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結衣と佐藤先輩(仮名)が付き合ってることを暴露してしまった
次の日に、結衣から電話が掛かってきた。
何度か無視したが、
罪悪感から3回目ぐらいで出た。

怒ってた。

泣いてた。。。

『なんで言ったの?』と。
『信用してたのに、、、』と。

俺は「俺より遅く入って来たのに、俺より目立ってんじゃねぇ!」と逆ギレした。
完全に悪いのは100%俺なのに。。。

佐藤先輩にはその後、バイトで顔を合わせた時に、詫びを入れたら
「そーゆーのって言いたくなるよねー」と許してくれた。

(さすが大学生で大人の対応だ。結衣が惚れるのも無理は無いなぁ、、、)と
佐藤先輩の事を好きになったが、結衣とバイトはもちろん学校でも話をすることはなかった。

バイトはなんだか居づらくなったのと、
バイトに明け暮れて夏休みの宿題に手をつけていなかった事で親が激怒して8月いっぱいで辞めることになった。

夏休みが明けた。
いつもの日常がそこにあった。

1学期と違うのは【俺には彼女が出来た】という事だ。

噂で既にみんな知ってるみたいだった。
4組のB子と一瞬、目があったが直ぐに逸らされた。
その日の夜にメールがきてた。
『彼女が出来ておめでとう。でも、教えて欲しかったなぁー、、、』と。

俺は何で返そうか、書いては消してを繰り返して、気づいたら寝てしまっていた。
結局、返信はしないままだった。。。

10月になり足が速い奴にとっての最大のイベントがある。それは体育祭である。

最後の競技はクラス対抗のリレーである。
俺は第3走者だった。

第1走者は100kg超えの超巨漢の為、おそらく学年で一番鈍足だと言われてる男子。

男子は200mでトラック一周を走る。
トップと半周遅れぐらいの10クラス中10位で次走の女子にバトンを渡した。
女子は100mだったが、この子も足が速く6位ぐらいで俺はバトンを受け取った。

牛蒡抜きとは、まさにこの事。
10クラス中トップで次の走者にバトンを渡した。
我が人生に置いて、1位2位を争う爽快な瞬間である。

体育祭が終わった帰り道、
隣町の広い公園で4組を中心としたリア充達が体育祭の打ち上げをするという情報を掴んだ。

4組のリア充の中でも皆を仕切って居たのはサッカー部イケメン君だった。
学年で一番の美女と付き合ってた。

普段からイケメン君の周りには色んな人が自然と集まっていた。スクールカーストでは間違いなくトップ層に君臨していた。
普段は絡む事は無いのだが、俊足を皆に見せつけて調子に乗った俺は、呼ばれては居ないが楽しそうなので行くことにした。

適当にその場にあったお菓子を摘みながら、ある事ない事を話した。1ぐらいの出来事を100ぐらいに盛って話した。
割と盛り上がったが、イケメン君は彼女とか少人数で向こうの方で話していた。

俺は
(みんなと話して盛り上がればイイのに、カッコつけて、嫌な感じだなぁ)
と思っていた。

帰ろうとした時に、B美に声を掛けられた。
『なんでメール、返してくれないの?』
と悲しそうな声だった。

完全に忘れてた。。。
でも、忘れてたなんて言ったらカッコ悪いと思って

「あーなんか忙しくてさ、、、」と冷たい俺ってカッコいい!って感じでイキって言った。

『じゃー!もーいい!!!』と怒ってどこかへ行ってしまった。
その光景を見ていた、イケメン君と彼女が
『ちょっとあんまりなんじゃない?思わせぶりな態度取っておいて、彼女ができたらフォロー無し?あの子の気持ちも考えてあげなさいよ。」
イケメン君も「謝った方がいいと思うよ!俺もついて行ってあげようか?」

と言う。
流石、スクールカーストの上に立つ奴ってゆーのは、友人の痛みにも敏感だから人望を集めるんだろうね。
しかし、厨二病を拗らせていた当時の俺にとっては、そんな気遣いが余計なお世話だった。

「ってか、君たちには関係無くね?謝るかどうかは俺が決めるよ。まあ、謝らないけどね。」

なぜ、そんな事を言ったのか。
【調子に乗っていた】
という言葉が妥当である。

次の瞬間、イケメン君は俺の胸ぐらを掴んでいた。
『もうウチのクラスに来るな!!!
お前の事、前から目障りだった。ウチのクラスの全員お前のこと嫌いだから』

と怒鳴られた。

周りの奴らも
『普段、温厚なイケメン君があんなに怒るところなんて初めて見た。。。』と驚いていた。

、、、ミンナニ、キラワレテイル、、、?

一瞬、意味が分からなかった。
でも、その言葉の意味を理解したら、
同時に涙が出てきた。

そしたら、イケメン君の彼女に
「男がメソメソ泣いてんじゃねぇよ!!
キモいんだよ!!」
とビンタを食らった。

最近、よくビンタをされているなぁ。と思ったけど、
涙は止まらなかった。

翌日から、
イケメン君やその周りの人から、露骨に避けられるようになった。廊下やトイレなどですれ違うと、舌打ちをされたり、「うざっ!きも!!」とか言われるようになった。

露骨にやられると落ち込んだが、
ダメージを食らってない感じを装い、
逆に明るく振る舞った。

ちびまる子ちゃんでいう山田君みたいなノリで過ごした。
そしたら、ダンスを中学から習ってるという、
ノリが良い8組の上田と仲良くなった。