「そうだなぁ~…、その人はまだ掴めない人なんだ。よく言えば雲みたいな人。
  やんちゃで、無鉄砲なんだけど、めちゃくちゃ優しい人。」



 「なんだ、それ?わからんなぁ~…、どんな人なんだろう?」

 



 気にしてくれているのか、そうでないのかは分からなかったが、でも
 ちゃんと、意識してくれているみたいだし、まだいいかっと思った。

 静かに続けた…


 「でも、その人と一緒にいるとなんか、ほんわか気持ちがしてくるし、

  すこしだけ、幸せな気持ちになったりするから…。」



 「えっ……、一緒に居るって、、、、、。」


 沈黙が、続いた。夢斗は一生懸命に前に向って、何かを考えている。


 しかも、何か言おうとしている。


 その姿を横目から、じっと見ていた。


 やがて、夢斗は横を向いて、私の方をしっかり目を見開いて、

 言葉を発した。


 「まさか…それって、、、、」


 思い切って目をつぶりながら言った。



 「うん、そのまさかだと思う。

  そう、夢斗が好き。」



 やがて、また静かな沈黙が流れた。かなりの時間だったと思う。

 



 ゆうに、二人は海をながめて、一緒の方向を見ながら、時を過ぎるのを




 待っている感覚だった…

 公園で、一緒に海を眺めている。


 向こうには、『ベイブリッジ』を一望して見れる。


 かなりいい景色だ。


 一望しているので、吸い込まれそうな気がした。


 時折何故かわからないが、飛び込みそうになる衝動があるので、

 やっぱり少しおかしいなと思うときもある。


 となりではなぜか、さっきまで無邪気に話しをしていた

 夢斗は黙りこくって、海を眺めていた。


 目線をどこにしているわけでもなく、広く深い目線で。


 一点なのか、大きく視野を広げて見ているのか分からないが、

 その横顔を見ていたかったが、なんか邪魔してそうで悪い気が

 したので、ずっと見るのはやめておいた。


 沈黙は長い時間といっても、20分~30分位だったが

 夜景に沈む、ベイブリッジを見て、急に話しかけてきた。


 「なぁ~、あきこって、好きな人いるのか?」

 


 「えっ…」

 


 不意に聞かれたので、黙りこくってしまった。


 どんな意図で、なんでこんな所で聞くの…


 そんなことが頭をよぎってチャンとした答えができたかどうかは

 分からないけど

 



 「うん、一応とかいるけど、でも私みたいのはいつも片思いだから。」


 「なんで、片思いになるん?なんか、彼氏いても、おかしくはないけどなぁ~。」

 



 嬉しいのやら、すこし恥ずかしいのやらで、なんか下を向いてしまった。

 ここで、頑張って話さないとと少しは思ったが、勇気は出ない。

 


 「夢斗はいるの?」


 思い切って聞いてみた。どんな反応があるんだろう

 思いもよらない答えが帰ってきたら、自分はちゃんと返せる事はできるんだろうか?

 


 「俺もいる。でも、今後どんな風になるかまだ創造できん。いい意味でだけどなぁ~。」

 


 あっ、やっぱりいるんだぁ~、そうだよねぇ~…いてもおかしくない年頃だしねっ。


 「で、どんな子なの?」


 「おぉぉ~聞くねぇ~…。。。」



 聞いて悪かったと思っていたら


 「そうだなぁ~、かなりかなりの不器用で多分俺の予想だと、思いを伝えられないベタな

  子やと思うんだけど、そこがなんか可愛いというか、素直というか…絶妙やなぁ~。」

 


 なんだ??これは、ん~良く分からなかった

 まぁ~確かに、夢斗の交友関係は分からなかったけど、そういう子がいるという事に

 軽くショックを受けた。



 ショックといっても、そこまでの今までの苦しいショックではなくて、

 頭をツンとされた、軽いショックだった。


 「でも、まだ良く分からない子で。いまだ掴めないなぁ~と思っているけど、

  好きなんだと思う。本気でその子の事を考えでしまうし…。」


 へぇ~そうなんだぁ~考えてしまうんだぁ~…まるで自分みたいだなぁ~と思った。


 「で、あきこはどうなんだ?その好きな男って…」


 ほぉ~なんか恥ずかしがって、聞く所が可愛いと思ってしまって、少しまた
 違う一面も見てしまった。

 



 完全に自分としてはそろそろ、帰らないと思っていた時なだけに、

 ここで自分をしっかり、もって相手にチャンと伝えないと。

 程よく時間を過ぎたあたりで、席を立った。



 自分がわがままを言って、公園に行きたいといったので、

 電車で桜木町まで移動をした。

 


 外は暗くて、かなり行きかう人も多くて、いつもだったら

 避けて通るのが、今日だけ違った。

 


 今日に限って、となりには心強い見方がいるのだ。



 安心とはこういうことをいうのかなとさえ、錯覚に思えた。



 いつしかといか、いつのまにかつながれた手はしっかりと握られていた。



 温かさがじわりじわり伝わって来て、嬉しさがこみ上げてくる。

 にこにこ、していると




 「なに、にやにやしてるんだよぉ~。」




 とすかさず、突込みが入ったが、それもかなりの嬉しかったのだった。



 桜木町の駅を降りるとそこは、まだ建設中のビルや、建物を乱立していたが

 


 MM21という言葉は浸透しつつあった。


 今みたいに観覧車が大きくなく、コスモクロックという名称ではなかったような

 気がした。



 自分が好きな道は、まだオープンをしていない、商業ビルにのびる、一本の道

 で、そこを二人で通るのが夢だったので、実現できてものすごい

 どきどきしていた。




 二人は、スタート位置について、ゆっくりと歩き出した。




 多分夢斗は全然お構いなしだったのだとおもうが、自分は念願が

 かなって、かなりのハッピー模様だった。

 




 みなとみらい地区には、パシフィック横浜の横を通っていくのだが

 その通る風が気持ちいいいを事しっかり覚えている。



 いまでもその風は、肌で感じている。



 なかなか、感じられない風なのだが、今でも忘れられない。



 その間はずっとおしゃべりをしていた。



 何を話したのかというのはないが、その話しをする事事態が、

 


 楽しい事極まりなかった。

 


 
 公園での風景は、横浜港を全貌できて、海を感じつつ、近未来を見ている

 


 そんな感じがして、心地よかった。

 


 一番は安心できる、人が隣にいることだったが…



 このあと、予想だにしていない出来事があった、



 私自身の、未来を変えた…