影が離れた後は、前のような状態に戻った。


前の状態というのは告白する前の、穏やかな二人


変に意識しないで、穏やかな気持ちのまま隣に居られたことが

何より、変えがたい気持ちよさだった。



二人の間には、心地よい風が吹いている



祝福されたような感覚するあり、錯覚をしてしまうくらいだった。



夜も遅かったので、ゆっくりと駅の方に向うことにした。


学校も近かったので、夢斗は気遣ってくれて、帰りにはそっと

方に腕を回して、顔を隠すような格好で、私は寄りかかりながら

歩んだ。



恥ずかしかった。



でも、こうしろというので、そういう風にした。



今まで苦しんできたことが嘘のように感じて、なんか伐が悪かったが

それでも、この瞬間を大事にしたいと思って、馬鹿みたいに一生懸命



ぬくもりを感じていた。



人のぬくもりは、意識して出せれるものではないし、

感じることも出来ない。



寄りかかる相手がいかに、元々持っているものなので

それを、直感でしかも直に肌で感じられるかで変わってくる。



ぬくもりは、人間の持っている本当に癒しのように思えて仕方ない。


温かみのある人とそうでない人、この恋愛を通して分かるようになったのが

言うまでもなかった。



駅に近づくにつれて、どうしても寂しさがこみ上げてくる。




まだ一緒にいたいという、自分の願望。



相手もそう思って欲しいという、わがまま。



抑えきれない我慢。



唯一自分の今の気持ちを出せれる相手こそが、本当に相手なのではないかと。



恋愛を通じて多くの事を学ぶ。



人の尊い気持ち。


思い遣る気持ち。


繋がる気持ち。


嬉しいと思える心。



全てに通じて、マイナスの要因が無いことを悟る。



気持ちのまま、あるがまま行けて、しかも相手の事をしっかり思える気持ちを大事に

していける。ここが大きく、好きになれる相手に託す自分の気持ちではと。



託す。


委ねる。


曝け出す。



こんな人の本質を出せれる相手がここに居たこと、
奇跡としか思えない。



奇跡を偶然と感じ、またそれが必然になる今をとても大切にしようと



別れ際に、しっかりと自分の心に約束をした。



その日は運がいい事に、満月だった。


運がいいかどうか、満月の日はあの高校の屋上からみた

満月を思い出す。


それは実際には、いい思い出ではない。



しかし、その記憶は決して忘れることは出来ないが、

満月を見ると、この日の事を思い出すとなると、かなり

気が楽になった。


ひと時の嬉しい日に塗り替えられるのはいことだなぁ~と

思った。


二人はゆっくりと、離れた。


見つめあい、夢斗が言ってくれた



「楽しく、二人でがんばろうなっ。」



その気持ちが一番嬉しかった。

辛い時でも悲しいときでも、一生懸命になれる


そんな希望が沸いてきた。



「うん、嬉しい。」



少し浸ってしまった。


なんか、自分らしくない、こんな好きになった人でき、

自分の気持ちの変化が、はっきりとわかる事が不思議でたまらない。



これが見えない力なのかもしれないなぁ~っと思った。



一番に好きになれる人。こういう風に思う事が違った。

大きく違う所だと感じた。



辛い気持ち、悲しい気持ちはどこかに隠している。

というか忘れている。



自分の気持ちには部屋が一杯ある感じだが、

それが一個一個繋がっている感じが今はしている。



どれくらい時間がたったのだろうか、、


今までに感じたことがないくらいに、長い時間彼は考えていたと思う。


その横顔すら自分は見れないでいた。


何か恥ずかしい、見てられない気持ちだったので、つい真っ直ぐに

海を眺めていた。


私も、何も考えては居られなかった。



どういう返答でも、自分はしっかり受け止めるべきだったが

好きな気持ちは当分変わりそうもない。


で、少し唇が動いたのを、気配で分かった。



「んと、俺の気持ちをいいます。」



なんか、断腸の思いでの一言に、ぷっと吹き出したくなる感じだったが、

そこを何とか我慢をした。



「えっと、今考えていたのは、正直俺から何で言わなかったのか

 ということをずっと考えていて、返答に困ったわけでは無い事を

 先に言っておきます。」




なんだこれ?と思ったが、そのまま静かに聴いた。



思いもよらない応えだった。





「実は俺も大好きです。……。」




えっ、と横顔を告白して初めて見たが、そこには満面の笑みがこぼれていた

俗にいう、ハッピーエンドだ。まぁ~ここで終わりではないんだけどねっ、、



「本当にぃぃ~、ねぇ~本当なの?」



何度も聞いた。


しつこいかなとは思ったが、それでも何度も聞いた。



かなりびっくりして、動揺してそのまま泣いてしまった。



「なんでなくんだよぉ~、。」




まだまだ女心を知らない所もいいかと、許してしまうくらいだった。



「嬉し泣きなの!」




少し強めに行った言葉が、彼に刺さったらしく、

初めて私の前で、彼も涙した。




「ほらみろ、俺も涙したちゃったじゃないかぁ~、、」



「そんなの、あんたの勝手でしょ?」



「まぁ~ねっ!」




二人でないた後のもう笑ってるになり、二人で大笑いした。


何分も笑い続けた。




そこで不意に、彼は私の近くによってきた。




「いいか?」




「なにが、、」




大体予想はついたが、自然に彼の動きに任せた。



かなり下の私、身長の高い彼は、少し膝を落とした。



無理なく、私はそこにたたずむことにした。


顔が近づいてきて、ゆっくりと彼は、首を横にして、


そこでゆっくりと目を閉じた。


温かい彼の唇が、私の唇に触れた。


キスってこんなにあたたかったんだぁ~、


初めて、温かいキスをした。


気持ちが伝わるキス。


あまりというか、今までも経験も無い。


本気で好きになった人とのキスは、忘れられないし、


離れたくない。


闇とかした、海に煌々と街路樹がだけが、明かりを照らし続けている。



肌寒さも、感じないほどの暖かなひと時だった。