いつも “ ときどき日記 ” にお付き合い頂き有難うございます。
今回紹介させて頂きます帯は、“ 四季折々の草花 ” を格天上に取方し、その上から雲取にすることで格式の中に柔らかさを持たしています。
佐賀錦独特の緯糸 ( 横糸 ) を経糸 （ 縦糸 ） ですべて抑えた品格と柄の際に出来る 「 たまり 」 の力強さが際立つ帯です。
≪ 瑞雲格天花文 ≫
実際の変わり結びをご覧頂けないのが残念ですが・・・。
「 たまり 」 → 紫の花びらや、赤い花びら・緑の葉の濃い部分 （ 説明は下記にあります ）
【 佐賀錦 】は、約180年前に佐賀鹿島藩、鍋島家の深窓で着想され、当家の女性達の手芸として、盛行発展したものです。
金銀漆を貼った特製の和紙を細く裁断した箔を経糸 （ たて糸 ）とし、絹の撚糸を染色したものを緯糸（ よこ糸 ）として製織されたものです。非常に根気のいる手仕事で精密な技術をようするために、1日2 ～ 3センチしか織れない物もあり、主に小物等に使用されました。
この【 佐賀錦 】を、西陣において帯地に応用するようになり、戦後本格的に「 佐賀錦帯 ｣ が登場しました。
一般的に西陣における佐賀錦帯は、あくまでも本佐賀錦の応用である為に、経糸 （ たて糸 ） に箔を使用すれば図柄表現の手法は問わず、たとえば唐織のような、浮き糸による表現技法を用いることもありました。
弊社では、「 本佐賀錦 」の持つ本来の “ 上品さ・繊細さ ” を表現することを目指し、図柄表現に浮糸の技法を使用せず、経糸 （ たて糸 ） ですべておさえる 「 綴技法 」に似た表現を用いました。
結果的に、「 たまり 」と呼ばれる緯糸 （ よこ糸 ） の 「 ゆるみ 」 （ 上のアップの写真にある赤い花びらの濃い赤の部分で、写真で見ると、柄の左から右へと織り返す時に端が二重になる箇所 ）が生じる事で “ 上品さ・繊細さ ” の中に “ 力強い表現 ” をする事が出来ました。
「 たまり 」は、じっくりと丁寧に織らなければできない技術です。
又、緯糸 （ よこ糸 ） の染色には 「 岩絵具 」といわれる含金染料を用い、非常に “ 重みのある色料 ” を出しています。
【 佐賀錦 】本来の “ 繊細さ ” と、「 綴技法 」 による “ 力強さや色の重み ” を十分に用いた、本佐賀に劣らぬ、上品な【 佐賀錦 】になっていると思います。
この帯は【 留袖 】【 色留袖 】のお着物にも合わせて頂けます
いつも難しい説明になってしまい、すみません。“ 帯の写真 ” だけでも、お楽しみ頂けたら有難いです。
お付き合い頂き有難うございました。
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京都西陣 ㈱梅垣織物ホームページ http://www.umegakiorimono.co.jp/
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