行ってきました。

 

 

 

 

2025年11月23日(日)15時開演

日本フィル 第78回 杉並定期演奏会

名曲に宿るスラヴの魂

指揮:太田弦/ピアノ:牛田智大

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杉並公会堂のある荻窪といえば、そろそろ太田黒公園の紅葉が美しい季節。

 

 

早めに家を出て、公演前に見ていこうかと思いましたが、

 

私、なかなか腰の痛みが完治しなくて、今もこんなの飲んでるんですえーん

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ここはなるべく省エネモードで動くことにして、少しだけ余裕をもって家を出ました。

 

 

 

 

 

 

中野、高円寺、阿佐ヶ谷…

 

かつて荻窪に住んでいて、毎日中央線に乗っていた私は、電車の窓からの眺めが懐かしい。

 

 

今気に入っているドラマ、「じゃあ、あんたが作ってみろよ」も「ひらやすみ」も、このへんが舞台になっているんですよね。

(なんと、この2つの原作マンガの作者はご夫婦だそう)

 

高円寺は、なぜか毎年夏になると阿波踊りが開催され、阿佐ヶ谷は仙台みたいに七夕まつりが開催されます。

 

 

 

 

…と、のん気に窓の外を眺めていたら

 

荻窪駅を飛ばして次の停車駅が三鷹だというじゃないか!ガーンガーン

 

 

しまった。中央特快に乗ってしまったあせる

 

油断してた~ガックリ

 

 

 

まったく、毎日毎日自分にガッカリしない日がないわむかっ

 

 

 

 

 

 

 

荻窪駅からは、こんな親切な道しるべがいくつもあるので安心です。

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着きました。

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ここ杉並公会堂は、ウルトラマン生誕の地でもあるらしい。

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中央線停車駅のトートバッグだって!

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荻窪は、太田黒公園の入り口が。

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ちなみに、太田黒公園のライトアップ、今年も開催するそうですよ(11/28~12/7)

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本日のチケットは完売御礼。

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今日もファンからのお花。

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杉並公会堂(1190席)

 

 

 

(画像お借りしました)

 

 

白い天井と明るい色の木の壁。シンプルでスタイリッシュなシューボックスタイプのホールです。

 

 

 

ホールの上には黒い椅子が並び、中央にはスタンウェイ。椅子は今日も背もたれのあるタイプ。

 

 

 

 

 

 

 

プログラム

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♪ショパン:ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21

 

    ~ ~ 休憩 ~ ~

 

♪チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64

 

 

 

 

 

 

私は前日のみなとみらいで感じたぬくぬくポカポカの余韻にまだ浸っており

 

今日はいったいどんな感想を自分が持つのだろうととてもワクワクしていました。

 

 

 

 

 

オケの音合わせが終わり、舞台下手の分厚い扉が開くのを待ちながら

 

息を詰めて牛田くんの登場を待つ時間は、何度経験しても特別です。

 

耳をすませば、扉に向かって近づいてくる牛田くんの靴音が聴こえてくるような気がします。

 

 

 

 

爽やかに登場した牛田くん。衣装は今日もスーツとTシャツの黒牛田スタイルです。

 

 

昨日、気が付かないうちにマエストロが指揮台に上がっていると思ったら

 

舞台前方ではなく、オケの間を縫って登場していたんですね。

 

 

挨拶をして牛田くんがピアノの前に座ると、私の場所からは牛田くんの上半身はほとんど見えず

 

細い足と靴がよく見えました。

 

 

 

会場に来てから気付いたのですが、今日は前方2列までを張り出した舞台のため潰したようで

 

思っていたよりも前の席でした。

 

 

なので昨日のポカポカとも違うし、いつもの指が見える席とも違うし

 

指はもちろん、牛田くんの様子もわからなければ

 

客観的なピアノの音色もよくわからず

 

大きく響くピアノの音を全身で浴びるような感覚でした。

 

 

 

いつもとまったく違う視点のせいか、オーケストラの様子がよく分かり

 

今回は新しい発見だらけでした。

 

 

 

 

第一楽章は、秋の枯れ葉のよう。

 

 

たっぷりとためて、情感豊かに歌い上げるピアノのパッセージ。

 

 

指の動きが見えないだけに

 

生きた人間が

 

たった10本の指が

 

この美しい音楽を生み出していることが信じられない気がしました。

 

 

黒いシルクハットから鳩や花束が飛び出すように

 

黒いピアノの巨体から飛び出す魔法のような音の宝石。

 

 

 

ロマンチックに愛を奏でていたピアノが激しさを増し

 

徐々に感情をむき出して落ち葉を巻き込み竜巻になって

 

どすんと勢いよく地面に着地すると

 

オーケストラがその振動を受けた余波のように砂埃を上げて歌い出す。

 

 

 

ピアノとコントラバスが、同じ音で合唱してる。

 

ピアノの左手が、ユニークな独り言をつぶやいている。

 

ヴァイオリンのメロディのバトンを受けて、今度はビオラが歌ってる。

 

 

何度も聴いている曲なのに、初めて聴いているみたい。

 

 

 

 

 

 

 

第二楽章は、牛田くんのトリルが本当に絶品でした。

 

 

小鳥の水浴びのように繊細で

 

猫が喉を鳴らすように愛らしく

 

起き上がりこぼしみたいに心地よい。

 

 

 

ギザギザと小さな摩擦を繰り返す弦楽器。

 

 

ピアノはやがて地鳴りのように低くうなり

 

雷鳴のように叫び声をあげ

 

 

訪れる穏やかな雨上がり。

 

 

 

 

こんなイメージばかりを思い浮かべているけれど

 

ふと、これを楽譜として視覚で捉えたらどんなだろう?と思いました。

 

全然違う世界をイメージするのかな…?

 

 

 

 

今日の午前中、家を出るまでの時間

 

ずっと楽譜を綺麗にしてました。

 

 

実家から持ってきた姉の遺品です。

 

火事で焼けてしまったものもあるけれど

 

表紙の煤(すす)を綺麗にすれば、まだまだ使えそうなものもありました。

 

何度も拭いて、キャリーケースに詰めて、何往復もして運んできたんです。

 

 

なかなか手が付けられなかった おそらく100冊以上あるその楽譜をの整理を、やっと最近始めました。

 

ピアノの楽譜だけでなく、管楽器やヴァイオリンの楽譜や教本もありました。

 

 

私もピアノを習っていたことはあるし、吹奏楽もやっていたので、楽譜を読めなくはないのだけれど

 

パラパラとページをめくると並んでいるたくさんの音符は

 

私にとって、秘密の暗号のように見えました。

 

 

この黒い記号が音楽になるって

 

よく考えると、とっても不思議です。

 

 

 

 

すみません、話がそれました。

 

 

 

 

 

初めて聴いたとき、この世にこんなにも美しい音楽があったのかと感動したショパンピアノ協奏曲第2番の第2楽章。

 

牛田くんの演奏で、こんな至近距離から浴びるようにして聴いているなんて

 

ちょっと幸せすぎてクラクラしました。

 

 

2年前の6月、サントリーホールで同じような席に座り

 

視界が真っ黒だと絶望したあの時の自分は、なんて傲慢だったんだろう。

 

 

 

 

 

 

第三楽章は春の兆し。

 

どこか物悲しく、愁いを帯びたマズルカのリズム。

 

牛田くんの両足が、軽快にペダルを踏みこんだり離したりしています。

 

 

弦の上で弓が跳ねる、ささやかな躍動。

 

異なる楽器が手を取り合うようなハーモニー。

 

 

いろんな思いが溢れてくるけれど

 

言葉で表現しようとすればするほど

 

かけ離れていくような気がします。

 

 

ああ、この楽器は、こんな役割をしてたのね!

 

右手と左手が、こんな内緒話をしてたのね!

 

今日は最初から最後まで、新しい発見ばかり。

 

 

楽しい!

 

 

 

 

 

演奏が終わると、今日もブラボーの声が上がりました。

 

 

ピアノの陰で見えなかったけれど

 

牛田くんがマエストロに歩み寄り

 

互いに手を取って讃え合っているのが分かりました。

 

 

 

 

 

 

 

アンコールは、昨日と同じくショパンのノクターン17番。

 

 

慈愛に満ちたその音楽に包まれていたら

 

 

今日も実家の庭を思い出し

 

施設の母を思い出し

 

姉の楽譜を思い出しました。

 

 

姉が音大の時に使っていたヴァイオリンの教本に

 

筆圧の弱い姉の小さな文字が書き込んでありました。

 

 

表紙の煤をすっかり拭き取ると、息を吹き返したように見えた楽譜に向かって

 

「熱かったよね。怖かったよね。ごめんね。」

 

と、心の中で声をかけながら拭きました。

 

 

再び誰かの手に渡り、音楽を奏でる日が来ますように…。

 

 

 

優しいノクターンの音色に

 

「我慢しなくていいんだよ」

 

と言われた気がして

 

思わず涙が出てしまった…。

 

 

 

すべての澱を洗い流してくれるようなピアニッシモ。

 

 

終わらないで。

 

消えないで。

 

 

 

ああ、今日も

 

ありがとう。

ありがとう。

ありがとう。

 

 

 

消えゆく音をそっと看取るように

 

牛田くんの足がペダルから離れました。


 

 

 

 

 

カーテンコールで舞台袖から歩いてくる牛田くんの姿を見て

 

精悍な顔つきになったなあ、としみじみ思いました。

 

 

正面に、2階席に、サイドや後ろの席に

 

胸に手を当てて、深々と丁寧なお辞儀をする牛田くん。

 

 

 

拍手をしながら

 

「ありがとう!」

「最高!」

 

と、ずっと心の中で叫んでました。

 

 

 

2回目のカーテンコールには太田さんも一緒に出てきましたが

 

年下の牛田くんの方が年上に見えました。

 

 

 

 

 

休憩時間に、スタッフに交じってピアノを移動する人の中に

 

調律師のイケオジ佐々木さんの姿がありました。

 

 

やっぱり昨日も今日も佐々木さんだったのね!

 

今日は近すぎて客観的な音が分からなかったけど

 

昨日の横浜も、とっても綺麗な音色だったから。

 

 

 

 

 

 

指揮台が少し前方に移動して、手すりがつきました。

 

 

太田弦さん、今度はオーケストラの間ではなく、舞台前方を通って指揮台にあがりました。

 

 

 

 

チャイコフスキー 交響曲第5番。

 

 

ピアノが端に移動して、さえぎるものががなくなると

 

目の前にあるのは、ものすごく贅沢な光景でした。

 

 

両手を広げるマエストロの後ろ姿とオーケストラ。

 

P席の客席。眩しいくらいの照明。

 

 

 

ショパンに続き、チャイコフスキーも新しい発見だらけでした。

 

こんな仕事を

 

こんな掛け合いを

 

こんなリレーを

 

オーケストラはしていたのか!

 

 

そして、指揮をする太田さんの後ろ姿がとにかくかっこいい!

 

 

今まで本当に、指揮の「型」のようなものがよく分からなかったのですが

 

そういうことではなく、こういうことだったのか!と。

(うまく言えません。すみませんm(__)m)

 

 

一見気功のようにも見えるけど、指揮って超高度なコミュニケーションだったんですね。

 

 

小柄な方なのに、全身を使ってダイナミックに動く後ろ姿は

 

とっても大きく神々しく見える。

 

 

楽章が終わるごとにメガネをはずして汗を拭き

 

オケに向かって小さくお辞儀をする姿は、ちょっとコバケンさんみたい。

 

 

音楽やオケに対するリスペクトが感じられるところも素敵だし

 

年よりずっと若く見えるこの方の笑顔も可愛らしい。

 

 

 

 

 

昨日の演奏で、第二楽章のあったかい毛布にくるまれて幸せだったので

 

今日もくるまれる気満々だったのですが

 

ふくふくとホルンが奏でた美しい主題をクラリネットやオーボエが柔らかく受け継いで

 

やがて弦楽器に広がる曲の構成に感心していたら

 

毛布にくるまれる暇がありませんでした。

 

 

 

 

ワルツの第3楽章はかっこよく終わり

 

勇ましい第4楽章は、待ってました!の大団円。

 

後半の迫力あるメロディの時、右の方を向いたマエストロが大きく口を開けて歌っているのが見えました。

 

 

第4楽章には、今まで登場した様々な要素が盛り込まれていて

 

映画「ターミネーター2」のラストシーンで、溶鉱炉に溶けていく液体金属のライバルが、それまで自分が変身した人物の姿に次々と変化しながら沈んでいく姿を思い出しました。

 

 

 

正直、私にとって、今まで前半のピアノ協奏曲が終わると力が抜けて

 

後半のオーケストラの演奏は添え物のような感覚がありましたが

 

こんなに楽しみながら熱をもって堪能したのは初めてかもしれません。

 

 

 

ベタだろうが、田舎臭かろうが、やっぱりチャイコフスキーが好きだな。

 

 

同性愛者だと言われていた彼が、もし多様性の現代を生きていたら、どんな音楽を作ったのだろう。

 

もしもショパンが病弱ではなく、健康優良児だったら…。

 

もしもベートーヴェンの耳に疾患がなかったら…。

 

 

もしかしたら芸術は、不安や絶望、悲しみや怒りなど、表立ってなかなか表現できないネガティブ要素があるからこそ生まれるのかもしれませんね。

 

 

 

 

あ、すみません。また脱線しちゃいました(;^ω^)

 

 

 

マエストロが客席に向かい微笑んで「もう1曲」と言うように人差し指を立ててみせました。

 

アンコール曲は昨日と同じ、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」よりワルツ。

 

 

 

パンジーみたいに、丸い花びらを持つ花が

 

ポン!ポン!と音を立てながら次々と花開いていく感じ。

 

 

ああ、幸せ~!照れ

 

 

 

 

マエストロは、最後にもう一度登場して

 

客席に向かってニッコリ笑いながら

 

「もうこれで終わりですよ」

 

と言うように、譜面台の上の分厚いスコアをパタンと閉じました。

 

 

いちいちチャーミング(≧∇≦)

 

 

カラスの羽根のように黒々とした襟足の髪も汗で濡れています。

 

すごいエネルギーの消費量だと思います。

 

演奏会終わったら、何キロか痩せてるんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

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終演後、ホール前の大きな木のライトアップが綺麗でした。

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クリスマスツリー   クリスマスツリー   クリスマスツリー   クリスマスツリー   クリスマスツリー

 

 

 

 

コンサート情報です。

 

 

 

2026年3月1日(日)14時開演

リサイタル

小山市立文化センター 大ホール(栃木)

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さすがに牛田くん、過密スケジュールすぎないかと…汗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(^-^)ノ~~