衝撃のスカートデビューの日 | 気ままおやじの独り言

気ままおやじの独り言

日々、気ままに暮らしていますが ちょっと気付いた事や感じた事などを書いています。拙い文章ですが読んでいただけたら嬉しいです。

前回ブログに続いてこれも小学校時代の思い出ですが 

 

何と私がスカートを穿いてしまった話です。

 

その場の成り行きで そうなっただけで 

 

別に私が女装趣味とかの話では無いのであしからず。

 

 

 

それは当時6年生で 10日後位にクリスマスを迎えようとしていた時

 

担任の男先生が「なあみんな 小学校の思い出作りにみんなで

 

何かやらないか、テーマは自由で男女別々のグループを作って

 

俺たちのクラスだけでパーッと楽しくやろうと思うけど どうかな?」

 

と提案したのがきっかけだった。

 

「あ いいね やろうやろう」と即決だった。

 

我々世代は俗に言う『団塊の世代』で一クラスの人数も50余名いた。

 

若干女子が多く 1チーム7~8人で男子3チーム 女子4チームに分かれた。

 

早速 放課後グループ別に分かれてテーマを話し合う事になった。

 

何をしようかと話はなかなかまとまらない。

 

メンバーは皆で歌おうとか なるべく簡単な事で済まそうとする。

 

しかし 遊びやこう言う時にのみ知恵を絞り出すのが私である。

 

「あのな 面白い事をした方が思い出に残ると思うばい、どうせやるなら

 

みんなが強烈に印象に残る事をやってみたいな。

 

ちょっと考えたばってん 一人が旅行者になって世界中を旅すると言うのは

 

どうじゃろか?」と提案する。

 

すると「面倒そう」とか言って乗り気じゃない様子。

 

「それを今から話し合おう」と言うと

 

反対ばかり言ってても先に進まないので 仕方なくみたいな形で納得した。

 

私は言い出した手前 俄か進行役を務める。

 

旅行者は頭が良いF君即決、次に行く国々は見ている皆に受けるような

 

国がいいなと 又話し合った。

 

6年生ともなると 世界の人達がどんな暮らし方をしているか

 

学習してるのである程度の知識はみんなある筈。

 

「俺ね ハワイなんかどうかなと思う、女性のフラダンスとかよかよ」

 

「ええええ 女じゃん 誰がするとか」と 又もめる。

 

まあ 誰がやるかは今から決めるばってん 奇抜な事をした方が

 

みんなに受けると思うし 良い思い出になると思う」 と言った。

 

始めは真向否定していたメンバーも 次第に協力的になっていく。

 

 

 

 

みんなが見て直ぐ分かる様な民族衣装などを考えながら

 

大体6か国位に絞り込んでいく。

 

中国 アフリカの中の何処か1国  メキシコ  アメリカ  アラスカ(エスキモー)

 

そして私が推奨したハワイに決まった。

 

その国は俺がやる 俺がそれをやりたいと さっきとは打って変わって

 

急に積極的になって すんなり決まった。

 

何故か?そうハワイをしたくないだけの理由。

 

 

 

当時の男たる者 そんな女装など恥ずかしくて出来るか!

 

幾ら面白くやろうと言っても こればかりはみんな尻込みするのは最初から分かってた。

 

言い出したのは私、覚悟は決めていた。

 

クラスのみんながビックリ仰天 そして大笑い、、、そうなったらいいな。

 

そんな妄想を抱きながら ヨシやってやろうじゃないのと己に言い聞かせる。

 

 

 

 

 

 

大体の筋書きは決まったが 後は行き当たりばったりで言った方が面白そう。

 

言葉が出ない時は 旅行者のF君が上手くホローすると言う事で落ち着いた。

 

私の出番は最後だった。

 

 

 

 

私はどうしたらいいか迷った。

 

フラダンスは まあ腰をフリフリすればどうにかなるけど

 

肝心の蓑みたいな物は見当たらないし ちょっと考えた。

 

私には姉が3人居て もちろんみんなスカートは持ってるが

 

こんな事は恥ずかしくてとても言えない。

 

言ったら呆れられるか 馬鹿にされるかのどちらかだろう。

 

でも時間が過ぎて行くばかりで焦ってきた。

 

私は勇気を出して姉達に事の顛末を伝えた。

 

すると意外な返答があった。

 

「へえ 面白そうじゃん、私も見たい」とか言ってきたのである。

 

そして「私のスカートが丁度いいかもよ」と一番上の姉が言う。

 

そのスカートを出して来た。

 

長めのスカートで エンジと白の小さい縦縞模様となってて

 

「ああ これならフラダンスに最適かも知れんばい」とスカートを受け取る。

 

(ああ良かった)

 

これで心置きなく練習できる。

 

私は自分なりに どうするか考えた。

 

 

 

 

そして いよいよみんなの発表会の日が来た。

 

教室中を色とりどりのテープなどで飾る。

 

それは主に女子達の仕事。

 

男子は天井などに釘など打ったり装飾の下支えを行った。

 

各チームいろいろな趣向を凝らして みんなを楽しませる。

 

各チームとも練習時間が少ない中 上手く出来てるなと感心する。

 

そして 我がチームが呼ばれて準備に取り掛かる。

 

教室の片隅がカーテンで仕切った着替えたり待機の場所である。

 

旅行者役が次は何処に行きますと言うのに合わせて待機場所から一人ずつ舞台に出る。

 

待機してる私はドキドキしてきた。

 

大笑いされた挙句に ず~っと馬鹿にされるかも知れない、、

 

と余計な事まで考える。

 

姉に借りたピンク色のセーターと縦縞模様のスカート 頭にはスカーフ

 

女子に急遽作って貰ったテープで作ったレイを胸に下げて待つ。

 

旅行者F君が 「最後の観光地ハワイへ着きました」の合図で

 

当時流行ってた田代みどりのパイナップルプリンセスを歌いながら

 

尻をフリフリして舞台中央へ躍り出る。

 

 

私がカーテンから飛び出した瞬間 「オオオオ~~」とか

 

「キャ~~」とか教室中 大騒ぎ。

 

私は愛嬌を振りまきながら舞台でひとしきり尻をフリフリする。

 

みんなの大笑いが止まらない。

 

普段大人しい私が こんな事をしたのでみんな驚きの後

 

大笑いになってしまった。

 

担任教師も満面の笑顔だった事は言うまでもない。

 

旅行者のF君と話してる時 スカートの下に穿いてるズボンが下がって来た。

 

一人モゾモゾしてたら F君が「え?どうしたんですか?」と私に振って来た。

 

(も~余計な事を言わんでいい)と思ったが

 

すかさず「パンツの紐が切れたわ どうしましょう」と言うと

 

またまた 大笑いされてしまった。

 

私のクラスの余りの盛り上がりに 隣のクラスの生徒達まで廊下から見物する有り様。

 

何とか我がチームの出し物は終わったが

 

終わってからも みんな余韻が残ったみたいに「お前らが一番良かった」

 

と 口々に言ってた。

 

 

 

まあ 私の思惑通りになった訳だが 隣のクラスの子達にも見られたのが恥ずかしかった。

 

 

 

そしてこの話は ここで終わった訳では無かったのである。

 

 

 

私達6年生はもうすぐ 小学校を卒業する。

 

何処の学校もそうだと思うが『6年生を送る会』と言うのがあって

 

各学年 いろんな芸などを披露して会場を盛り上げる。

 

当然 送り出される側の6年生も何かをやらねばならない。

 

女子は楽器演奏をやる事になったが 男子は隣のクラスも合わせて

 

全員で何かをやる事になった。

 

そしたら 先生が言い出したのか生徒の誰かが言い出したか分からないが

 

あの我々がクリスマス会で行った『世界の国々の人達』を今度は

 

両クラス男子全員でやろうと言う事になった。

 

えええ 何でそうなる?

 

あの私の女装姿が みんなに相当の衝撃を与えてしまったようだ。

 

何か当然と言うか フラダンスはもちろん私が中心で

 

他に5人位が女装する羽目にになったのである。

 

 

 

そして送る会当日 講堂は全校生と父兄も最後尾に陣取って熱気に

 

溢れていた。

 

最後はいよいよ我々の出番、フラダンスの場面では女装した6名が

 

横一列に並んでお尻フリフリ 途中からリーダーの私が一人前に出て

 

旅行者と会話しなければならず いやがうえにも目立ってしまって

 

恥ずかしかったが 会場は大笑いの渦となってしまったのである。

 

そして 幕と同時に割れんばかりの拍手を貰ったのだった。

 

 

他の出し物の時は みんな比較的大人しく見ていたのだが

 

フラダンスでスカート穿いた6名が登場した途端

 

蜂の巣をつついたように大騒ぎ状態だった事は言うまでもない。

 

指を指す者 驚いた表情の下級生たち 父兄たちの声も聞こえてきた。 

 

 

 

数年後 高校生になったある日の事 我が家に遊びに来た私と同学年の

 

双子の従妹が「ねえ不動ちゃんてさ スカート穿いたんでしょう」と

 

興味深々な顔で俺に話し掛けた。

 

急に言われてそして何でそれを知ってる?と言う顔で従妹を見ると

 

「Jちゃんて同級生だったでしょ、彼女が教えてくれたよ」

 

(も~あいつめ 余計な事を)

 

Jちゃんは私の同級生で従妹と同じ高校に通ってて

 

話すうちに私が親戚だと分かって 教えたらしい。

 

 

 

Jちゃんにとっても男子のスカートは相当の衝撃だったようだ。

 

 

今でこそ男子がスカートを穿くのはネットなどでも時々見かけるようになったが

 

あの時代に 男のスカートなんて絶対受け入れられなかったと思う。

 

変質者扱いされてもおかしくない時代だった。

 

少々 やり過ぎ感はあったけど

 

みんなの心に強烈に残った思い出でした。