ドウデュースが劇的な復活を果たした有馬記念について、簡単に振り返りたい。
全体のタイムは2:30:9と、ここ10年で2番目に速いタイムでの決着となった。
(2023年ラップ)
(2019年ラップ)
リスグラシューの勝った2019年の有馬記念では、アエロリット号の自爆逃げがあって
超ハイペースだったが、昨日はタイトルホルダーが淀みないMペースを刻んだだろう。
前日同距離で実施されたグレイトフルS(3C)のタイムは2:32:0と、昨年の有馬記念の
タイム2:32:4(勝馬イクイノックス)より0.4秒速かったので、馬場は前年比高速だった。
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各馬のレース振りについて。
〇ドウデュース 優勝
「強い」としか言えない。戦前、同馬は京都記念の時も直線で右側にささっていて、
「中山2,500mを無事に乗り越えられるのか」という懸念はあった。
今回鞍上が武豊騎手に変わるのと、元値の潜在能力、好枠を引いたと思って〇印に
したが、スタートから遅れてほぼ最後方から。枠は関係なかった。
しかし、「皐月の競馬ヨロシク」という感じで、凄い手応えで最後の3角を上がっていき
遂には差し切ってしまった。
最後の直線で、武騎手は右ステッキで寄れないように連打している。
逃げた馬達が残っている競馬で、圧倒的な強さを見せて劇的な人馬の復活を果たした。
(2022年日本ダービー)
△スターズオンアース 2着
スタート後のコーナーでルメール騎手が先頭に出し、最初の直線の入り口でなだめて
2番手。菊花賞のドゥレッツアもそうだったが、ルメール騎手の技術の真骨頂の一つ。
タイトルホルダーが引き離しても動かずポツンと2番手のまま。この馬が実質的には
ペースを作っている。中山の小回りをロスなく、ラチ添いを周回した事も光っていた。
最後ドウデュースには交わされてしまうが、タイトルホルダーをキッチリと交わした。
△タイトルホルダー 3着
ラストラン、見せ場十分だっただろう。
直前調教の賛否が分かれており、日経賞を勝っているとはいえ中山では阪神ほどの
絶対感はなく△印にしていたが、最後は自分の競馬に徹して勝ち負けに加わった。
◎ジャスティンパレス 4着
いやいや。。レース中「何でよりによって、一番後ろから行くのだろう」と感じていた。
秋天は最後方近くだったが、レースのペースは全然違うし、もう少し早めに行けた筈。
ドウデュース程の瞬発力がある訳ではなく、一方でスタミナもあるから追えばしぶとく
伸びる事も出来る馬。中山コースでずっと外々を回ってしまい、3着馬とはアタマ差。
横山武騎手はエフフォーリアで有馬を制していて、ここは大丈夫と思って◎を打ったが、
乗り方一つで全然3着内はあっただろう。
…シャフリヤール 5着
上手く好位置を追走して5着に健闘した。香港出走取消を考えれば頑張っている。
△タスティエーラ 6着
まず、菊花賞から+18kgというのが長距離戦を走る上で万全だったかな・・と思う。
最後の直線では外から来たジャスティンパレスに進路を遮られる不利があり、それが
なければ3着争いには加わっていただろう。
△ソールオリエンス 8着
コーナリングの得意でない馬が乗り替わりで1枠①番という時点で、微妙に感じた。
セントライトでレーベンスティールに完敗した辺りから、皐月賞の圧勝感が薄れてきた。
母スキアで距離は2,000m前後かも。バネは凄い馬と思っており、来年巻き返しに期待。
▲スルーセブンシーズ 12着
「・・・前に馬を置けなかった・・」というのは池添騎手の弁。⑮番枠で勝つために
「ある程度前に行かないと」というプレッシャーの中、6番手で外目を回ったが失速。
勝馬と同じく後方で腹を括るべきだったかもしれないが、2,500mに不安もあったかも。
GⅠ未勝利の5歳牝馬。この大一番で外枠を引いたのは、この馬にはかなり堪えたと思う。
結果、ジャパンカップで3~5着に来た馬達で決着する形になり、イクイノックスと
古馬戦線で戦ってきた馬達が上位を占めた。
見ていて楽しいレースだった(^^)。
ドウデュース、武豊騎手と関係者の皆様は、誠におめでとうございました。