転載します。
オカン式セルフヒーリング
じゃー、やってみましょうか! 楽しみですねぇ。
ポールさんの事例、すごく良いでしょう?
「身体のなかの感じをそのまま感じると、感じ自身がひらいて変容する」という今回のテーマに、明確さを与えてくれます。
ポールさんの場合は、先に痛みがありました。その痛みに意識を向け、痛みのありのままを受け入れ、押し戻そうとしたり変えようとしないことで、小さなシフト(変化)が起こり、やがて大きなシフトへと開いていきましたね。
今日、オカン式セルフヒーリングとしてご紹介するのは、痛みや違和感が無い、普段の状態から始める方法です。苦しいとき、痛みがあるときは、(1)から(4)へ飛んで、その感じから始めてください。
【オカン式セルフヒーリング】
【オカン式セルフヒーリング】
時間:30分から1時間ぐらいは見ておいてほしい。
場所:安全で安心できるところ。
体勢:座った状態。
(1)座った状態で始めます。布団やベッドの上であぐらをかいてもいいですし、椅子に座ってもいいです。
身体の周囲にある、生命エネルギーの場に空気を吸い込むように、深呼吸をします。吸う息のたびに、生命エネルギーの場がふくらんで、愛と優しさが身体を取り囲むのを感じます。まずは明るい、いい気分で始めたいですね。
(2)目を閉じ、意識的な呼吸を続けながら、身体の内側に向かって、言葉を落とします。小声でもいいですし、声に出さず行ってもいいです。
「ありがとう」「愛しています」「ありがとう」「愛しています」
これはハワイの民間伝承からの癒やし技法、ホ・オポノポノの一部で、身体と内側の感覚がガチガチのときに、ゆるめる効果があると感じて採用しています。細胞はひとつひとつが小さな子どものようで、あなたが落とす言葉を喜んでゆるんでくれます。そのことで例の黒いオセロを固めた膜のようなものが薄れて、動きやすくなるように感じます。自分という存在をなでなでするように、言葉を落としましょう。
この部分は、いわば時間短縮用、クイックメソッドみたいなものです。
(3)目は閉じたまま、呼吸はしっかりと意識的に続けましょう。静かで力強く、長い呼吸です。とにかく呼吸を止めないことがコツのひとつです。吐ききったらすぐ吸う息にかかります。
感じがひらいていくためには、一定の量の酸素が必要なんです。
身体の内側に意識を向けて、問いかけます。
「いま、どんな感じがあるかな」
おなか、背中、首の後ろ、肩、腕、手、太もも、足、おしり。
好きな順番で感じていきます。
(4)気を引くなんらかの感じがあったら、それに注目します。部分でなく、全身が重い、といった感じも注目に値します。単に食後で胃が重い、なんていうのも、最初の注目の対象でいいのです。対象は徐々により深いほうへと変わっていきますから。
ただ、感じましょう。これは何なんだ、という思考の解釈はオフにしておいてください。ここは肝臓の位置だな、肝臓と言えば…と考えたくなりますが、すぐオフにして感じる方向に集中します。
その感じを最大限尊重する態度が大切です。押し付けたり、推しはかったりするのではなく、見守ります。注意を注ぐのです。ぜんぜん知らない何かがそこにあるぞ、という気持ちで見つめます。
(5)変化についていきます。感情が動いたら、それをそのまま感じます。押しやろうとしたり、避けようとしないで、受け入れ、それがあることをただ認めます。そもそも「こんなものが有ってはだめだ」という意識で封じられた感覚ですから、出てくること自体を歓迎してあげてください。「そうだ、それがここにある」と受け止めて、感じるほうへ意識を戻しましょう。
感じが動いたときほど、呼吸をしっかりと。
身体のなかにいくつもの感じがあるときは、そのなかでいちばん気を引く感じに注目します。
(6)自発動といって身体が勝手に震えたり、リズミカルに振動したりすることもよくあります。それ自身が動くにまかせ、静まるにまかせましょう。立った姿勢で行うと、この自発動で転ぶこともありますので、座ってやるのが良いのです。すべては身体が、バランスを取り戻そうとやっています。
自発動が止まらないときは、続けられる限り続けてあげて、そのあと身体を横たえてみましょう。そのまま静かにしていると、いまの動きで変化した、新しい感じが現れることがよくあります。ちなみにオカンは自発動大好きで気持ちよく、えんえんと揺れていることがあります。
(7)今日ですべてをやってやる!と言うことではなく、今日はここでおしまい、また後日、と区切りをつけて終わりにして大丈夫です。「ありがとう」「愛しています」「ありがとう」「愛しています」とホ・オポノポノの言葉を内側に落として、終わりにしましょう。
お茶や水をじゅうぶん飲みます。
ヒーリング記録をつけたければこの後、書きましょう。
おつかれさまでした。この先も、ご自分のペースで生活にとりいれてくださいませ。
根を下ろすためのフォーカシング
【オカン式セルフヒーリング】は、心理技法の「フォーカシング」とハワイの癒やし技法「ホ・オポノポノ」を混ぜたような格好です。これは、自分用に長年やり続けてきて、効果があるところだけを残したような具合です。セルフヒーリングですから、あまり深く掘りすぎて昏倒するようではいけないし、面倒で続けられないのも困ります。気分良くスタートできて、気分良く終われる、しかも効果が体感できる。確かに日々が変わっていく。そういう時間でありたいですよね。
本式のフォーカシングでは、起きた感じを言葉にします。これをハンドルと言います。フォーカシングをしっかりやりたい方は、ぜひフォーカシングの先生に習いに行きましょう。【オカン式セルフヒーリング】では、解釈のための思考を働かせないよう、ハンドルはつけないで進めています。身体から自然に湧いてきた言葉があれば、身体の内側で響かせてみて、反応を見ると良いでしょう。
実際にやってみると、初めのうちは何か起きているのか、変化しているのか、わからないまま過ぎていくと思います。いつも大きな変化があるわけではありません。めげずに続けていくと、日常のほうで変化が突然理解できる、ということも起こります。ポールさんのエピソードでも、痛みを見つめたあと、コンピュータに向かったときに、指の変化に気づきましたね。
ただ、何よりもオカンが強調したいのは、セルフヒーリングを続けると意識の根が頭から身体に向けて、深く深く伸びるんです。
日常に苦しさを感じておられる方は皆さん、根が首もとで途切れています。身体に伸びていないんです。意識の根が身体に伸びるとそれだけで「自分はここに居ていい」という感覚になれます。環境や人間関係が変わらなくても、どっしり、ゆったりと今いる場所にくつろげるようになるんです。ヒーリングによって、拒絶した記憶が詰まっていた身体から、生き生きとエネルギーが流れる身体になりますから。根が気持ちよく伸びます。全身、指の先まで、心地いいあなたになります。そうすると環境は関係ないんです。居心地の良さは、意識が身体に根を張っているかどうか、なんです。
そうなったあなたは、親との関係でも別の感じ取り方が生まれるのではないでしょうか。より落ち着いて、自分を見失うことなく、人生の選択ができるようになるとオカンは信じます。