仁成の夢を見た。  | ロックンロールは歩く鏡である。

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珍しく、仁成の夢を見た。 


 行ったこともない異国の駅前の雑踏の中。 

ギターケースを背負った仁成を見かける。

 ハンチングを被り、マフラーをしている。

どうやら冬らしい。 


思わず「仁成っ!」と声を掛ける。

旧友とばったり出会ったかのように自然に。


 「おぉ!」声を返しつつ振り向く仁成。 

「昨日のライブ来てたね。覚えてるよ」

 どんな会話をしたのかは覚えていない。

 でも何かを聞かれ、返した。


 別れ際に、振り向いた、はにかむ様な笑顔が「ついて来い」っていっている様で人混みをかき分けながら歩いた。


 場末の小さな、人でごった返すバーにはいり、奥の方へ進んでいく仁成。

 店主と言葉を交わし、一番奥の席でおもむろにギターを構える。

ECHOESの「Alone」。

そして聞き覚えのある洋楽のカバー。 


「コレじゃないだろ?(笑)うめきち。何が聴きたいの?」 

名前を出されて、震えて茫然としながら

「「Goodbye Blue Sky」を歌ってくれないか?」と尋ねる。 


「いいね。」 

「でも歌詞もコードも分からないな」

 スマホに保存されている歌詞とコード譜を差し出す。準備いいな…オレ(笑)


 僕が夢やぶれ、転職を余儀なくされた時期にひたすら聴いてた曲。新聞記者の部分からサビまでがシンクロして、この曲だけが自分の寄り代だった時代。 


 「動画撮ってもいい?」 

「いいよ。でも動画もいいけど、しっかりと胸に刻めよ。」 


 ざわつく店内でのミニライブ。 

いつしか多くのの客が会話を止め仁成に見入っている。

言葉や歌詞なんて分からないのに耳を傾ける。

音楽に国境はない。


 サビ終わりで目が醒める。 

この動画アップできるかな?なんて考えながら目を覚ます。


 夢で珍しく爆泣きしてた。酷いくらい。

 久しぶりに鮮明な夢を見た気がする。

 海外のライブ行きたい願望でもあったのかな?(笑) 



 さよなら事件を追い続けたnewspaper man 

相手の方がいつも一枚 上手だった 

転職を進められた 次の朝ボスに 

Goodbye man 君には向いてない 

 今度は少し長いお別れになるかもしれない 

何処かの街で見かけたら声を掛けて欲しい 

深く被ったハンチングの下 

白い歯を光らせたら合図さ 

その時はもう一度 手を組んで派手にやろう 



 多分叶わないだろうけど、もう一度だけ生で聴きたい。 

あんな事、言っててもどうせ彼の事だからこれで終わる事はないだろう?

 また歌いたくなって戻って来るさ。

そうだろ?仁成(笑) 


いつの日か、もう一度この道の上で。ECHOESはまだ終わらない。