(続き)
⑥ 2022/12/25有馬記念(GⅠ) 中山芝2,500m 1人気2.3倍 優勝
天皇賞・秋の後、10日程度で「疲れが出なければ次走有馬記念」との発表があった。
タイトルホルダー、エフフォーリアなど歴戦の古馬達との初顔合わせの一戦。
パドックでは気合が乗って仕上がり上々に見えたイクイノックスは、中山の舞台で
最後の3角から4角にかけて、持ったままの凄まじい手応えで上がってきた。
直線でルメール騎手が右ステッキにて軌道を修正。皐月賞の教訓も活かして無事に
グランプリを制覇し、2022年の年度代表馬に輝いた。
⑦ 2023/3/25ドバイシーマクラシック メイダン芝2,410m 優勝
有馬記念の後、右前の蹄に少し痛みが出てNF天栄にて調整していたイクイノックス。
2月中旬にドバイ側から招待状が届き、次走はドバイシーマCと定められる。
直前コメントによれば、現地への輸送直後は馬体が減ってしまっていて、右前の蹄は
接着装蹄で臨んだ模様。
ドバイシーマCはスローになるケースが多く、スタート後に自然体でハナに行った。
現地で見ていて、スローペースでリラックスして行けたので、途中で「これはイケる」と
少し勘違いした。
実際に直線に入ってから、持ったままで突き放して3馬身半の圧勝。最後は流している。
勘違いしたというのは日本とのタイム差であり、レース後にレコードタイムと知った。
馬場が日本とは違っていて、世界を驚愕させる一戦になった。
その後、出走各馬達の活躍により、そのレース価値は更に高まったと思う。
2着ウエストオーバー・・・仏サンクルー大賞勝利、キングジョージ、凱旋門賞2着
3着ザグレイ・・・独バーデン大賞勝利。
4着モスターダフ・・・英プリンスオブウェールズS、英インターナショナルS勝利
8着ロシアンエンペラー・・・香チャンピオンズ&チャターC勝利
当たり前のように勝ち、目の前の馬道を凱旋して帰って来た人馬に、唯々感動した。
⑧ 2023/6/25 宝塚記念GⅠ 阪神芝2,200m 1人気1.3倍 優勝
日本帰国後、秋の最大目標はJCと発表されたが次走の予定が中々出なかった。
5月21日に宝塚記念への参戦が発表される。
このレースの頃は、世間の「勝って当たり前」という雰囲気が相当強くなっていた。
そんなに競馬は簡単でなく、「勝てるだろう」と思いつつも、レースの前に何かと
心配に駆られるようになった。宝塚記念は、そんな不安が展開的にも現実になる。
ルメール騎手及び厩舎陣営のプレッシャーたるや、相当なものがあったに違いない。
レースでは少し挟まれて最後方からとなり、ジェラルディーナ(武騎手)が外に蓋して
中々動かなかった。
4角で外から捲った時、一瞬外に振れかけて絶体絶命。ルメール騎手がリカバーした。
最後は外から全てを差し切ってくれたが、
但、宝塚記念を制したドリームジャーニーの娘であり、乾坤一擲の追込を見せた
スルーセブンシーズに対して、もし騎手が違っていたら負けていたかもしれない。
(続く)