殺人狂時代 (1967年 岡本喜八監督版) | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

殺人狂時代 [DVD]/仲代達矢,団令子,砂塚秀夫
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内容:都筑道夫の「なめくじに聞いてみろ」を岡本喜八監督が映画化した異色サスペンス。大学講師の信治は“大日本人口調節審議会”の刺客に襲われる。信治は女性記者とコソ泥の協力を得て殺し屋を倒していく。 (Amazonより)


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はい!今週の岡本喜八 監督枠、その2本目は1967年製作「殺人狂時代」です!!

言うまでも無くチャップリンのそれとは何の関係もございませんので念のためー♪(°∀°)b





犯罪心理学の大学講師桔梗信治はある日、驚くべき人物の訪問を受けた。男は「大日本人口調節審議会」の間淵で、信治の命を貰うと言う。しかし、間淵は信治の亡き母のブロンズ像を頭に受けてあっけなく死んだのだが、信治は単身「審議会」に対することになった。この団体は、実は人口調節のために無駄な人間を殺すのが目的で、会長はヒットラーに心酔する精神病院の溝呂木院長、それに元ナテスのブルッケンマイヤーが加わっていた。信治は、ブルッケンマイヤーが仕事の手始めとして電話帳から無差別に選んだ一人だったのである・・・(goo映画より)





・・・ウン! メチャメチャ面白れーーーーっ!!ヽ(゜▽、゜)ノ



ほい、噂には聞いてましたが、想像以上に面白い奇怪痛快娯楽アクションコメディでした。

一言で言えば「タランティーノが好きそうな映画」って感じ?笑 ってか「キル・ビル」って

多分この映画からもナンボか影響受けてるんじゃないかなー?(°∀°)b



ある夜、冴えない大学講師桔梗信治(仲代達矢)が狭苦しいアパートの自室に帰ると、

見知らぬ男が待ち構えていた。男は「大日本人口調節委員会」の殺し屋間淵

(小川安三)名乗り、無作為に抽出した3人のターゲットの一人として信治が選ばれたから

死んでもらうと言う。幸い揉み合った拍子に落下したブロンズ像が間淵の頭を直撃、

間淵は絶命し信治は事なきを得るが、その後も次々と「大日本人口調節委員会」からの

刺客が信治の命を奪いにやってきて・・・ってなお話。



そのあまりにブッ飛んだ内容から試写に臨んだ東宝の重役たちがお蔵入りを決定、

ようやく半年後に公開にこぎつけたもののわずか数日で打ち切りとなり、しかし映画を観た

観客達の熱烈な支持によって再び上映される事になったという曰くつきの本作。

今となってはまぁ似た様な作品も多数生みだされてますが、40年以上前の当時に

他にこのような作品があったかと考えるとちょっと思いつかないなぁ。


精神病患者こそ人間の本来あるべき姿だと説き、それ以外の人間は淘汰すべきと

御高説のたまう「大日本人口調節委員会」頭目溝呂木博士(天本英世)を筆頭に、

松葉杖に銃を仕込んだ男や義眼に毒針を仕込んだ女、トランプの間にカミソリを仕込んで

飛ばす男や催眠術師まで、もぅとにかくキャラクター祭り状態!!ヘ(゚∀゚*)ノ

中でもサイコーなのが天本英世さん演じるマッドドクター溝呂木で、見た目はもう完全に

死神博士そのままなんだけど(笑)、口角泡飛ばしヒトラーを礼賛する様はまさに

怪優天本英世の真骨頂!ヽ(゚◇゚ )ノ 他の誰が演じてもあの怪しさには勝てないでしょうな。

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↑画像を見れば一目瞭然part.1。怪しすぎw



そして主人公桔梗信治を演じた仲代さんも良かったですねー!

ビン底眼鏡をかけひどい水虫に悩まされている冴えないマザコン大学講師の役なのですが、

仲代さんってあんなコミカルな演技も出来る方だったんですねー!∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

すっとぼけた味わいが最高でした♪



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↑画像を見れば一目瞭然part.2。知らずに観たら仲代さんだと気付かなかったかも。




んでもってひょんな拍子に桔梗信治と行動を共にする事になるのが、スクープ狙いの

週刊誌記者鶴巻啓子(団令子)とケチなコソ泥の大友ビル(砂塚秀夫)
まぁこの二人はいつも通りの役柄なので安心して観てられます。

個人的には砂塚さんが活躍する場面がもうちょっと多いとなお良かったんだけど、

まぁ他の登場人物も総じて濃ゆいキャラばかりだっただけにあれぐらいで

ちょうど良かったのかな。




総評。

まぁ話自体は次々と現れる奇妙な殺し屋たちを桔梗一行がひたすらやっつけていくという

それだけの作品なんですが、「なぜ桔梗信治が執拗に狙われるのか?」とか

視聴者を煙に巻く結末などストーリー自体も楽しいし、なによりテンポよく次々出てくる

キャラクターを観ているだけでも面白いんですよねー♪ヽ(゜▽、゜)ノ

加えて溝呂木のいる精神病院のセットなんかはまるで「時計じかけのオレンジ」

先取りしたような斬新さだし。

ってワケでひたすら娯楽に徹したカルト的人気を誇る和製エンターテインメントムービーである

本作、もちろんオススメです!!