*ハニーside*







「あ〜…」

「う〜…」

「あ〜…やっぱムリ〜…」







さっきからずっとこの調子で…


オレが作ったケーキを目の前にして、唸ってる。


お皿とフォークを準備して、ナイフで切ろうとしたら、頑なに阻止されるし…






『……ぁの…食べないんすか?』



「…やっぱり食べれないよ……」



『…せっかく作ったのに……』



「うっ…そうだよねっ…ハニーが心を込めて作ってくれたんだ…食べないなんて失礼だ……でもっ…」



『……もぉいいっす!オレが1人で食べますっ!』



「いやっ…それはっ…俺へのケーキだから…」



『なら早く食べてくださいよぉ…』



「や、だってこれ……崩すのもったいなくて…」



『…食べてくれなくて傷ませるほうがもったいないです!!』



「…っ…そうだよねっ……うん、そうだよ…よしっ…食べるよっ…」





やっと観念してくれた?





『じゃ、切り分けますね?』



「わぁぁ…待って!切るのは待って……」



『……もぉぉぉぉっ!』



「このまま!切らずに食べさせて…」



『…大人食い?…食べにくくないっすか?…でもまぁいっか…』






そんなに切るのが嫌なんだ?


食べちゃえば同じなのに。





「…い、いただきますっ!」





…と言ったきり、手が動かない。


フォークを握って、ケーキの上で固まってる…


…ほんとにもぉ!


これじゃいつまで経っても食べてもらえない!!


オレは痺れを切らし、フォークを掴み、ブスっとケーキに刺して一口分、フォークに乗せた。





「ぁあぁぁ……ハニーィィ…そんな躊躇いもなく刺すなんてぇぇ…」



『…つべこべ言わずにさっさと食べてくださいっ!はいっ!』





フォークに乗せたケーキを、櫻井さんの口元へ差し出す。





「あ…え…///これは…もしや……」



『…つべこべ言わずに口を開けてくださいっ///』





…お約束?の、あ〜ん、ですよっ///


するつもりはなかったけど…


あまりにも櫻井さんが食べてくれないからっ!


もう強行突破!!





「…では失礼して。……あ〜〜〜…」





と開けられた口の中へめがけ、ケーキを突っ込む!





「…んん!…んまっ…///」



『美味いっしょ?自信作っす!!』



「すごい美味いよ!フルーツの酸味とクリームの甘さが程よいバランス!!これならペロッと全部食べられる!」



『んふふっ♪やっと食べてくれたぁ♪』



「あ……決して食べたくなかったわけじゃ…」



『分かってますけどぉ…』







見た目も綺麗でほんとにお店のケーキみたいだ、っ感心してくれてたし。


スマホで写真、いっぱい撮ってたし。


喜んでくれてるのは分かったけど…


なかなか手をつけてくれないから、ほんとのほんとは甘いの苦手なのかな、なんて思ったりもして。


でもオレの誕生日の時は、一緒に甘いケーキ食べてたし。


だけどそれも、ほんとは無理してたんじゃ?…とか…


色々色々考えちゃって…







「ハニー、ありがとう…こんな美味しいケーキ食べたら、もうほかのケーキは食べられないね///」



『そんな……大袈裟っす///』



「ほんとだよ?」



『ま、また別のケーキも作ってみようかな///あ、次はバレンタインっすね♪』



「バレンタイン…///今度はチョコのケーキかな…」



『んふふっ♪そこはお楽しみに、ってことで♪あ、今さらっすけど、甘いもの大丈夫…っすか?』



「ほんと今さらだね?大丈夫♪楽しみにしてる♪」



『はいっ♪』






食べ渋ってたのは、苦手とかじゃなくて、本当に食べるのがもったいない、って思ってたからなんだな
///


…自分で言うのもなんだけど……


櫻井さん、どれだけオレのこと溺愛してんの…///?






「ハニー、ありがとうね?」



『ケーキのこと?さっきも言ってくれましたよ?』



「うん…ケーキもだけど…」



『……?』






黙り込んでしまった櫻井さん…


どうしたんだ?






『…櫻井さん?…ぅおぉっ///!?』






思いっきり抱きしめられたっ///






「ハニーといると、とても幸せな気持ちになる…」



『そ、そうなんすか///?』



「ん///……俺を想う気持ちが伝わってきて…あったかい…」



『…それを言うなら…櫻井さんだって…』






もそっと身じろいで、櫻井さんから離れる。





「ん?」



『…オレのこと……めっちゃ好きだって…伝わってきて…暑いくらいっす///』



「ふはっ///…そっか、伝わってたか♪」



『…///』






あ〜…その笑顔、好きだぁ…///





「…俺たち、相思相愛だね?」



『はぃ///……ぁ……ん…///』






頬っぺた包まれて、優しくキスをくれた…///





『ぇへ…クリームの味するっす///』



「ふふっ///……ハニーも食べよ?」



『はい♪』





フォークに手を伸ばし、ケーキを掬おうとしたら…





「ハニー、はい♪」





って、櫻井さんが取ってくれて…


しかも、もう口の前で…


これは…食べさせてくれるパターン///





『い、いただきやす…///』





パクッと勢いよく頬張る…


…あ。ちょっと失敗したかも。


きれいに口の中に入んなかった…





「あらあら…クリームはみ出ちゃった…」





やっぱり…///


慌てて指で拭おうとしたら、速攻で止められた。





「ふふっ…ここはやっぱりさ?…こうでしょ…」





そう言って櫻井さんは…


クリームの付いてるオレの口元をペロリと舐めた///






「うん、より美味い♪」



『そんなわけっ///』





同じクリームなんだから、変わるわけないじゃん///





「あるよ♪ハニーのエキスが加わると、より甘くて美味しい……」






もう1回、櫻井さんがペロッて…///






『えっ…まだ付いてる!?』



「…ぅうん。もう付いてない…」



『じゃあなんでっ…///』



「ハニーを食べたくなったから♪」



『……へ?』



「ケーキもいいけど…やっぱりハニーが1番美味しい…」



『ぉわっ…///』






その場に押し倒されて、もうクリームも付いてないオレの唇を舐める…


そして、それは当然キスになって…






「(…ちゅっ…)…このまま食べてもいい?」



『もちろんっす///』






だって今日は櫻井さんの誕生日…


櫻井さんがしたいこと、なんでも叶えてあげる。




まぁ…誕生日じゃなくても叶えてあげるけどねっ///







おまけ第2弾、『ケーキを食べる編』でした〜♪
ようやく完結です…
長かった…いや、話数的には短いんだけど…
なかなか筆(指)が進まなくて^^;
ダラダラと2ヶ月近く引っ張ってしまいましたm(_ _)m
最後までお付き合いくださりありがとうございました!

さて、次回は…
『とまどいながらも〜』の続きから♪
お楽しみに( *´꒳`*)♪