【 梅垣の手越し帯 】 24 ≪ 正倉院亀甲文 ≫ | umegakiorimono ときどき日記

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京都西陣の織元梅垣織物が ≪ 作り手の気持ちを伝える為に “ 西陣織帯地 ”や“ 西陣の事 ”
そして “ 美味しいお店やちょっとした出来事 ” ≫ を紹介させて頂く日記です。
 
『 和装や京都に興味のある方は、是非ご覧ください 』


いつも “ ときどき日記 ” をご覧くださりありがとうございます。

今回は 【 梅垣の手越し帯 】 てごし について、説明させて頂きます

“ 手越し帯 ”てごしおび とは 
≪手機≫ 同様に 『 手引き 』【 手越し 】 の技術を使用し製織した “ 帯 ” の事です

『手引き』 = “ 機 ”(はた) を停止させて箔を織り込むという手仕事です
絹糸の土台に『引箔』(ひきばく)= 糸状に切断された “ 金箔・銀箔 ” を織り込んで
いく技術に加え、異なる種類の『 引箔 』を同時に三枚以上織り込む事は非常に難しく
『 手引き 』をしなくてはいけません。
また、十七色前後の “ 色数 ” に制限されている緯糸(横糸)を【 手越し 】することで
四、五色加えることが出来ます。しかし、これらの作業をするには特に修練された
技術が必要です。

“ 西陣織 ”を織る手段として大きく分けると
≪ 手機 ≫ てばた = 手で織る作業 
≪ 力織機 ≫ りきしょっき = 機械で織る作業があります

≪ 手機 ≫ の良さは、先程述べた『 手引き 』【 手越し 】が出来る事で箔の枚数や
色数も豊富に対応できます
そして濡れ緯組織( 糸をぬらしながら織る )という特殊な技法などにも対応できます

≪ 力織機 ≫ の良さは、早く織れる事と、均一に綺麗に織れる事です

【 梅垣の手越し帯 】は≪ 手機 ≫で織れる職人さんがいなくなった為、道具としては
≪ 力織機 ≫を使用しますが、弊社専属の伝統工芸士が『 引箔 』を“ 機 ”( はた )を
停止しながら≪ 手機 ≫同様に『 手引き 』【 手越し 】 しています。
動いている機を止める為手間がかかり、箔が裏返らないように等高度な技術が必要に
なります。また時間もかかります。
しかし≪ 力織機 ≫なので、仕上がりは“ とても綺麗 ”です。

このように双方の利点を取り入れたのが【 梅垣の手越し帯 】です   
         
   

             ≪ 正倉院亀甲文 ≫ しょうそういんきっこうもん

   

    この 「 正倉院亀甲文 」 は、染織品のみならず、多くの御物の中に見られる
    「 正倉院文様 」 を帯地にアレンジし、デザイン化したものです

   

           

   日本工芸文化の源泉といわれる 「 正倉院御物 」 は、奈良時代の調度品や
   服飾品等、多彩な品々の総称であり、世界的にも貴重な文化財であります

           

    その厖大な品々の中に( 華文 )と呼ばれる空想上の花や動物などを
    デザインした品々が数多く見られます

   

 ベースの生地は 『 有職綴錦 』 の技法を使用しています。

 『 有職綴錦 』 とは、緯糸 ( 横糸 ) 組織である “ 綴織 ” の表現を、経糸 ( 縦糸 )
  組織である “ 錦地 ” で表現したものです。

 いわゆる “ 綴織 ” は太くて少ない経糸 ( たて糸 ) に、緯糸 ( よこ糸 ) を
 経糸( たて糸 ) が見えない程、つめて織り上げる織物です。

 従って、力強い “ 生地 ” になりますが、重くて硬いものとなってしまいます。 

           

そこで “ 錦地 ” に使用する程 “ 細くて数多い経糸 ( たて糸 ) ” に
“ 極細の緯糸 ( よこ糸 ) ” を “ 綴 ” 以上に組織率を高める( 曲尺一寸の丈に130横 )
事で、軽くて力強い地風を作りました。

この “ 軽くて力強い地風 ” こそが、 “ 有職綴錦 ” の特徴です

   

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                         【 参考本 】

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           【 留袖 】【 色留袖 】【 訪問着 】にも合せて頂けます

   

手機にも簡単な技法から難しい技法があるように、力織機にも同様の事が言えます。
手機にしかできない技法もありますが、手越し( 力織機 )の場合も、織物によっては
手機よりきれいに仕上がるものもあります。
手機と力織機の最大の違いは、意匠・材料等全てが同じでも、最後の製織段階の道具である
“ 手機 ”か“ 力織機 ”かだけなのです。

梅垣手越し帯は ≪ 手機 ≫ 同様に 『 手引き 』【 手越し 】の技術を使用している “ 帯 ” です

難しい説明になってしまいすみません。“ 帯の写真 ”だけでもお楽しみ頂けたら嬉しいです

色違いをご覧くださる場合は、右をクリックして下さい  ≪ 正倉院亀甲文 ≫(白)           

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。


【 お知らせ 】 西陣織アンソロジー HP より 

なんばの大阪高島屋様で、今年二月に引き続き、四月にも再度の西陣織アンソロジー展を
開催いたします。
前回は女将のトークショーでしたが、今回は旦那達のトークショー。さて、どうなりますことやら。

        日程:  2016年4月13日(水)~19日(火)最終日
        場所: 大阪高島屋七階呉服売り場

        ※「旦那達のトークショー」は4月16日(土曜日)午後二時から

詳しくは 【 西陣織アンソロジー 】 HP


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