行ってきました。
2025年12月6日(土)15時開演
Classicのいろは2025 オーケストラで聴きたい!3大名曲選PART1
Vol.3 ロマンティックぴあニズムと円熟のオーケストレーション
(大阪交響楽団/指揮:寺岡清隆、ピアノ:牛田智大)
伊賀市文化会館(三重)
今年の牛田くんのショパンの聴き納めです。
コンサートで三重県を訪れるのは、これが初めて。
牛田くんは、2021年7月にも三重県文化会館でショパンピアノ協奏曲第1番を演奏していますが
私、チケットも取ってたし海の見えるホテルも予約してたのに
謎の体調不良で行けなかったんですよね…![]()
ファン友さん達と行こうと言っていた伊勢神宮に行けなかったのも残念だったけど
死ぬほど残念だったのは、牛田くんがアンコールで「英雄ポロネーズ」を弾いたと聞いたとき![]()
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残念死しそうだった当時の記事
さて、
三重県と言って私がイメージするのはこんな感じ。
・真珠島
・伊勢神宮
・鳥羽水族館
ほとんど知識がありません(;^_^)
忍者で有名な「伊賀」という場所が三重県だったということも、今回初めて知りました。
何か観光スポットがあるのかな、と調べてみたら
「伊賀流忍者博物館」というのがあって、忍者の衣装を着たり手裏剣飛ばしたりできるらしい。
娘にそれを言ったら
「ママ、おばさん一人で忍者体験とかヤバすぎるからやめてね」
さすがにそれはないわ~(;^ω^)
おばさん複数でもヤバいよね(ある意味面白いけど)
この日は全国的にいい天気。
東京駅の東海道新幹線の改札は、人でごった返していてなかなか進みません。
これ、時間ギリギリに来たら間に合わないヤツです![]()
名古屋駅から、初めて近鉄特急に乗りました。
おっ、この赤くてかっこいいのは特急「ひのとり」ですね。
私が乗ったのは、この二階建てのビスタカー。
伊賀神戸(いがかんべ)という駅で伊賀鉄道に乗り換えましたが、乗換時間が4分しかないのに電車が2分ほど遅れ、猛ダッシュしました![]()
見て!私が乗った電車は、女忍者くノ一。
松本零士さんのデザインだそう。言われてみれば、ちょっとメーテルっぽい。
車体は手裏剣模様。
はっ!目を凝らすとドアに忍びの姿が。
つり革の上の蛍光灯にも手裏剣のデザイン。
上野市駅で降りたのに、「忍者市」ですと?
コインロッカーの上にも忍者。
自販機も忍者。
駅舎まで!
駅舎前に巨大な苦無型手裏剣と小さな忍者の像。
どんだけ忍者なのー?!(≧∇≦)
…と思ったら、なぜか駅前にメートルと鉄郎。
伊賀市は松本零士さんの出身地?と思ったけどそうではなく、電車をデザインしたご縁のよう。
伊賀市は松尾芭蕉生誕の地だそう。
会場の伊賀市文化会館は、上野市駅から車で約10分。
本日のチケット、完売だそうです。
入口に指揮者の寺岡マエストロのパネル。
オケのメンバーの紹介も。すごーい、いろいろ凝ってる!
スマホで電子チケットを見せて入場しました。
手元に紙チケットがないと、入るまでちょっと不安です(^^;)
ロビーには、出演者宛てに書いたメッセージを貼れる、こんなボードもありました。
伊賀市文化会館(1181席)
(画像お借りしました)
ホールの後ろの方から足を踏み入れた時、ブルーのカーペットとオフホワイトの壁に、柔らかくぬくもりある印象を受けました。
舞台の上にはオーケストラ用の黒いパイプ椅子と中央にスタンウェイピアノ。
ピアノ椅子は今日も背もたれのあるタイプです。
プログラム
曲解説は指揮者の寺岡さんによるものです。
♪ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~
♪ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98
開演15分前から、寺岡清隆マエストロのプレトークがありました。
マエストロと牛田くんは、2018年9月と2024年8月に岡山で共演しており今回が3回目。
黒いスタンドカラーの衣装の胸にすみれ色のポケットチーフをのぞかせた寺岡マエストロ。
2023年に伊賀市文化都市協会音楽アドバイザーに就任されたそうです。
「伊賀市の人口は約8万人。
このホールの1階席が、その1%にあたる約800席。
その800席を埋めることを目標にしてきましたが、とうとう今日それが叶いました」
とのこと。
そして、
「今日は皆さまお待ちかねの牛田智大さんに、無理をお願いしてトークコーナーに登場してもらうことになりました」
おおっ、演奏前に牛田くんのトーク。珍しいですね。
拍手の中、ハンドマイクを持って牛田くんが登場しました。
今日も黒いスーツとTシャツです。
「本番前に無理をお願いしてすみません」
と謝るマエストロ。
最初の挨拶をする牛田くんの第一声を聞いて
「シブい声してますね」
と。
シブいというか、私には、朝から誰ともしゃべってなくて
今日初めて出した声みたいに聞こえました(笑)
「伊賀は初めてですか?」
「初めて昨日の夜着きました。朝になったらホテルの窓からお城が見えたりして。とても美しい場所です。」
あと、松尾芭蕉にゆかりのある土地ということも言っていたようですが、私聞き逃してました(^^;)
「今日演奏するショパンピアノ協奏曲第1番の聴きどころを教えてください」
「ショパンの曲というと、ロマンチックでセンチメンタルなイメージがあるかもしれませんが、ショパンのピアノ協奏曲は、ショパンが若い時に作られた曲なので、血の気が多いというか、様々な感情が盛り込まれています。」
あと、追憶とか思い出というようなことを言ってた気がしますが、すみません、うまくまとめることができませんm(__)m
短いトークをして牛田くんが退場すると
マエストロが
「今日演奏するショパンのピアノ協奏曲第1番もブラームス交響曲第4番も、どちらもホ短調の曲ではあるけれど、ピアノ協奏曲はショパンが20歳の時の作品で、ブラームス交響曲4番は52歳の円熟期のもの。それぞれに春と秋といった感じです。」
という話をされました。
オーケストラが登場しました。
そんなに大所帯ではない感じ。
登場した牛田くん。手には黒っぽいタオルを持っています。
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
滑り出した弦の音色が、艶を持つ茶色いなめし革のようで
よく分からないけど、ちょっと意外でした。
そして、歌い出したピアノは男性的な岩を連想させました。
だけど寂しい音色。
ぽつぽつと、岩の上に落ちて 黒く沁み込んでいく雨粒のよう。
悲しげに孤独を嘆いたかと思ったら
回転しながら急降下して
今度は激しく猛り狂う。
牛田くんがトークで言っていた「血の気が多い」とか「様々な感情が盛り込まれている」という通り
この曲の第一楽章は感情の移り変わりが激しくて、ショパンの頭の中が忙しい。
シューマンのソナタみたい。
めくるめく情緒の変化についていくのが大変。
ロマンチックな旋律にうっとりしていると
突然絶叫したりして
扱い方がよくわからない。
若さゆえの不安定さとでも言うのでしょうか。
シューマンと違うと思うのは
シューマンは無邪気に思いつくままに感情を吐露しているように感じるのに
ショパンはどこか閉ざしてる。
これ以上は立ち入ってほしくないテリトリーがあって
多感で繊細なこの人の核心になかなか近づけない。
あ、あくまでも素人の私の個人的な印象です(〃▽〃)
ショパンってシャイで恥ずかしがり屋だったと聞いているけれど
自分の死後、こんな風に散々分析されて
昔書いた日記や手紙まで世界中に公開されて
挙句の果てには手の像とかデスマスクとか心臓とか…。
(心臓は本人の希望だからいいのか)
私なら恥ずかしすぎて発狂しそう…。
あ、すみません、また話が逸れました(^^;)
小さな水たまりに反射する 午後の光のような第二楽章。
甘酸っぱい恋の切なさみたいな感情が、胸いっぱいに広がります。
どうぞと差し出したクラリネットの手を取って
寄り添うように踊る旋律のダンス。
綺麗な音色…。
ピアノも音響も、特に素晴らしいというわけじゃないはずのに
こんなに美しい音色が聴けるなんて。
なんて繊細なピアニッシモ。
いとおしさのさざ波がやがて大きく広がって
運河に映るオレンジ色の夕日のよう。
ショパン本人によると、第二楽章は「美しい春の夜の、月光を浴びながらの瞑想」なんだって。
何かを吹っ切ったように駆け抜ける第三楽章。
右手にタクトを持った寺岡マエストロ、あまり動きは大きくありません。
11月に牛田くんと共演した、ダイナミックでエネルギッシュな出口大地さんや太田弦さんとは対照的です。
だけど妙に牛田くんとしっくりくるような気もします。
派手さはないけど落ち着きと気品があって、誠実さを感じる安定感。
そんなところが共通してるのかも。
熱い。
なんか興奮して、体が熱くなってきた。
音楽が盛り上がり、力強いフィニッシュを迎えると、立ち上がってマエストロと握手。
客席から一人の女性が牛田くんの方に駆け寄ってきました。
一輪の真紅の薔薇を両手で差し出す彼女。
けれど牛田くんはコンマス、副コンマスと握手をしていて客席に背中を向けたまま。
やっと客席の方を向いたとき「ああ!」と彼女の存在に気が付いて
かがんで笑顔で受け取ったときは私もホッとしました。
カーテンコールでは、オケに手をかざしながら登場しました。
アンコールは、ショパンのノクターン17番。
力強く太い音色で 朗々と歌い上げました。
柔らかく すべてを包み込むように
鍵盤から立ちのぼる金色の粒子が、空気に混ざって溶けていくのが見えるよう。
ショパンが最後に作ったノクターン。
穏やかで 何かの境地に達したようなこの曲を
晩年のショパンはどんな想いで作ったのだろう。
この美しい曲を、なんて優しく魅力的に演奏してくれるんだろう。
不安定で血の毛の多い初期の作品よりも
こんな穏やかで円熟した曲が似合う気がする牛田くん。
初期の作品を作った時のショパンの方が、今の牛田くんの年齢と近いのにね。
彼の持つ静謐さや成熟した内面が
この作品の持つ内省的な静けさと合っているのかも。
ため息のように消えていく最後の音色…。
ドアの近くに立ったマエストロが
穏やかな微笑みを浮かべて聴いているのが印象的でした。
立ち上がり、深々とお辞儀をする牛田くんの口許が
「ありがとうございました」と言っているのがわかりました。
最後にマエストロと手を取り合って、胸に手を当てて笑顔で挨拶。
ありがとう。
今日も素晴らしかった!(T T)
後半のブラームスは
重々しい第一楽章
ピチカートのあとで、ヴァイオリンが本領発揮して歌い出す第二楽章
舞踏的で軽やかな第三楽章
トライアングルの登場が、涼やかな一陣の風のようでした。
曲調なのか、マエストロから受ける印象なのか
ずっしりと濃く 太く
5Bくらいの鉛筆を、なぜかずっとイメージしてました。
指揮台の上で、あまり大きな動きを取らないマエストロの靴は
眩しいくらいにピッカピカです。
第四楽章は…
すみません。肝心なところなのにちょっと忘れちゃいました(;^ω^)
時間の関係なのか、オケのアンコールはなく
マエストロが小さくバイバイと手を振って、舞台袖に消えていきました。
(つづく…)






























