*完全妄想のお話。BL要素含みます*
「課題プリントはやってきた?」
『は〜い…丸つけお願いしま〜す!』
「……ん。じゃあ、今日はこれね。とりあえずやってみて?」
『は〜い…』
隣りで、さっさっ、と採点していく先生。
この課題プリントが満点でも、デートはしてくれないんだよなぁ。
「……まだまだだな…」
『へ?』
返されたプリント…
半分以上がバツ…
…デートどころの話じゃねぇなww
「……これでよくデートして、とか言えたもんだね?」
『…先生がいいよ、って言ってくれてたらもうちょっと頑張ってたっす…』
「…そういう不純な動機でしか勉強できないの?」
『……それで点数が上がるんなら…いいんじゃないんすか?親も先生も結果しかみないんだもん。』
「まぁ……そう言われればそうだけど…明確な目標はないの?進路とか考えてるだろう?」
『…とりあえず高校卒業出来ればいっかな…』
「進学は?」
『…おいら勉強嫌いだから…無理して行くこともないかな、って。金もかかるしさぁ…だから働くのもアリかな…』
「…高卒で就職は…まぁ厳しいぞ?」
『…最悪、父ちゃんの仕事手伝うから…』
「…ちなみに…お父さんのお仕事って…」
『パン屋っす!』
「パン屋…それなら、調理師免許とるとか製パンの専門学校行くとか…道は沢山あると思うが…」
『なるほどぉ…そんな道もあるんだぁ…』
「…学校の先生はそんなこと教えてくれないの?」
『ん〜…なんて言うか…有名大学に行く子の受験に力を入れてるからさぁ、おいらみたいなポンコツの相手はあんましてくれないww…自分でなんとかしなさい、的な。』
「…有るまじき教員の姿だな…生徒を区別するなんて…」
『へへっ///しょお先生、あんがとぉ…誰もさ、話聞いてくれなくて…本当はどうすればいいのか分かんなくて…』
実は悩んでたんだよね。
進路のこと。
親も先生も、おいらに期待はしてないってのは知ってたけど、でもどうにか進まなきゃいけない気がして…
…でも、期待されてないから、相談もしにくかったっていうか…
…だから翔先生に聞いてもらえて嬉しい。
「そんな状況でココに来てたのか…」
『勉強はイヤだけど、しょお先生に会いにね♪』
「……それはもういいから。これからは真面目にやろう。新たな目標は…2学期の期末テスト、全教科平均点以上!よし。これでいこう!」
『全教科!?…無理っすよぉ!!』
「まだまだ時間はあるんだから。大丈夫。間に合うよ。」
『ぅえぇ〜……』
「ココの先生方を信じなさい。」
『全教科は無理ぃぃ…』
「……分かった。じゃあ、数学と物理は必須な?」
『…2教科だけ?』
「この2教科は絶対。」
『……頑張ってみる。……から、なんかご褒美ください…』
「……不純な動機は無しだって言ったでしょ?」
『うっ…厳しいっ…』
「……だがしかし…全教科、平均点以上だったら…ご褒美とやら、考えてもいいぞ?」
『マジっすか!?そしたらデートしてくれますか!?』
「全教科、だぞ?」
『やりますっ!おいら頑張るっ!!』
「…俺をダシにされるのは癪だが……やる気出してくれるなら仕方ないな。」
全教科平均点以上…
…今まで取ったことないけどww
でも翔先生とデートするんだ!
この日からおいらは、高校受験以上に猛勉強した。
学校の授業も真面目に受けた。
塾も、翔先生の教科はもちろん、文系教科も追加で受けるようにした。
両親も学校の先生も、どういう心境の変化だ?って不思議がってた。
理由は教えなかったけど、やる気出したおいらを応援してくれた。
ちょっとだけ、勉強が楽しくなった。
…目標があるって、大事なんだな。
明日更新できるか微妙…
カメさん🐢突入ですm(_ _)m