*完全妄想のお話。BL要素含みます*
☆side 翔☆
…俺は大野に恋をしてるのか?
でも、恋って……
胸がキュッとなること?
…夢に相手が出てきたら恋してるってことになるのか?
…そんな馬鹿な。
だって……そうなら俺、夢に出てくる人みんなに恋してるってことになるぞ?
\\…しょおせんせ〜!//
交差点で信号待ちをしていたら、遠くから呼ばれた気がして振り向くと…
(ドキッ…)
お、大野だ…
今日から新学期、塾も再開されるからな。
…にしても、来るの早くないか?
そしたら、早く俺に会いたかったから、とか言うし…
…大野は、本気…なのか?
模試の結果、早々に知りたがっていたから教えてあげたら、腕に絡みついて飛び跳ねて喜んでた…
…それが、まるで俺が夢で見ていたような状況で、思わず恥ずかしくなって慌てて制してしまった。
「…じゃあまた後でな?」
『は〜い♪』
自習室で宿題をすると言う大野と塾のロビーで別れ、俺は職員室へと向かった。
「おはようございます。今年もよろしくお願いします…」
職員室に入り、まずは挨拶を。
部屋の中にはすでに数人の講師が来ていて、それぞれに返事をしてくれて…
最後に挨拶してくれた講師が、徐ろに俺に近づいてきた。
[櫻井くん…]
英語担当の北村先生だ…
「はい?」
[…さっき交差点の所から一緒に来てた生徒…]
「あ、はい…」
大野のことか?
[…随分距離が近いように感じたけど…ガツンと注意した?]
「え……」
[…学校外の塾とはいえ、一応、先生と生徒の関係なんだから仲良くなりすぎちゃ駄目だよ?ちゃんと節度を守らないと…]
「……分かってます…」
…やっぱそうだよな。
俺と大野は、先生と生徒…
特別扱いは駄目なんだ。
だからデートとかしちゃいけないんだよ…
でも、約束したし…
それに、あんなに喜んでたから…
今さら無しになんてできないよなぁ。
モヤモヤと考えながら最初の授業の準備をして、受け持ちの個室へ移動する…
自習室の前を通りかかり、中を覗いてみると…
…ぁ…いた…大野……と松本だ…
あいつら、いつも一緒にいるような。
顔寄せ合って…
宿題、教えてもらってるっぽいな、松本に。
…モヤっ…
「大野!」
『あ♪しょお先生〜♪どしたの?』
「あ……ぃや……」
モヤ、ってなんだ?
なんで俺は声なんて掛けたんだ?
…ただなんとなく、2人の距離が近いのが嫌で…
「…宿題……分かんないとこは俺が教えてやるから…」
だからそんなに近づくな…
『ぁ……実は今、宿題してなくて…デートプラン、練ってましたぁ///』
「…っ…デートプランっ…!?」
もう行く気満々じゃないかっ///
『うん♪しょお先生は、インドア派?それともアウトドア派?』
「…どっちかと言えば…インドア……そ、そんなことよりっ!先に宿題しなさいっ///」
『はぁい……んじゃあ後で一緒に考えよ?』
「…ん……じゃなくてっ…ちゃんと授業するしっ…」
いかん、流されるとこだった…
…それにしても、さっきのモヤって、なんだったんだろう…
…大野が松本と仲良く楽しそうに話してるのを見てたら、無性にモヤモヤしてきて……
なんか、大野を取られたみたいで…
いや、取られた、ってなんだよ…
まだ俺のもんじゃないのに…
…まだ?
…まだ、って…俺は、いつか大野を自分のものにしたいって思ってるのか?
「…っ///」
これじゃ、まるでっ…
ほんとに俺、大野に恋してるみたいじゃないかっ///
「櫻井先生?」
「ぇ?…あ、ごめん、何?」
いかんいかん、授業中だぞ…
しっかり集中しないと…
「…爪、切り忘れたんですか?」
「…え?…爪?」
「ずっと歯でカリカリしてるから…」
「あっ…」
しまった…また癖が…
考え事すると、つい出ちゃうんだよなぁ…
「なんでもないよ…模試のやり直し、終わった?」
「はい…」
「ちゃんと理解できた?」
「…たぶん…」
「ふふっ…じゃあ、このプリント、やってみようか。それで理解できてるかどうか分かるから。」
「はい!」
新年最初の授業がこの子で良かったな…
いつも真面目に取り組んでくれるから、俺の身も引き締まる。
大野との授業もビシバシやれそうだ。
…なんて思ってたのに、いざ大野との授業が始まると……
『ね、しょお先生はどこ行きたい?インドア派だから…映画館とか?』
「べつにどこでも……って!その話はあとで!今は勉強の時間だっ…」
授業そっちのけにするとこだった…
だけど…
『ん〜…楽しみすぎて集中できねぇ♪』
「……」
そんな笑顔で言われたら、少しくらいなら良いか、と思ってしまう…
「……大野はどこに行きたいんだ?」
『おいらはしょお先生と一緒に過ごせるならどこでも!』
「……///」
またそういうこと言う…///
『けど、もし希望聞いてくれんなら、水族館がいいな♪』
……水族館…
「ふはっ///」
『…ダメ?ガキっぽい?』
「いや…妹と同じ発想でちょっと面白かった…」
『あ、あの妹さん?何才?』
「14…中2だよ」
『へぇ♪先生の妹だから可愛いんだろうなぁ…』
「普通だと思うけど…駄目だぞ?妹の彼氏に立候補しようなんて…」
『そんなことしないっすよぉ!おいらは……』
「……なんだ?」
『…まだ言わない///』
「…?」
『しょお先生!…デートの時、話したいこといっぱいあるから、ちゃんと聞いてね?』
「あ、ああ…」
勉強とか進路のこととか?
…大野に限って、デートの時までそれはないか。
となると、話したいことって…
あれ、だよなぁ///
…す、好きだとか///
付き合ってとか、彼氏になって、とか///
そうだった時のために、ちゃんと答え考えておかないとな…
くどいようですが…
アメンバー募集は今日が締め切りですぞ〜!