奏はされないんですよね。そして、「ごめんなさい!」と言いながら舞台裏へ行って楽譜を持ってこられ、次にどこを演奏するべきなのかを確認してから再び演奏が始まりました。
このリスト作曲の『ソナタ ロ短調』の演奏が終わり舞台裏へ一旦戻られてから、アンコール曲として再びこの『ソナタ ロ短調』を最初から楽譜なしで演奏されました。だから、予定していた終わりの時間が約30分間後倒しになったということです。
その、柳川守先生の手が止まるまでは演奏を聴きながら目を閉じて仮眠状態でしたが、再度2回目に『ソナタ ロ短調』の演奏が始まった時には眠気もすっかり消え「大丈夫かな~?」と心配しながら聴いていました。そして、最終的に無事にミスすることなく2回目の『ソナタ ロ短調』の演奏が終わった時には「良かったですね~!」という感じでスタンディングオベーションで拍手喝采となりました。
やっぱり、柳川守先生の演奏の見所というのは、1曲で30分以上の演奏時間に楽譜を見ずに完璧に難しい曲を弾きこなすところではないかと思いました。本当に素晴らしいですね。
そして、本来アンコール曲として演奏される予定だったシューマン作曲『トロメライ』も最後に演奏されました。
とにかく、全てが無事に終わって良かったと思いました。国立音楽大学名誉教授をされていたことからお弟子さんたちも多くいらっしゃって、カトリック教会関連のお知り合いも多く、ご親切にも全てのゲストの方々と握手をして下さっていました。
そして、私も「佐久教会のルカ神父さまと大塚さんにお見せしたいので。」ということでご一緒に撮影させて頂きました。
個人的には、特別な用事がない限り上野駅付近へ出向くことがありませんが、柳川守先生のお誘いのお陰で東京文化会館へ行くこともできました。東京文化会館があることすら知りませんでしたからね。
東京文化会館に到着したのが夕方5時半頃でしたが、館内には座って休憩するベンチなどもなかった為、2階にあるレストラン『上野精養軒』で時間潰しをすることにしました。
日本語WIKI「上野精養軒」の情報によると、「上野精養軒(うえのせいようけん)は、東京都台東区の上野恩賜公園内にある老舗西洋料理店で日本におけるフランス料理店の草分け。築地精養軒の後身。明治期には国内外の王侯貴族や名士達が馬車で駆けつけるなど、鹿鳴館時代の華やかな文明開化を象徴する存在であった。夏目漱石や森鷗外の文学作品にも登場する[2]。株式会社精養軒によって運営され、本店のある上野公園内の博物館などに系列店を出店している。」とあります。
しかし、早い話が、東京文化会館には待合室やベンチなどがない為、開場までの時間潰しをする場所はこの「上野精養軒」しかありませんでした。「上野精養軒」で食事をするチャンスを下さり有り難うございました。
やはり夕食の時間(夕方6時頃)には全てのテーブルが満席になっていました。
東京文化会館に到着する前にアメ横の中にある台湾料理店で豆花と呼ばれるデザートを頂きてきたものの、コーヒーだけだと申し訳ないと思い改めてケーキセット(1050円)を注文しました。
ケーキは、チョコレートケーキにしました。
紅茶は、レモン入りかミルク入りかのどちらかをチョイスします。ミルクを入れることにしました。
比較的に大きなケーキに見えますが、ケーキなんて10分でペロリと平らげることができます。しかし、まだ開場まで待ち時間が1時間ほどありました。
ブラックチョコレートのほろ苦さとムースの甘さが上手くマッチしていて美味しく頂きました。
オレンジのゼリーとブルーベリーも添えられていました。
グリム童話に登場しそうな馬車のイラストが描かれているナプキンが可愛いですね。
可能な限り時間をかけてゆっくりとケーキを頂くつもりでいたものの、とても美味しいのでこのケーキを食べ終わった後でも開場までまだ30分はありました。
そんなこともあり、メニュー表を見ていたらボルシチも850円でしたので注文しました。
上から見るとこんな感じになります。今まで自分で手作りしたボルシチしか食べたことがなかったので、改めてホンモノのボルシチがどんなお味なのか知ることができました。
牛すじと牛肉が入っていると思います。牛すじのトロッとした部分にボルシチのスープが浸み込んでいて美味しかったです。
サワークリームもトッピングされていました。まろやかな味わいになりますね。
イタリアンパセリもトッピングされていました。
やっぱり、牛肉のコンソメがベースになっている為かお出汁が濃厚で美味しかったです。自宅ではインスタントのチキンコンソメの粉末でしか作れませんけどね。また、次回は自宅でも牛すじを煮込んで作ってみようと思いました。
ケーキセットが1050円で、ボルシチが850円で合計が1900円でした。歴史ある「上野精養軒」ですが、六本木や銀座の流行りのレストランに比べるとかなりリーズナブルで美味しかったです。