始まりがあれば終わりがあります。


風桶の再演が終わりましたね。




今回、僕はキャストとして出演していたわけではないので、他の梅棒メンバーとは温度感が違うところがあると思いますが、その視点から。



みんなが口を揃えて言っていますが

誰1人欠けることなく、1公演も中止にすることなく、3都市28公演を完走できたことが、本当に何よりです。

これにつきます。



デルタの波が直撃し、全公演中止となった昨年7〜8月のおどんろ。直前まで代役としてスタンバイしていた自分含めまして、全員がどこにもぶつけられない悔しさを覚えました。


次の公演こそは必ずやりきってみせる。

そう誓うことしかできなかったんですね。




絶妙な距離感。人見知りのメンバーもいて、仲良くなるのに時間がかかるかな?と思った稽古初日。




俺とけっけちゃんもこの距離感笑




距離を置きつつもシンクロしていたあの頃の2人。




それが、最終的には過去1番かもしれないくらい賑やかで仲良しでわちゃわちゃの座組になっていて。


わからないもんだなーと思いました。





絶対に全員で全公演駆け抜けるという共通の目的が、スタッフを含めた座組一同の、いつも強い結束力をさらに強固なものにしたのかなと思っています。




キャスト同士の仲の良さを、少し離れた距離から見ていて寂しさを感じた部分もありました笑


他の現場でもそうですけども

初演に出演していて、再演版に出演できないと、やっぱり悔しいですし、再演版どんなもんやねん。という気持ちになると思うんですね。


この作品を生み出してくれた初演版のキャストへの感謝は、作品の出来で返すしかないと。絶対に納得させてやるという気持ちで演出しました。


実際、観に来てくれた初演版の皆が喜んでくれたことが、とてもとても嬉しかったです。





「風桶」は

「風が吹けば桶屋が儲かる」

から来ています。


僕の人生39年、物心ついた時からいろんな場面で自分の中に積み重ねられてきたものが価値観となって、今、作品となって具現化されています。


小学生の時、好きな子に告る前に振られた事が

中学生の時、試合に出れなかったバスケ部生活が

高校生の時、先生からもらったお叱りが

大学生の時、仲間に言われた一言が


その時その時でいろんな風が吹いて、今までの人生があります。


全ての風が巡り巡って、今、自分の作・演出の一つ一つの判断に影響を与えてるはずで


風桶をご覧になったお客さんのこの先の人生に、色んな影響となって現れ、その選択の結果としてずっと生きていく。


誰かの人生は誰かの人生に必ず影響していく。

風桶はそんな考え方を形にした作品です。



人生はやり直せないから

風に吹かれてたどり着いたその場所が正しかったと、この先の自分で証明していくしかありません。



どんな場所へ辿り着こうと、ゲラゲラ笑ってやりましょう。




こんな中でも戦っているエンタメは他にもたくさんあり、公演中止がどれだけのダメージを負うか、身にしみてる自分としては

ウチが終わって良かった。それでOK。とはとてもじゃ無いが思えません。


1つでも多くの興行が、何事もなく無事行えますように。

そしてなによりも、平穏な日々が1日でも早く戻ってきますように。





※出演しないで演出することの良い点は

梅棒を客席から好きなだけ堪能できることですね。笑