私が脳内御花畑の頃、火曜日の集会で使用される書籍が直前で使用禁止になってしまった事がありました。

それは「ヤコブの手紙の注解」と言う書籍です。はじめて本を受け取ってパラパラとめくったくらいでしたが、興味の惹かれる書籍で研究を楽しみにしていたのに「なんで〜?」と思いましたね。

その事について他の人達はあれこれ話す事もなくその書籍はお蔵入りになってしまいました。

こういうふうに会衆からも何も言及される事なく有耶無耶にする所が好きじゃないのよね〜

何十年も経って、その書籍の執筆者がエドワードダンラップさんだった事を知り、やっと謎が解けました。

レイモンドフランズさんの「良心の危機」によると、1975年大患難説が大外れになった翌年、アメリカでは54835人のエホバの証人が失望して組織を離れていきました。

その後、教理は大幅に改正されたのですが、アメリカの本部内にも改正された教理に疑問を持つ人達が表れたのです。

その中の一人がエドワードダンラップさんでした。

エホバの証人として40年間忠実に奉仕し、本部ではギレアデ宣教学校の教務主事を務め言わば校長先生のような立場でした。

本部は、次の八つの事柄を信じているか否かで背教者の基準を設けました。

1.神は組織を持っておりそれを導くのに統治体を使っている

2.天的な希望は1935年以来地的な希望になった(1935年以降のエホバの証人は地上に復活する)

3.忠実で思慮深い奴隷は一部のクリスチャンからなるクラスであり個人に当て嵌まるのでなく統治体を通じて成り立つ

4.クリスチャンは地上か天かで二つのクラスに分けられ神とキリストの関係が違ったものになる

5.14万4千人は文字通りの数であるはずで大群衆が天上の神の神殿で奉仕する人達の事であるはずがない

6.終わりの日は1914年に始まっている。使徒ペテロが終わりの日がペンテコステに始まると言っていても、これはパウロの言う終わりの日ではない

7.西暦1914年にキリストが全地の王として王座につき、その時から臨在が始まった

8.ヘブライ11-16にアブラハム、イサク、ヤコブなどの人々が更に優った場所、すなわち天に属する場所を捉えようとしているとあるが、これは天上の命を得ると言う意味であるはずがない

 

これら八つの踏み絵はどれ一つをとっても聖書を根拠にしていないと言う点で、エドワードダンラップさんにとって受け入れられるものではなかったのです。

彼は言いました。

「問題はみんなが聖書を読もうとしないことであって協会の出版物にばかり頼っているものだから良心が本当に聖書による訓練を受けていないのだ」と答えたそうです。

ダンラップさん、鋭い!あんたは偉い!

組織の見解を受け入れる事ができなかった彼は排斥となり、住み慣れたベテルを72歳と言う高齢で夫婦で追い出され故郷のオクラホマシティにもどり、以前生業としていた壁紙貼りをして細々と生計を立てるのでした。

それにしても、この八つの踏み絵いまだにこれを根拠に背教者認定していたら、エホバの証人ほぼ全員背教者って事になるんじゃない?