【 訪問着用帯 】 110 ≪ 鬘帯競集文 ≫ | umegakiorimono ときどき日記

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京都西陣の織元梅垣織物が ≪ 作り手の気持ちを伝える為に “ 西陣織帯地 ”や“ 西陣の事 ”
そして “ 美味しいお店やちょっとした出来事 ” ≫ を紹介させて頂く日記です。
 
『 和装や京都に興味のある方は、是非ご覧ください 』


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今回紹介させて頂きます帯は、江戸前期、寛文小袖である「 白綸子地櫓波文様
絞縫小袖 」をモチーフに考案したものです。

寛文小袖は旧来の武家階級と新興の町人階級の好尚が交差した意匠であり
その大胆なデザインが特徴となっています。

「 鬘帯競集文 」は、原本にみられる「 櫓 」を「 鬘帯 」にアレンジし
デザインも原本の草花文様に加え七宝などの割り付け文様を用いる事で帯地と
しての格式を持たせています。

   

             ≪ 鬘帯競集文 ≫ かつらおびきょうしゅうもん

   

技法は弊社独自の「 有職唐織 」を用いています

この技法の組織は、唐織や刺繍を原本とする意匠の帯地を制作するに当たり、その
ボリューム感を表現するために、土台となる生地を通常の倍の組織にする事で
引箔を用いなくても品格のある生地にしています。

   

           

このように意匠、表現力ともに原本のセンスを踏襲しつつ、現代の解釈と技術を
持って製作した帯地です

   

< 有職唐織 > ( ゆうそくからおり )という弊社独自の技法は、 弊社独自の
≪ 有職錦 ≫( ゆうそくにしき ) をベースにした技法です

西陣織を代表する織物組織には、畦( 綴 )・綾( 錦 )・朱子( 緞子 )の三大組織が
あります。各組織にはそれぞれ特徴があります。

【 綴 】 は、緯( 横糸 )をつめる緯組織なので生地がしまり力強い生地になります
     しかし、「 つや 」 がなく、地風はやや硬くなります

【 緞子 】 は、細い経糸( 縦糸 )を数多く使用し経を多く出す経組織の為に「 絹本来
      のつや 」 は出ますが、生地が重くなります

【 錦 】 は、それらの中間組織である為、使い勝手がよく、一般的に用いられやすい
     のですが特徴がありません

   

そこで弊社では、緞子地に匹敵する細かく数多い経糸 ( たていと ) に、綴 ( つづれ )
以上に極細の緯糸( よこいと )を使用して織る事で、生地の組織率を高め生糸の
つやを残しつつ、軽くしなやかでこしのある生地としました

           

   

このように各組織の基本をふまえ、それらの長所を重ねる為には、素材の良さが大切で
製織技術も重要となってきます。それらを統合したものが弊社技法 < 有職錦 > です
   
   

                       【 参考本 】

   

           

           

              【 付け下げ 】【 色無地 】にも合せて頂けます

   

難しい説明になってしまいすみません。“ 帯の写真 ”だけでもお楽しみ頂けたら嬉しいです

色違いをご覧くださる場合は、右をクリックして下さい  ≪ 鬘帯競集文 ≫ (ベージュ地)
          

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。


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