最近 ボラバイトさん達と触れ合う機会が増えて色んな情報を耳にする事が出来た。
彼らは農業ボラバイトサイトに登録していて全国あちこちで働いているそうだ。
私達の事業所にも 毎年男女問わず十数名の人達がやって来る。
ちょっと本題とは逸れるが 私は常々 思っているある疑問を
一人の30代の男性にぶつけて見た。
「俺ね あなた達は自分の将来をどんな風に考えてるのかと気になっている。
こういうバイトも若い内はいいだろうけど年齢がいけば体力的に稼げなくなるだろうし
老後の事は心配ないのかなって ふと思ってしまう」と尋ねる。
彼には余計なお世話だったかも知れない、すごく失礼な事を訊いたかも知れない。
「うーん 仰る通りですね それを考えたら夜眠れなくなります」と返って来た。
そか やはり将来の事はちゃんと気にはしてるんだな。
私は それ以上深く追求するのは止めた。
そこに触れて欲しくないんだなと空気を読んだからだ。
私は長年 普通に民間企業に勤めて厚生年金も支払って一応老後に備えての
準備はしてきたので どうしても彼らの行動が理解出来ない所がある。
彼らを悪く言うつもりは無いが 大丈夫かなと思う訳である。
それこそ彼らには余計なお世話だろうけどね・
彼は立派に4年制大学を出て 一度は民間企業に就職したそうであるが
ある理由があって辞めたそうだ。その理由はその時教えてくれなかった。
それ以上は話したくないんだろうと 私も無理に聞く事は無かった。
ただ 何か目指したいものがあったのかなと その時は勝手に想像していた。
彼は真面目で思いやりもあって 他のボラバイトさん達のまとめ役でもあった。
仕事にも真摯に取り組んでいるし ここの社長や2代目の信望も厚い。
それ故に 何で就職もせずバイト優先なんだろうと余計に思ってしまうのだった。
ある飲み会の席で 彼がなぜ会社を辞めたのかを知る事になる。
ずばり人間関係が上手くいかなかったらしい。
なので新しい職場に就いた時 不安で不安ででしょうがないんですと彼は言った。
そう言う事がトラウマになってるのかも知れないね。
ここに来た当初も Uさんに頭ごなしに言われて
（ああ ここも長くは居れない感じだな、早々に辞めたがいいかな）と思ったらしい。
このUと言う男性は私がここに来た時は既にいて
私にも高圧的な物言いをしてきたのだった。
私が威圧したので それ以降は大人しくなった。
ちょっとどころか かなりの風変わりで社長や2代目からは
しょっちゅう叱られている。
仕事は満足に出来ない癖に新人が入ると先輩づらして高圧的な態度になる。
仕事でミスばかりするので 今は一時的に出勤停止となっているが
どういう訳か ほとぼりが冷めた頃に又戻って来るのである。
何で社長はこの男を再び仕事に復帰させるのか理解に苦しむ。
社長が「お前は明日から来るな！」と怒鳴っているのにである。
今迄 ず～～と それの繰り返しらしい。
話は元に戻るが 「その時 不動さんが優しく接して頂いた事が嬉しくて
すごく感謝しています」と 当時を振り返る様に話してくれた。
不動さんが居てくれて すごく安心出来ましたとも言った。
「その内 みんな優しい人ばかりだと判り職場の雰囲気もいいので
もう少し続けて見ようと思いました」と彼は言う。
まあ 本人の努力が一番だと思うが前の職場で相当酷い目にあったんだなと推測する。
やっと本題に入るが 彼らは大体単独行動が殆どである。
大学生は2～3人で来る事もあるが それも少数。
ボラバイトの人達は 全然知らない土地に行くにも一人で交通機関を
利用してやって来る。
話を訊くと ボラバイトしながら行った先の観光を楽しみながら
お土産買って我が家に帰るらしい。
それこそ自由気ままと言えよう。
まあ彼らと話していると実に楽しい。
観光して良かった所とかをリアルに話してくれる。
観光地もそうだが 彼らは日本全国いろんな地域からやって来るので
その地域の話を生で聞けるのがいいね。
この人達も含めての話だが 今女性の一人旅や一人食事とか流行ってるらしいね。
私は基本 一人旅は無理、全然楽しくなさそう。
私は所詮一人では行動出来ない人間である。
食事は勿論の事 買い物でも一人で行くのは苦手。
必ず家族の誰かを誘う。誰もいなくて急ぎの時は仕方なく一人で行くけど。
話し相手もいないのに 一人だけで観光して何が楽しいんだろうと思ってしまう。
なので一人で行って何が楽しい？ 俺は第一に不安でしょうがない。
と言うと「一人の方が断然気楽でいいですよ、自由にあちこち行けるし
二人だとどうしても好みとか違うので 私は一人がいいです」と言う。
へえ なるほどね、 俺には到底出来そうもないので
ある意味 そういう人達を尊敬するよ。
と言う話でした。