住民税って 恐ろしい?
この季節、隣の社員が年末調整の作業をしています。
私も 昔、この作業に従事していたこともあり、「給与所得限定レベル」ではありますが、所得税に明るくなりました。
で、この所得税という国税ですが、これは徴収方法が上手く出来ていますよね。
サラリーマン・OLについては給与支給時に源泉徴収をしたり、芸能人・スポーツ選手・動物タレント については 支払時に一定割合を源泉徴収したりして。
(注)動物タレントとは日光猿軍団のお猿さんなどをいいます。お猿さんも所得税を納めているんです。
所得税は、所得が発生した時期(支払時)と 税を徴収する時期に ズレがありませんからね。
あとは、サラリーマン・OLならば年末調整で、それ以外の人は確定申告で完結させるのみ。
でもね。
これに対して住民税は 厄介です。
以前 関西ローカルのトーク番組で、元プロ野球選手が語っていました。
「僕ら野球選手は、引退が近づいてきたら引退の翌年に支払う住民税のお金だけは 残しておかないと、大変な目に会うんですよ。」
ここで、住民税の仕組みですが、①前年の所得に対して課税 ②課税は翌年の6月から の2点がポイント。
[一例]
2008/04/01 入社
2008/04/25~2009/05/25 給与から住民税の差し引きは無し
2009/06/25 給与から住民税差し引きを開始
この場合、2009/06/25の給与から差し引かれる住民税は、2008/04~2008/12月の所得に掛かる分です。
さて この人が退職したら・・・。
2010/03/31 退職 しばらく無職の予定
退職日に 会社は、2010/04/25と2010/05/25に差し引かれる予定の住民税を預かります。
で、2010/06月からは・・・。
前年 すなわち2009/01~2009/12月の所得に掛かる分を 自分で納めなくてはなりません。
これって、所得が発生した時期(支払時)と 税を徴収する時期に、1年5ケ月も ズレがありますよね。
ちょっと 間隔が開きすぎではありませんか?
退職後 無職になれば、前年の住民税は支払えないですよ。
これではおそらくどこの自治体でも、住民税の未徴収が多発しているはず。
一向に表面化しませんけどね。
一般会社だと、未収金は「貸借対照表」に載るので表面化しますが、自治体は「貸借対照表」を作成しませんからね。
でも将来、どこかの自治体が財政破綻して、住民税の未徴収分を公表するかも。期待しよっと。
さて、なんとか制度を改めて、住民税も所得税同様、徴収時には同時期のものを徴収することは できませんかね。
もちろん 居住地が変わり、居住地で税率が違ったりするので、難しい面はありますが。
今の日本。