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80年代に出版されたおまじない本のあとがきからです。
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僕と一緒に見た魔法の世界はどうだったかな。
ほんの短い時間だったけれど、君が何か見つけて、
君の心を磨く手助けになれたら、僕はそれが一番嬉しいんだ。
でもちょっぴりがっかりした君もいるかもしれないね。
僕も初めて魔法の世界に足を踏み入れた時、そう思った。
魔法ってね、呪文一発でパッと花が咲く、そんなファンタジックな
ものだと思ってたんだよな。
でもよく考えるとね、それはただのまやかしに過ぎないんだよな。
努力と、着実に過程を踏まえて汲み上げていく事こそ、本当の
魔法だという事を、判って欲しいんだ。
そしてね、本当の幸せっていうのは、自分一人が良い悪いと
いう事じゃなくて、自分が良くなる事で、周りが良くなっていく
事なんだと知って欲しいんだ。
誰かが幸せになるために、誰かが犠牲になる幸せは、
僕は本当の幸せではないと思うんだ。
本当の幸せっていうのは、皆が平等に幸せな、皆のために
皆が笑えるそんな世界なんじゃないのかな。
そして、そんな世界を作るためには、人間は宇宙の一部
なんだっていう事をよく知って、宇宙の星々から色々な事を
学ばないといけないと、僕は思う。
なぜなら宇宙の流れをそのまま伝えているのはあの星達だし、
この広大無辺の宇宙の中を流れる何億、何十億という星達は、
その流れを規則正しく流れていて、決してぶつかり合う事は
ないからだ。
それは星達が、お互いに引き付けようとする力と、お互いを
認め合って離す力とを持っていて、それがバランスを取り合って
いるからなんだよな。
そして、その力があるから星は流れ続ける事が出来るし、
流れる事が出来るから、時間が生まれ、未来が生まれる。
宇宙の同じ流れを流れている人間達にも、同じ事が言えるんじゃ
ないかな。
(中略)
そして僕と一緒に宇宙の神秘と偉大な力をかいま見てきた
君は、そんな幸せな世の中を作る小さな宇宙の力に
なってくれよな。
(後略)
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80年代の少女向け魔法本を手に取ると、80年代前半には
こうした「心構え」や、精神的な探究への導入の言葉が
ありましたが、80年代後半から徐々に見られなくなり、
現在では全くお目にかかりません。
「おまじない」をするかしないかはともかく、こうした認識は
人間に大切であると感じます。