*完全妄想のお話です。BL要素含みます*
「…終わった?」
『一応……』
「ん。見せて?」
さっ…さっ…と採点をしていく。
「…惜しいな…2問間違えてる。…でも…良くできたほうだな…」
ぽんぽん…って頭撫でてくれた…
『ぇへへっ///』
…なんだかご褒美みたいだぁ///
「そしたら…課題プリント出しとくから、次までにやってきて?」
『はぁい…』
ココでも宿題出されるからなぁ…
めんどくせぇ…
……あ♪
そうだぁ///
『しょお先生?お願いあるんすけど♪』
「……聞けるものなら聞いてあげるけど…」
『この課題プリント、満点だったらデートして♪』
「…デート?」
『そう♪デート!』
「……はぁ。…またふざけたこと言って…」
またっ…
そう言って聞き入れてくれないつもり!?
『おいらはいつでも真面目っすよぉ…ふざけたことなんて一度も……』
「ふざけてるだろう?…こんな…俺みたいな冴えない奴に…恋心だのデートだの…揶揄ってるとしか思えない。」
『………っ……もぉいいっすっ……すいませんでしたぁ!ふざけたこと言って!!…もう終わりっすよね?帰ります!ありがとうございましたっ!!』
くっそぉ…
こうも真に受けてくれないんじゃ…
前に進めねぇ…
もう…あれだよな、ここまで受け入れてもらえないってことは、おいらなんて眼中に無いって感じなんだろうな…
ただの一生徒にすぎないんだろうな…
そもそも同性から言い寄られても困るだけか…
だけどさぁ…
くっそぉぉぉっ…
「おお、おお、なんか機嫌悪いね?どしたの?」
『ぁ……もぉぉ潤、聞いてよぉ!!』
潤…同じ学校の隣りのクラスで、夏期講習ん時に仲良くなったヤツ。
愚痴を聞いてくれたり、アドバイスしてくれたり。
おいらの日々の努力を陰ながら応援してくれている。
「…櫻井先生?」
『そう!!…今日もダメだったぁ…』
「めげないねぇ、ほんと……てかさ、あの先生のどこがいいわけ?…冴えない男の典型的じゃん?すっげぇ分厚いメガネかけてるし、前髪わしゃ〜で顔の半分くらい隠れてるし…鬱陶しくね?」
『…応援してくれるんじゃなかったのかよ…』
「や、するけどさぁ!……イマイチ分かんないんだよなぁ…」
…分かんなくていいし。
しょお先生の良いとこなんて。
あのメガネの…あの前髪の下の素顔がどんなのかなんて知らないだろ?
てか知らなくていいし。
おいらだけが分かってりゃいいんだ。
…夏期講習の初日。
この日は、個別じゃなくてみんなで受ける授業で…
入る教室が分かんなくてウロウロしてたら、体験の子はこっちだよ、って教えてくれたのがしょお先生だった。
…たしかに、しょお先生の第一印象は……
前髪、むさ苦しいな、って思った。
でもおいらは見てしまったんだ。
しょお先生の素顔を♪
トイレに行った時…
しょお先生、メガネ外して顔洗ってた。
洗い終えて顔上げた時、わしゃ〜な前髪を掻きあげたんだ…
その仕草と…
露わになった顔が…
もう…カッコよすぎて。
なんかテレビ出よく見るアイドルみたいな顔してたんだ///
しばらく見蕩れてたんだけど、メガネを掛けて、前髪をまたわしゃ〜ってしてて…
おいら、気付いたんだ。
…しょお先生のそれって、ワザとじゃないのかな、って。
ワザとその…カッコイイ顔、隠してんじゃないのかな、って。
…生徒が虜になってしまわないように。
でもおいらは見ちゃったから…
案の定、虜だよ///
「なぁ、機嫌悪いならさ、憂さ晴らしにカラオケ行こ♪」
『ん?…ん〜…』
カラオケって気分じゃねぇんだけど…
おいらを元気づけようと誘ってくれてるなら行くしかねぇか。
「なぁ、行こうぜぇ♪」
ガシッと肩を組まれ……
もう連れて行く気満々じゃんww
『…しゃあねぇなぁ…潤が奢ってくれんだろ?』
肩組み返そうとしたけど、身長差で届かず…
仕方なく、潤の腰に手を回す。
「もちっ♪…行ってくれる?」
『おう!行こ♪』
しょお先生を振り向かせるにはどうしたらいいか、考えたかったけど…
それは帰ってじっくり考えるとして…
あ、そうだ!またアドバイスしてもらお♪
おいらは足取り軽く塾をあとにした。