昼下りの決斗 | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

昼下りの決斗 特別版 [DVD]/ランドルフ・スコット,ジョエル・マクリー,ロン・スター
¥690
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内容:金塊護送を頼まれた男たちの裏切りと友情を描いた作品。ランドルフ・スコット、ジョエル・マクリー、ロン・スターほか出演。 (Amazonより)


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はい!今週のサム・ペキンパー は、初期の傑作と名高いこの作品ですねー、

1962年製作「昼下りの決斗」です!!





スティーブ・ジャッド(ジョエル・マクリー)は、かつて名保安官として鳴らした男だったが、今では西部の人々からも忘れ去られていた。ところが、シエラ山中のコース・ゴールドに金が発見され再び彼が脚光を浴びることになった。コース・ゴールドの人たちが、掘り当てた金を預け入れるために銀行の出張を熱望したため、その重任にふさわしい人として正義の男ジャッドが選ばれたのだ。黄金を預かっての帰りの山道はあらゆる危険が予想されるため、彼は協力者2人を雇うことにした。彼が適任者として選んだのはかつてUSマーシャルとして音に聞こえたガンマンのジル・ウェストラム(ランドルフ・スコット)と、ウェストラムの推薦になるヘック・ロングツリー(ロナルド・スター)である。だがジャットが信用しているウェストラムは、実は1日10ドルの日当より莫大な黄金がめあてだった・・・(goo映画より)




はい、ゴールドラッシュ期の西部を舞台に、老いたガンマンの矜持と哀しみを描いた作品です。



かつては名保安官としてその名を知られたスティーヴ(ジョエル・マクリー)だったが、

年老いた今は食い扶持にも困って各地を転々としていた。ある日シエラ山中の金山から

金25万ドルをふもとの街の銀行まで運搬する仕事があると聞きつけたスティーヴは、2000ドルの

報酬で引き受ける。道中にはこれまでたびたび強盗が出没しており、スティーヴは昔馴染みの

ジル(ランドルフ・スコット)とその若き弟子ヘック(ロナルド・スター)を仲間に引き入れ

シエラ山へと向かう。しかしジルとヘックは密かに金を横取りする算段を立てていた・・・

ってなお話。



かつて腕利きのガンマンとして知られたものの今は老眼鏡が手放せず、食い扶持にも困って

袖のほつれたシャツを着ているスティーヴと、同じく年老いて今はいかがわしい射的屋を

営んでいるジル。この二人のロートル・ガンマンに、血気盛んなもののまだまだ未熟な

青年ヘックと、道中で出会った美しい娘エルサという若者二人を加えて金山を目指します。



で、感想。


・・・いやぁ~~、シブいっ!! そして面白いっ!!ヘ(゚∀゚*)ノ  


はい、老いた男のカッコ良さとセンチメンタリズムがキュンキュン来る作品です。

衰えは隠せないものの、まだまだ若い者には負けんとばかりに(実際負けてない)着実に

任務を全うするスティーヴと、そのかつての戦友ながら貧しい生活に嫌気が差し

金の横取りを密かに企んでいるジル。生き方こそ異なるものの、その背景にあるのは

ともに老いた男の哀しみなんですよね。

そしてその対比となるのが二人の若者。厳格な父に嫌気が差し、金山で働く婚約者の

ビリーの元へと家出したエルサと、そんな彼女に一目惚れし道中の護衛を買って出る

ヘック。二人の若いがゆえの無鉄砲さが、やがて一向を窮地に陥れるわけです・・・。



ペキンパー作品でも初期のものだけあってバイオレンス描写はさほどありません、その点では

ごく普通の西部劇といえるかもしれませんね。ただクライマックス、身も隠さず正対した男達が

繰り広げる玉砕覚悟の銃撃戦とその後迎える結末がいかにもペキンパーらしいんですよね。

まさに“去りゆく男の美学”ってヤツでしょうか、もーカッコいいったらありゃしないっ!ヽ(゚◇゚ )ノ

この辺サムライ映画で培われた日本人のメンタリティーにもピッタリ来ると思いますよー♪



キャストに関してはもうジョエル・マクリーとランドルフ・スコットという二人のベテラン

西部劇俳優の独壇場ですが、そんな中で見落とせないのが敵役の一人として

出ているウォーレン・オーツ。本作では完全に脇役で出番も多くないですが、言うまでもなく

この後ペキンパー作品に欠かせない俳優になりますのでしっかりチェックしておきたい

ところですな♪( ´艸`)




総評。

単なる勧善懲悪モノではなく、ペキンパーらしい憂愁が既に見て取れる初期の傑作です。

“カラスを肩にとめた男”などどことなく不気味なシーンがそこかしこに見えるところも

後の作品を思い起こさせますし、ペキンパーファンならずとも一見の価値ある作品ですよ♪

ってわけでオススメ!!