- アメリカン・ラプソディ [DVD]
- ¥1,289
- Amazon.co.jp
内容:エヴァ・ガルドス監督の実体験を元に作られた真実のドラマ。政治的圧力から逃れハンガリーからアメリカへ渡った家族と、国に残された幼い少女の成長と絆を描く。『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソンがエヴァの役を熱演。(Amazon.co.jpより)
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はい!今週のスカちゃん 枠は、2001年製作「アメリカン・ラプソディ」です!
共産圏のハンガリーから"鉄のカーテン"を抜け出し、自由を求めアメリカに亡命したピーター(トニー・ゴールドウィン)とその妻マルジット(ナスターシャ・キンスキー)。しかし、亡命に掛かる費用はあまりにも高く、生き延びる為、すぐに迎えに来る事を約束して仕方なく生まれたばかりの娘スーザン(スカーレット・ヨハンソン)は一旦置き去りにされる。しかし、長い年月の間、その約束は果たされることはなかった。
それから6年の歳月を経て、家族は悲願の再会を果たす。しかしスーザンにとって、幼いころに離れ離れになった両親の記憶はまったくなく、家族が家族らしい関係になるには、娘と両親の生きてきた環境はあまりにも異なり、そしてあまりにも長かった…(Amazonより)
私にとっては今回が初レンタルとなる本作。DVDのパッケージを見た限りではあらすじも
ジャケ写の雰囲気も好みに合ってそうだったので、かなり期待して借りて参りました♪ヽ(゜▽、゜)ノ
ところが。
観始めて10分ぐらい経過したあたりですかねぇ、 「あれ?今のシーンってどっかで
観たような…?(・_・;)」っつー既視感にも似た感覚に襲われまして。
最初は勘違いかと思ったんですが、話が進むにつれて二度三度と同じ感覚に襲われまして。
でも過去にこの作品を借りた覚えは全く無いわけでして。
ストーリー展開も見覚えは無いわけでして。ただ断片断片で既視感を覚えるわけでして。
なので「…っつーことはアレかな?コレとよく似た作品があって、それと錯覚してるのかな?
確かに国外脱出の場面とかはナチスの強制収容所モノとかによく似たシーンが
ありそうだもんなぁ、ウンきっとそうだ! 似た作品があるんだ!
…でもじゃあどの映画と似てるんだろう… 『バティニョールおじさん』 ? …イヤ違うなぁ。
じゃあ『アイ・アム・デビッド』 ? …いや、確かに似たシーンはあったけどコレも違う…
う~~~~~~~ん何だったっけ…(-。-;)ブツブツ。。。」などとあ~でもないこ~でもない
考えながら鑑賞してたんです。
…で、そうやって答えが見つからないまま考え続けること数十分。
その間も物語りは進行し、画面の中では主人公の少女スージーとそのパパが
会話を交わしている。
パパ:「何を読んでるんだい?」
スージー:「“ソーヤ・トマーシュ”よ。」
…あっ!!( ̄□ ̄;)!!
思い出した!!
“コレとよく似た映画”を観た事があるんじゃない、
“コレ”を観たことあるんだ!!!!!(゜□゜)
はい間違いありません。ソーヤ・トマーシュ(=トム・ソーヤーのこと)で思い出しました。
実はワタシ、コレ一回観た事があったのでした♪(´∀`)ヘラヘラ
…ってちょっと待って!怒らないで!!ヽ((◎д◎ ))ゝ
イヤ違うんですよぉ! 観たことは観たんですけど、ちゃんとは観てないんですよぉ!
それに今回初めて借りてきたことも間違いないですから~~!ヽ(;´ω`)ノ
…ってのもですね、何年か前にTVの深夜放送でやってたんですよ、コレ。(;^_^A
状況も覚えてます。確かアレはイビチャ・オシム率いるサッカー日本代表がヨーロッパに
遠征して、オーストリア代表と試合した夜です。
あの試合はブッチャケあまり面白くなくてねぇ、チャンネルをあちこちザッピングしてたら
ちょうどなにやら面白そうな映画を放送してたので、数分おきぐらいに試合と映画を
交互に観てたんですよ。
で、そのときの映画がコレだったとこ~ゆ~ワケですな。
どうりで大筋と断片しか見覚えがないわけだ!あ~~スッキリした♪(^▽^)
…さて、そんなど~でもいい話はこの辺にしまして、本題の感想をば(笑)
この物語は本作の監督でもあるエヴァ・ガルドスの実体験を元にした、いわゆる
“Based on a true story” な映画です。
そしてそれだけに、登場人物の心理が実にリアルに伝わってくる作品でしたよ。
物語の核となるのは二人の女性です。共産国家だったハンガリーから亡命する際に
赤ん坊だった我が子と生き別れてしまった母マルジットと、数年間ハンガリーの里親に
育てられたのち赤十字の尽力により家族と再会を果たした娘スージーを軸に進みます。
赤ん坊のときに実の親と離れ離れになってしまったものの優しい里親たちに惜しみなく
愛情を注がれ、すくすくと育ったスージー。
当然物心がつく頃には、里親たちを実の親と認識していました。
しかしその間もマルジットたち夫婦は、ハンガリーから亡命先のアメリカへスージーを
なんとか呼び寄せようとあの手この手を尽くしていたんですね。
そしてある日ついにその努力が実り、スージーを呼び寄せることに成功するのですが、
既に里親たちになついていたスージーは、アメリカにも“新しい家族”にもなかなか
馴染む事ができず…ってなお話です。
本作では母親マルジットをナスターシャ・キンスキーが、そして成長したスージーを
スカちゃんが演じているのですが、それぞれの抱える深い苦悩、葛藤が実にリアルで
良かったですね。
それまで実の親だと思っていた“家族”から引き離され、「私が本当のママなのよ」なんて
突然言われてもねぇ、そりゃあすぐ受け容れろってほうがムリな話なのは明らかですし、
ろくに別れの挨拶も出来ないまま会えなくなってしまった育ての親を懐かしむ気持ちを
捨てられないのもよくわかります。ってかむしろ美化される分膨らみますよね、郷愁は。
こういった複雑な感情を抱えた年頃の女の子役はスカちゃんの得意とするとこでしょう、
「ロスト・イン・トランスレーション」もそうだしね。ぴったりハマってました。
一方、ナスターシャ・キンスキー演じるマルジット。
成長したスージーに対しても尋常じゃない執着を見せる彼女を、おそらく大半の方は
奇異に感じることと思います。私も「…そりゃあ過去に離れ離れになった経験から
溺愛するのもわかるけどさぁ…それはちょっとやりすぎでしょうよ。。。(-。-;)」と
思ったものです。ブッチャケこんな親はイヤだな、と。
ただ…こっから先はちょっと言えませんけどね、終盤になって初めて明かされる
「隠されていた事実」、コレを知った上でマルジットの言動を振り返るとねぇ、
これがまた実に合点が行くんだなぁ。。。(_ _。)
役柄としてはスージーよりも難しかった事でしょう、演じたナタキンに拍手です!(ノ゚ο゚)ノ
総評。
地味な作品ですが、さすが実話を映画化した、しかも体験者自身が監督を務めているだけ
あってなかなか見応えある作品でしたよ。
ラストシーン、横一列に並んで歩く姿が特に深く印象的でした。
ってわけでなかなかの佳作です。オススメ。