赤い運命(山口百恵版) | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

赤い運命 DVD BOX/山口百恵,宇津井健,三國連太郎
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内容:山口百恵主演によるドラマ「赤いシリーズ」の、三國連太郎ら豪華キャストが顔を揃えた第2作目がDVD-BOX化。多大な被害をもたらした伊勢湾台風と、養護施設での子供の取り違えという要素を軸に、根深い愛憎劇が繰り広げられる。全28話を収録。 (Amazonより)


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はい!5月から7月にかけて行っておりました百恵ちゃん 特集。主演映画を一通り観終えた事で

ひとまず終了いたしましたが、それ以降も「赤いシリーズ」はコツコツ観進めておりましたよー♪

ってワケで1976年4月23日から10月20日にかけてTBS系列で放送されておりました

シリーズ第三作、「赤い運命」です!!





昭和34年9月26日に上陸した伊勢湾台風で、家族が行方不明となってしまった吉野(検事)と島崎(殺人の前科持ち)。彼らは、17年の時を経て、ようやく自分の娘を探し出すことに成功した。しかし、引き取られていた施設は、火事による混乱で、親子の証拠となる物が入れ替わっていた。吉野の娘は島崎の元へ、そして島崎の娘は吉野の元へ引き取られてしまう。やがて、偶然見つかった吉野の妻が、娘の腕にあった特徴を思い出し…。(wikipediaより)




はい、前シリーズ「赤い疑惑」 に続き宇津井健さん百恵ちゃんの共演で送る

全28話のドラマです。ただ今回は友和さんは出てないんですよねー、今回の百恵ちゃんの

相手役は「エデンの海」 南條豊さんですよ。



で、ストーリーなんですが・・・まーややこしいので文章で説明してどこまで伝わるか

はなはだ疑問ですが、とりあえず書いてみますか。(;^_^A


主人公は検事・吉野信人(宇津井健)。彼にはかつて世津子という妻と、産まれたばかりの

いづみという娘が在ったが、17年前の伊勢湾台風の際に行方不明になり、以後杳として

消息も知れないままだった。その為現在は父の吉野剛造(志村喬)と、亡くなったかつての

検事仲間の忘れ形見で養子に迎えた吉野俊介(南條豊)の三人で暮らしている。

しかしある日、吉野は偶然見た火災の記事で、17年前に行方不明になった幼い娘が

孤児院に引き取られ生きている事を知る。早速確かめに行った吉野は、高校生に成長した

いづみ(秋野暢子)と17年ぶりに再会、引き取る事に成功する。

・・・しかしその日、孤児院には吉野の他にもう一人来客があった。その男の名は島崎英次

(三國連太郎)、15年前に殺人を犯して服役していた男であり、17年前に妻とともに失踪した

一人娘直子(山口百恵)がここにいると知って引き取りに来ていたのだ。

幼い頃から共に育った同い年のいづみと直子。二人の前にようやく現れたそれぞれの父親は

片や検事、片や元殺人犯と何とも皮肉な運命にあったが、しかし本当の運命の悪戯は

この時まだ明らかになっていなかった。

実は孤児院を火災が襲った際に、いづみと直子それぞれの身元を明らかにする証拠の品が

入れ違っていたのだ。つまり吉野が引き取ったいづみは本当は島崎の娘直子であり、

島崎が引き取った直子こそが本当のいづみだったのだ!・・・ってなお話。

んでもって「孤児院の再建を請け負った大竹建設社長大竹修三(前田吟)の妻由美子

(岸田今日子)こそが、実は伊勢湾台風の際に記憶喪失になり大竹に助けられた

吉野の妻世津子だった!!」とか、「吉野の養子俊介の実の父を15年前に殺したのは、

何を隠そう島崎英次だった!!」とか、「街で新たな殺人事件が発生、その容疑者として

島崎が逮捕され、担当検事には吉野が就く事に!!」とかとかもーこれでもかってぐらい

運命がいたずらしまくるワケですなー、って果たして伝わってるかしら?( ̄Д ̄;;



まーそこからそれぞれが少しずつ真実を知っていくごとにひと悶着あるワケですが、

それらを一つ一つ挙げていったらそれこそ17年経ってしまいそうなので(←)

あとはご自身で調べていただくとして、いよいよ感想に行きますと…


ウン、これは宇津井健と三國連太郎のドラマですなーーー!!\(゜□゜)/


・・・はい、ブッチャケ百恵ちゃんですらこの作品では脇役です。この作品はとにかく

宇津井さん演じる吉野と三國さん演じる島崎の壮絶な戦いのドラマであり、

二人の前では百恵ちゃんと秋野暢子と南條さんの三角関係もサイドストーリーでしか

ありません。

ってか特に三國さんの熱演が凄い!!ヽ(゚◇゚ )ノ 中でも第8話、真相を知った島崎が

しかしどうする事も出来ず獄中で慟哭するシーンはもの凄い迫力でしたよっ!!

前作に引き続き生真面目すぎるほど誠実な男を演じる宇津井さんも相変わらず

凄い熱演ぶりだし、この二人の演技合戦の前ではさすがの百恵ちゃんでも

影が薄くなっちゃいましたかな。



自分の子と信じて愛した娘が実は他人の子と知る吉野と島崎。気付いた時には既に親子の絆

分かち難く、しかし自分の実の子供を愛しく思う気持ちも捨てられず苦悶する二人の男。

しかも二人は奇しくも検事と被告として対決する運命にあり、事態はさらに混迷を深めていく。

まぁ現実的には絶対あり得ない話なのは大映ドラマですから不問に付すとして(笑)、

この複雑に入り組んだ人間関係を最終的にどのように決着させるのか全く読めず

基本的には楽しく観られましたよー♪「伊勢湾台風」「満蒙開拓軍」と、歴史的事実を

物語の重要なカギとして盛り込んでる所もスケールでかくてなんだかスゲーし。


・・・ただ、終盤の展開はちょっと力尽くな気がするなぁ・・・(-"-;A ってかアレってさ、きっと

当初は違う決着の仕方を予定してたんじゃないかな? でも「百恵ちゃんを友和以外の

男とくっつけないで!!!ヾ(。`Д´。)ノ」とゆー猛烈な世論を無視できなくなって、

それであーゆー胴体着陸みたいな強引な着地の仕方になっちゃったんじゃなかろうか、と。

だって・・・ねぇ?俊介のあの結末はいくらなんでもおかしくないかい?(=◇=;)

出番もどんどん減ってったし・・・あぁ、可哀相な南條さん。。。(_ _。)



あと印象に残った事を箇条書きにしていくと、

●吉野の盟友 山村美代子弁護士(有村稲子)が途中から出なくなったのが残念。

 素敵なキャラだったのに。

●大竹由美子(=吉野世津子)を演じる岸田今日子さんが怖すぎ(笑)

●秋野暢子さんのブリッコぶりに無性にイライラと。。。(-""-;) 

●百恵ちゃんが劇中で唄う「かーらーすー なぜ啼くのー」がやたら巧すぎる(笑)

●序盤は主要キャストかと思われたいづみの定時制高校での同級生(=野球部員)が

 目に見えて物語からフェードアウトしていく件

●ブッチャケ途中から宇津井さんよりも三國さんに肩入れしてしまった件

●三國さんのケツのドアップにひるんだ件(笑)




ってワケで総評。

前シリーズ同様にラスト2話あたりで回想シーン(=映像の使い回し)がやたらと増えるなど

終盤の強引さには多少不満もありますが、でもトータルでは十分楽しく観られましたよ♪

本作は「赤いシリーズ」の中でも最も好評を博したそうですが、まぁそれも納得かな、

個人的には前作「赤い疑惑」の方が百恵ちゃんが可愛くて好きだけど。

まーなにはともあれね、こーゆー濃ゆーい世界も嫌いじゃないなと(笑)

以上でーす、次は「赤い衝撃」を観るぞっ!!ヽ(゜▽、゜)ノ