ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

ビリー・ザ・キッド 21才の生涯 特別版 [DVD]/ジェームズ・コバーン,クリス・クリストファーソン,ボブ・ディラン
¥3,980
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内容:メキシコを舞台に、無法者のビリー・ザ・キッドと、彼を追う保安官のパット・ギャレットを描いたウエスタン・ムービー。(Amazonより)


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はい、本日2本目~♪ヽ(゜▽、゜)ノ

ってワケで今週のサム・ペキンパー は、1973年製作「ビリー・ザ・キッド

 21歳の生涯」です!!





19世紀末。無法者の楽園、ニュー・メキシコ・テリトリーのフォート・サムナーでビリー・ザ・キッド(クリス・クリストファーソン)は、仲間たちと陽気な日々を送っていた。ある日、バット・ギャレット(ジェームズ・コバーン)がひょっこり現われ、保安官になったと告げた。彼は、1匹狼でみんなから煙ったがられていた無法者だが、大分年下のビリーと不思議に気があった。さらにギャレットは、親友ビリーに土地の有力者たちの意向を伝え、「5日以内にここを去れ」と警告した。しかし、ビリーが彼の警告を無視したのでギャレットはビリーを逮捕する・・・(goo映画より)




はい、19世紀後半のアメリカに実在した伝説的アウトロー、ビリー・ザ・キッド

描いた作品です。ビリー・ザ・キッドと言えば西部劇ではワイアット・アープと並んで

題材にされる事が非常に多い人物ですし、詳細な説明は必要ないですよね。



かつて腕利きの無法者として勇名を馳せたパット・ギャレット(ジェームズ・コバーン)は、

しかし老いを迎えるにあたり安定した生活を望み、ニューメキシコ準州の保安官になった。

彼に対する州知事ウォレス(ジェイソン・ロバーズ)や大地主チザムの要求はただひとつ、

フォート・サムナーを根城に辺りを荒らし続けている無法者ビリー・ザ・キッド

(クリス・クリストファーソン)を捕らえる事。

パットとビリーはかつてたびたび行動を共にした仲間だったが、パットは命令に従い

フォート・サムナーを訪れると、5日以内にメキシコへと立ち去るようビリーに告げる。

しかしビリーは従わず、やむなくパットはかつての友を捕らえるべく行動を開始する・・・

ってなお話。



で、感想。


・・・うーーんシブい!! カッコいい!! そして切ない。。。。(_ _。)



邦題はまるでビリー・ザ・キッドが主人公のようになっていますが、原題は

“Pat Garrett and Billy the Kid”。つまり本作はビリー・ザ・キッドと彼を追う保安官

パット・ギャレットの物語であり、むしろ主人公はパット・ギャレットの方なんですよね。

“宗旨替え”して保安官となり、かつての友であり無法者たちからの信望も厚い

ビリーを捕らえなければならないパット。かつての仲間たちから裏切り者と

蔑まれながら、それでも追わなければならない老境にさしかかった男の悲哀を

ペキンパーらしくセンチメンタリズムたっぷりに描いております。



 荒くれ者たちが鳴らしたフロンティアはもはや消えつつあり、銃の代わりに法と金の力が

人々を支配する時代。生きる為に「法と金」の側についた老いた男と、時代の流れに

抗うように自由な暮らしを続ける若き無法者の対比は、これまでペキンパーがたびたび

描いてきた「西部開拓時代の終焉と新時代の到来」をそのまま表すかのようですね。

しかし興味深いのは、これまでとは逆に老人の方が新時代に順応し、若者の方が

旧時代を象徴している点でしょう。

他にも興味深い点がいくつかあって、例えば始まりから終わりまでボブ・ディランの曲によって

彩られている本作は、終始哀切さに貫かれてるんですよねー。

これほどまでに物悲しいペキンパー映画は初めてじゃないでしょうか、この辺の変化の

所以がどこにあるのかもあれこれ調べてみると、より楽しめるかと思いますよ。



キャストに関しては、これはもう主演のジェームズ・コバーンに尽きるでしょう!ヽ(゚◇゚ )ノ

これまで観てきた作品ではどちらかというと「印象的な脇役」という感じでしたが、

本作では堂々の主演っぷりでしたよ。ラストの背中がなんと物悲しいことか。。。(_ _。)

あと音楽を担当しているボブ・ディランも、ビリーに憧れる若者エイリアスを演じています。

台詞自体は少ないのですが、なかなかどうして、役者としても様になってましたよー♪





総評。

本作には1988年に製作された「ターナー・プレビュー・バージョン」と、2005年に新たに編集

し直された「新バージョン」があり、今回ワタシは特別バージョンの方を観たのですが、

これは俄然88年バージョンの方も観てみたくなりましたねー♪ ってワケで

「昼下りの決闘」「ケーブル・ホーグのバラード」 と併せて3枚3000円で

追加購入しちゃいました♪(^_^)v

 以上、ペキンパー特有の「男のロマンティシズム」は抑えめながら、代わりに

センチメンタリズムがかつてないほど色濃く出ている本作、もちろんオススメです!!