ガルシアの首 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

ガルシアの首 コレクターズ・エディション (完全初回限定生産) [DVD]/ウォーレン・オーツ,イセラ・ベガ,ロバート・ウェバー
¥4,935
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内容:名匠サム・ペキンパー監督によるヴァイオレンス・アクション映画の傑作。お得意のスローモーションを駆使した壮絶なアクション場面はもとより、主人公と腐り始めていくガルシアの首との奇妙な連帯感、そして男の再起をかけた哀しいまでの生き様など、一風変わったシチュエーションからさまざまなエモーションが醸し出されていく奇蹟は、観る者をただただ圧倒する。W・オーツの名演も忘れてはならない。(Amazonより)


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はい!今週のサム・ペキンパー は、1974年製作「ガルシアの首」です!!





メキシコの大地主が、娘を妊娠させたガルシアという男の首に賞金をかけた。酒場のピアノ弾きのベニー(ウォーレン・オーツ)は、ガルシアが既に死んでいることを知り、墓場からその首を持ち出すが、金目当ての男は彼一人ではなかった…(amazonより)





はい!現代のメキシコを舞台に、一攫千金を夢見て“賞金首”を追うしがないピアノ弾きと、

同じく首を狙う者たちの戦いを哀切たっぷりに描いたバイオレンス映画です。



冴えないピアノ弾きのベニー(ウォーレン・オーツ)は、恋人エリータ(イサラ・ベガ)

浮気相手であるアルフレッド・ガルシアの首に多額の賞金が賭けられている事を

嗅ぎつける。早速エリータにガルシアの居場所を尋ねると、何と彼は数日前に

事故で死亡し故郷の墓に埋葬されたという。

しかし賞金を手にして冴えない生活から抜け出したいベニーは、ガルシアの首を

掘り返す為にエリータを伴いガルシアの墓へと向かう…ってなお話。




・・・で、感想。

結論から言うと、感想を言葉に表現するのが何とも難しい物語です。ストーリーとしては

非常にシンプルなのに、本作は壮絶なバイオレンス映画であると同時に、ある面では人生を

損なわれ続けてきた男が全てを賭けて己の誇りを取り戻すロードムービーでもあり、

またある面では切ないラブストーリーでもあるんですよね。だからクライマックスの壮絶な

銃撃戦においてもカタルシスはまるで皆無ですが、じゃあただただ切なく哀しい物語かと言うと

決してそうでは無くて、ある種の安堵感すら抱いてしまうし…

まーようするにね、何だか凄い映画ですわ。ウン。



キャストに関してはもう主演のウォーレン・オーツに尽きますねー! 人生を賭けた大勝負に

討って出る冴えない中年男を見事に演じております。ペキンパーの演出もスローモーションを

多用するなどいかにも“らしい”仕上がりになっており、そのテーマ性も含めて最も

ペキンパーの作風が色濃く出ている作品では無いでしょうか。





書きたい事はいっぱいあるんだけど、そーにも巧くまとめられそうも無いので諦めて総評。

物語の舞台を現代に据えるにあたって、彼がかつて再三描き愛してきた“西部”への想いを

今度はメキシコに託したんでしょうね。現代劇でありながら、本作からは紛れも無く

西部の匂いがするもの。

まーなにはともあれ様々な思いが胸を去来する凄い作品でした。丁度いまTSUTAYAの

「発掘良品」のコーナーでも取り上げられてますので探すのも容易いでしょうからね、

未見の方はぜひこの機会にいかがでしょうか。

ってワケでしっちゃかめっちゃかになっちゃったけどとにかくオススメ!!