今年初めての牛田くんの演奏会に行ってきました。
2026年1月10日(土)14時開演
都響グランクラッシックス
モーツァルト&ドヴォルザーク 名曲のニューイヤー
(指揮:ジョシュア・タン/ピアノ:牛田智大)
かつしかシンフォニーホールヒルズ モーツァルトホール(東京)
今年初めて牛田くんの演奏を聴ける嬉しいこの日
冷蔵庫で去年の11月から眠らせていたヒヤシンスの球根をデビューさせました。
最初は暗くて涼しい場所に置いて、根がしっかり伸びたら明るい場所に移すんだって。
ということで、最初は玄関に。
小学校低学年の頃、ヒヤシンスの水耕栽培をやったような気がしなくもないですが、
ほとんど記憶もないし、たぶんあの頃は「成長を楽しむ」とか「花を愛でる」というよりは、宿題的な感覚だったような気がします。
なので、私にとっては初めての水耕栽培。
どんな花が咲くのかな?楽しみです![]()
去年はほとんどショパン一色だった牛田くんのモーツァルトを聴くのは久しぶり。
ここ数年は、モーツァルトのコンチェルトを弾いても20番、24番と短調の曲ばかりでした。
2015年10月30日、16歳になったばかりの牛田くんはサントリーホールで『戴冠式』を演奏しています。
それも、病気療養中の中村紘子さんの代役で。
今回、約10年ぶりの演奏となります。
↓その時の記事
そう。私は確かに『戴冠式』を聴いたし、それにむけて予習もしたし、当時のサントリーホールの雰囲気も、売店で何を買ったのかも思い出せるのに
肝心の『戴冠式』が どんな曲だったのか思い出せません😓
つい最近聴き始めたのは、2月末から牛田くんがリサイタルで演奏するブラームOp.116~119。
家事をしながらこれらの曲を聴いてみたら、3年前の春、幾度となくブラームスやシューマンの この蒼い音楽に包まれ翻弄されたことを思い出し
懐かしくて嬉しくて、ブラームスソナタ3番とシューマンソナタ1番を最初から全楽章聴いてしまった(〃▽〃)
ああ、早く牛田くんのブラームスが聴きたい!
結局『戴冠式』は、試験前の一夜漬けのように前の夜一度だけ真央くんの演奏で聴きましたが
なんか、まるで初めて聴くような感覚…(^^;)
ま、仕方ないか。10年前に一度聴いただけだしね。
新鮮な気持ちで聴くことにしよう。
ところで私、ちょっと困ったことが。
年末年始、マフラーを忘れた娘にストールを貸し与え
スースーした首で京都の街をうろついた結果風邪をひき
以来ずっと鼻の調子がよくなくて、行きつけの内科に年末の血液検査の結果を聞きに行ったついでに先生にお薬出してもらおうと思ってたんです。
症状を伝えると、「副鼻腔炎の可能性があるから耳鼻科を受診した方がいい」とのこと。
なので、耳鼻科を受診しました。
いくつか耳鼻科は知ってるけれど、時間がもったいないので歩いて行ける一番近いところに。
最後に行ったのは娘が小学生だった10年以上前。
先生は昔よくいた威張った感じのおじいちゃん先生で、待合室に置いてある「のだめカンタービレ」の漫画を読みたくて、鼻炎の娘を連れてせっせと通った記憶が(^^;)
近所とはいえ、めったに通らない道にある耳鼻科がまだ存在してるのか、おじいちゃん先生が健在なのか、少々不安ではありましたが
果たして耳鼻科も先生も健在でした。
待合室を改装したらしく、漫画コーナーはなくなっているのに、なぜか小さなブラウン管のテレビだけがぽつんと置いてありました(笑)
相変わらず圧の強い先生が私の鼻の穴を診てすぐに「これは風邪じゃなくてアレルギーだね」と。
アレルギーの薬の処方箋と、時々鼻をかむと血が混じってる言ったせいか、鼻血用の丸いコットンも出してくれて、もし鼻血が止まらない時にはちぎって鼻につめて小鼻を10分抑えるようにと助手の方から説明を受けました。
「いえ、鼻血は出ないんですけど…」
と言ったら先生にムッとされたので、使わなそうなコットンももらってきました。
しかし私は処方箋の薬を薬局にもらいに行くのを2日続けて忘れ、なんと前日の夜本当に鼻血が🩸
当日は朝から鼻水・クシャミが止まらなくなり、喉がムズムズして咳までちょっと出始めました。
これは大変!10時の薬局の開店を待って、やっとお薬をもらいに行きました。
薬剤師さんの説明では、副作用として眠気が出る場合がありますとのことだけど、演奏中に咳やくしゃみ、鼻水すすったりして騒音出すより全然マシ。
それよりも、きっと血管弱くなってる今の私の鼻の内壁。
今年初の牛田くんを見て、興奮して流血したらどうしよう…。
ということで、耳鼻科でもらったコットンをそっとバッグにしのばせていきました。
(ちょっと可愛いコットン)
でもこれ、いつどのタイミングで鼻に入れたらいいんだろう?逆に目立つんじゃ…?(;^ω^)
(どうでもいい情報ですが、私の田舎では、鼻血が出た時にちぎって丸めて鼻に入れるティッシュの栓を「ぼっちょ」と呼んでました)
新年早々、品のない話を長々とすみません m(__)m
この日は天気はいいけど風が強くて寒かった。
電車に乗ったらさっそく薬の副作用なのか眠くなってきました。
同じ都内とはいえ、葛飾界隈は日ごろめったに足を運ばないエリアです。
乗り慣れない都営浅草線に乗ったら、スカイツリーのある押上駅でたくさんの人が降りました。
会場最寄りの青砥(あおと)駅の駅前には、楽器を奏でる天使とヴァイオリンを弾くヨハン・シュトラウスの像の「ワルツの塔」。
何度も来てるし地図アプリも使ってるのに道に迷いました![]()
方向音痴の私、地図アプリの見方がどうしても苦手です![]()
親切な電気屋さんのご夫婦に教えてもらってたどり着いた かつしかシンフォニーヒルズ。
建物の前にはモーツァルトの像。
今日は、モーツァルトホールで牛田くんのモーツァルトを聴くんですね(*^^*)
プログラムと一緒に渡されたチラシの中に、3月の牛田くんの茅ヶ崎と八ヶ岳のリサイタルのものがありました![]()
かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール(1318席)
(画像お借りしました)
明るい色の木の床と壁、白い天井から吊り下がるシャンデリア、赤い座面のシート
モーツァルトのイメージにピッタリのホールです。
舞台の上には黄色い椅子と背もたれのあるピアノ椅子がいくつか並び、木管楽器やティンパニーが音出しをしていました。
プログラム
♪モーツァルト:歌劇『劇場支配人』序曲 K.486
♪モーツァルト:ピアノ協奏曲 第26番 ニ長調 K.537≪戴冠式≫
~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~
♪ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95 B.178 ≪新世界より≫
新しい年の始まりに聴く『戴冠式』と『新世界』。
なんてニューイヤーコンサートにピッタリの選曲なんでしょう!
オーケストラが舞台に登場しました。
コンマスの男性の、目の覚めるようなスカイブルーのネクタイが印象的でした。
そして登場した指揮者のジョシュア・タンさん。
白い蝶ネクタイと白いベスト、燕尾服に身を包んだマエストロは
髪に白髪が混じり、柔らかく親しみやすい表情を浮かべたイケメンです。
背が高く、とってもスタイルのいい素敵な人でした。
モーツァルト:歌劇『劇場支配人』序曲
このところ私が聴いてきたコンチェルトのコンサートは、序曲的な曲がなくピアノ協奏曲から始まるものがほとんどだったので
序曲から始まる演奏が新鮮でした。
プログラムによると、一癖も二癖もある受験者のオーディションを劇場支配人がこなしていくという筋立ての音楽劇の序曲とのこと。
リズミカルで明るく軽快な音楽に、「さあ始まるぞ!」と気分が高揚しました。
あっという間に序曲が終わり、舞台奥から男性が3人がかりでピアノを中央に運んできました。
あ、佐々木さんだ!
やった!今日の調律は佐々木さんなのね。
ならばきっと、牛田くんの意向を十分に汲み取った極上のモーツァルトの音色に仕上げてくれていることでしょう。
ピアノはスタンウェイ、そして背もたれのある椅子でした。
音合わせが終わり、牛田くんが登場しました。
スーツの下に黒いTシャツ。
とてもすっきりした印象です。
そのすっきりした印象は、彼の髪や襟元からだけではなく
ずっと背負っていた重い荷物を降ろしたような
重いコートを脱ぎ捨てたような
解放されたような軽やかさがありました。
モーツアルト:ピアノ協奏曲 第26番 ≪戴冠式≫
軽快なオーケストラの演奏で始まりました。
弦の音色が奏でる明るくかわいらしく上品なメロディ。
やっぱりモーツアルトは長調だよね。
あれ…?夕べ聴いた真央くんの曲となんか違う?
(あとで気づきましたが、私が聴いてたのは『戴冠式』ではなく、ピアノ協奏曲第23番でした
)
聴き入るようにピアノの前に座っていた牛田くんが両手を上げて
紡ぎ出されたピアノの音色は、まさにモーツアルト!
なんて素敵な音色。
一音一音が美しい輪郭を持って
余韻を残さず短めに
キラキラというよりも、コロコロと ホロホロと
楽し気に転がる丸い音。
小鳥のさえずりのようで
天使のおしゃべりのようで
オケと仲良く対話しながら 鍵盤の上を滑るように白い指が踊ります。
曲によってはほとんど目をつぶっているように見える時もあるのに
今日は鍵盤をしっかり見つめいます。
集中している時の牛田くんの癖で、口許から桃色の下がのぞいているのが見えました。
カデンツァは第一楽章の最後の方にありました。
今回演奏したカデンツァが、誰のものなのかは分かりません。
こんな表現をするのはとてもおかしいけれど、この時私がイメージしたのは
最初は小学校に入ったばかりの1年生が、おうちに帰って国語の教科書を音読し
やがて、中学生、高校生へと成長し
受験に向けてラストスパートをかけ
全力を出して本番に臨み、ゴールテープを切る。
こんな光景でした。
第二楽章が始まる前、マエストロと視線を合わせたのでしょうか。
口許にかすかに微笑みを浮かべました。
第二楽章は、音色が「コロコロ」から、やや抑えめの「きらきら」に変わりました。
楽し気に歌うピアノの音色を、なぞるように追いかけて歌うオーケストラ。
気品を湛えて朗らかに歌うピアノの音色はシャンパンゴールド。
ピアノの下から、肩幅くらいに開いて立つマエストロのすらりとした二本の脚が見えました。
来た来た、春が来た。
そんな風にワクワクする第三楽章。
再びホロホロと心地よく転がる音色。
モーツァルトの音楽を季節にたとえるなら、やっぱり春。
のだめはモーツァルトはピンク色だと言っていたけれど
私のイメージでは黄色かきみどり色。
たんぽぽのようで そよ風のようで
ショパンのコンチェルト第1番の第三楽章のように弾けるような生命力というよりも
どこか控えめで、女性的な春。
日の当たる明るい場所の合間に
ときどきクローズアップされる日影の場所。
光に透けるかげろうの羽のような繊細なトリル。
途中、ちょっと不思議な感じのする ごく短いカデンツァ(?)がありました。
再び均衡を取り戻し、一緒に歌うピアノとオーケストラ。
楽しそうに上体を揺らし
かかとを床につけたまま、つま先を上下に動かしリズムを取ってる牛田くん。
音楽と共に この光景に、とっても幸せな気持ちになりました。
感心するほどよく動く指。
一音たりともおろそかにせずに磨き上げられた粒ぞろいの音。
品格を感じる均整の取れた音楽は
年の初めの浮かれた祝賀ムードというよりは
自分を律して新たに踏み出す第一歩のよう。
あらためて、成熟した彼の演奏を聴くと
10年前、楽し気に軽々演奏しているように見えた16歳の牛田くんは
本当は押しつぶされそうなほどの大きなプレッシャーと闘っていたのではないかと
今さらながらちょっぴり胸が痛くなりました。
ドラマチックになりすぎず、心地よく終わった今日の『戴冠式』は
「栄光の頂点」というよりも「責任を引き受ける瞬間」のように感じて
自然と背筋が伸びるような気がしました。
ああ、素晴らしい演奏でした!
立ち上がり、マエストロと両手で握手する牛田くん。
マエストロのあたたかな表情から、心底ソリストを讃えているのを感じました。
そういえば、私、鼻のことをすっかり忘れてました。
よかったー、鼻血ブーにならなかった(^▽^;)
アンコールは、シューマンのトロイメライでした。
「初心」という意味もあるのかな…?
今日のピアノにとても合っていて
解き放たれたような自由な音色が、どこまでも遠くへ伸びていきました。
鍵盤を抑えたままの指と、高く持ち上がった長い指が ゆっくりとじゃれているようで
まるであやとりをしているようにも見えました。
マエストロとお互いを讃え合い、手をつないで笑顔でご挨拶。
180センチほどありそうな長身なマエストロと、ほとんど背の高さが変わらない牛田くん。
彼が深々と頭を下げた時、心の中で祈りました。
今年一年が、牛田くんにとって佳い年でありますように。
休憩後の新世界は、気楽な気持ちで聴きました。
右手にタクトを持ったジョシュア・タンマエストロ。
ほどよくダイナミックだけれど、クセがなく圧を感じない指揮です。
シンガポール出身の指揮者って、ちょっと珍しいですよね。
時々横を向いた時に表情が見えましたが
明るくあたたかな表情をしています。
なんというか、音楽に対する謙虚さと真心のようなものを感じます。
このマエストロを見ながら演奏する人たちは、みんな萎縮したりせず、穏やかで幸せな気持ちになるんじゃないだろうか。
髪は白髪交じりでグレーだけど、ロマンスグレーとかイケオジというにはお顔がかわいらしくて若々しい。
そして、細すぎずバランスの取れたスタイルの良さ。
『新世界』自体は、もう何度も聴いているので、格別新鮮な印象はありませんでしたが
第三楽章で鳴り響いたトライアングルの音が
昔の電話の音のようにも 目覚まし時計の音のようにも聴こえ
今度も私は新年と結び付けて、新たな一歩を踏み出す目覚めの音のようだと思いながら聴きました。
薬の副作用で眠くなることもなく、鼻炎の症状もまったく出なかったので
ホッとして、「お薬、ブラボー!」と思いました(笑)
演奏が終わると、マエストロは胸に手を当ててお辞儀をし
両手を胸の前で合わせて何度も小さくお辞儀をしました。
見た目だけだと日本人や中国の人のように見えるのに
こんなあたたかく親しみやすい仕草を見ると、シンガポールの人という気がしました。
華美に盛り上がる感じとはまた違い
私にとって、「今年もちゃんと生きよう」と、
書初めでもしたためたくなるような良い演奏会でした。
…めっちゃヘタクソですけど(;^ω^)
こちらからは、以上です。














