当日だからギリセーフ?
間に合ったよ( *´艸`)









☆side智☆








『わっ…おっと…ごめんなさ~いっ…』




ほんの一瞬だった。


人混みかき分けて、テーブルに向かって進んでいたら…


前から来た人とぶつかって…


そんで前見たら、もう櫻井はいなくて…


参ったな…


はぐれちまった…


でも…


あのテーブルんとこ居りゃ会えんだろ。




…なんて呑気に構えてたけど、一向に櫻井は来なくて。


…もしかして、はぐれたオレを探し回ってる?



まさかな。



そんなバカなことしないで、電話すりゃいい話で。


…てことで、掛けてみるか。



\\…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…トゥルルル…//




『…出ねぇなぁ。気付いてないんかな…』




その後もしばらく掛け続けたけど繋がんなくて。




『…どうしよ……』




多分…動き回るより、ここに居たほうがいい気がする。


櫻井と座るはずだったテーブルの前で、キョロキョロと目を凝らす。




『どこ行ったんだよっ…』



〈…あの~…ここ、空いてます?使っていい?〉





必死に探してたら、不意に声を掛けられた…





『え?…ぁ、はぃ…』





櫻井と座るはずだったけど…

しょうがないよな。

座る場所は、合流してまた探せばいいし。





〈……ねぇ、キミ1人?〉



『…へ?…オレっすか?』





なんで話しかけてくんだよぉ…

オレは今忙しいんだっ!




〈うん、そう。キミ。…お祭りに1人じゃ来ないか。誰か待ってるの?〉



『や、はぐれちゃって…』



〈あらま。この人混みじゃねぇ?なかなか見つからないでしょ。…一緒に探してあげようか?〉



『え…いや、いいっすよ、そんな…そのうち会えるから…』



〈そう言わずに…人の善意は有難く受け取るべきだよ…ねぇ、ほらっ…おいで?どこではぐれたの?〉



『ちょっ…』





強引に…オレの肩に手を置いて歩き出そうとしてる…


つうか、この人酒臭っっ…


酔っ払って絡んできたのか?


なんなんだよっ、もぉっ…





〈はぐれた奴なんてほっといてさぁ、俺と遊ぼうよ。ね?〉



『嫌ですっ…離せっ…』



〈いいじゃん!1人でいてもつまんないでしょ?俺と楽しいことしよ…〉




ゾワッッ…


耳元でそんなこと言われて…


鳥肌立った…


気色悪い…


離せよ…


オレに触んなっ…




ドンッ!!




〈痛っ……誰だおまえ…〉



『ぁ…』



「ハァハァ…見つけたっ…」



『櫻井っ///』



「ハァ…この子俺のなんで…勝手に触らないでもらえます?」



〈…キミの言ってたはぐれた奴?…チッ…もう少しで連れ去れてたのにっ…〉




そう吐き捨ててその人はいなくなった…


…オレ、連れ去られるとこだったのか?





「ハァ…良かった、会えて…てかごめん…俺が動き回ったりしたから…」



『ほんとだよっ…素直にテーブルんとこに居てくれりゃ…こんなことにはっ…』




うう…なんかあの人が触ったとこ…

感触残ってて気持ち悪ぃ…




「ごめんっ…近くにいるかと思って………大丈夫?」



『…あんま大丈夫じゃない…かも…』



「分かった。…ちょっと歩ける?人が少ないとこ行こうか…」



『ん…』



「今度は絶対はぐれさせない。しっかり握っとくから!」




買ったものは全部片手で持って。

反対の手でしっかりとオレの手を握りしめてる…




「…このお祭りのこと、色々調べてたらさ、SNSに花火が見える穴場スポットが投稿されててさ…」



『…それって穴場じゃなくね?』



「ふふっ…まぁね、そうかもしれないけど…ちょっと気になるじゃん?」



『たしかに……今そこに行ってんの?』



「ん。じき花火も始まるし。場所取りと、大野くんの気持ちを落ち着かせるためにね♪」



『あんがと…』





歩いていくにつれ、人もだんだん少なくなってきた。

出店もポツンポツンとあるくらいで…




「あの高台だって!もう少しだね♪」




人も少なくて、もうはぐれることはないけど…

櫻井とはずっと手を繋いだままで。




「着いた~♪」




会場から少し離れていて、しかも高台だからか、人が少ない…


ほんの数人…


もうだいぶ暗くなってきてるから、顔とかも分かんない。


都合よくベンチなんかも置いてあるし。


ほんとに穴場だなww





「さて♪…もう落ち着いたかな?」



『だいぶ……でも…』





触られた肩の感触…

耳に吹きかけられた酒臭い息…


思い出すと悪寒が……


だから…


上書きしてほしい…





「…大野くん?」



『櫻井…お願い、あんだけど…』



「いいよ?なに?」



『…だ、抱きしめて、耳元で囁いて…///』



「え///なにそれ、助けたご褒美的な?」



『違ぇよっ///……あの人の感触が残ってて気持ち悪ぃんだ…だから上書き…してほしくて…』



「あぁ…そういえば肩抱かれてたもんね…俺の大野くんをベタベタ触りやがって…しかもなに?耳元でなんか言われたの!?」



『…まぁ……だから…おまえの声で上書きしたい…///』



「…なんて言われたの?甘い言葉?」



『や、なんか…俺と楽しいことしよう、みたいな…』



「チッ…変態だったかっ……いいよ、そんな変態の声、忘れさせてやるっ!」





櫻井がオレを抱きしめた…


温もりが伝わってくる…


櫻井のは、心地良い…





…大野くん…





そして耳元で…





大野くん…



『んっ…///』





…名前だけなのにゾクゾクする…





大野くん…大好きだよ…


『…っ//////』





それはっ…ダメだぁ…///





…早く俺のこと…好きになって…


『っ///』




もう…好きになってるって///

やっと気付いたんだ…

早く伝えねぇと…

花火終わってから、って思ってたけど…

今がチャンスじゃね?




『…櫻井…』


「ん?上書きできた?」




やっぱ櫻井の声は最強だな///




『ん///…あんがと……それでさ、オレ…』





\\ヒューーー…//





「あっ!始まった!?」





ぅえっ…もうそんな時間!?

…タイミング逃したぁ……




「大野くんこっち!ここから良く見えるって!」




穴場スポットのさらに穴場にオレを呼び込んだ。




「くるよ!!」





\\…ドォーン…//





「わ…上がった上がった!見て!大野くん!綺麗だよ!!」







ドォーン、ドォーンと打ち上がる花火に釘付けの櫻井…


…こんな無邪気な一面もあるんだな///




や~まや~♪



『んふふ…なにそれ…』



「知らないの?花火大会恒例の掛け声!!」



『知らんww』



「知らなくてもほら!大野くんも叫んで!」



『………』




…叫ぶならオレは……



\\ヒューーーヒューーーヒューーー…//


『……翔!!』

「……ぇ?」


\\ドォーン!ドドォーン!ドォーン!//





…オレも大好きだぁぁぁ!!


「…え………えぇっ…おおおお大野くんっ!?い、今っ…なんてっ…///」





ふっ…

1回しか言わねぇっつうのっ♪










〜おしまい♡〜








や〜まや〜♪
たくさん叫んでくださいね~♡

いや~…時間は下がっちゃったけど、
なんとか当日に上げられたぁ!
やればできるじゃん(笑)

で。
え?ここで終わり?
…なわけないでしょう!
ちゃんと続きも♡
書く予定…
力尽きて少し間あくかもですが…
後夜祭、お楽しみに( *´艸`)