前記事の続きです。

 

 

 

 

 

 

2日目の朝

 

 

ホテルの大浴場で、サウナと水風呂を3往復しました。

 

スッキリ!キラキラ

 

 

 

テレビをつけると、地元のトーク番組で、ゲストの王林ちゃんがしゃべってました。

 

そういえば、青森と違って、宮城の人ってあんまり訛ってないですよね。

 

 

 

今日も気持ちのいい秋晴れです。

 

 

 

 

 

 

昨夜は終演後、まだ会場でチケット販売していたので

 

本日17:15からのニュウニュウが出演する演奏会のチケットを買いました。

 

 

その前の前田妃奈さんのも買っていたので

 

今日は№51、№52、№27の3つのコンサートをはしごする予定照れ

 

 

昨日隣に座った年配の女性は、この3日間で8~9個のコンサートに足を運ぶとおっしゃってました。

 

クラシック好きの地元の方達にとって、せんくらは本当に心浮き立つイベントですね。

 

 

 

1つ目の№51が午後2時15分からだったので、ホテルをチェックアウトして今夜泊まるホテルに向かいました。

 

本当はお気に入りのこのホテルに連泊したかったけど、土曜の夜は3倍近くに値段が跳ね上がってたんです泣くうさぎ

 

なので今夜は、頑張って探したリーズナブルなホテルに泊まることに。

 

旅に出ても、食事より空間重視の私にとって、ホテルはかなり重要ポイントですが、今日のところは仕方ありません。

 

 

 

まっすぐ続くアーケードの商店街を、ガラガラと荷物を引いて約20分。

 

たどり着いたホテルのフロントに荷物を預け、とあるカフェを探してみました。

 

 

 

仙台には、カフェモーツァルトというカフェが3つあるそうなんですが

 

4年前、たまたまそのうちの2つに行ったんです。

 

 

1つ目は、羽生結弦さんの聖地、国際センターの駅の上。

 

 

 

 

2つ目は、四半世紀ぶりに再会したペンフレンドに案内されて。

 

 

どちらもそれぞれ、とっても素敵な空間でした。

 

 

偶然かと思っていたら、どうやら繋がりがあって、音楽ツウの間では「3つのカフェモーツァルト」として知られているようです。

 

 

 

ならば、残りの1つにぜひとも足を運んでみたい。

 

調べてみたら、今日泊まるホテルのすぐ近くにありました。

 

 

 

 

ここですね。ちょっと美容院の看板風。

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ビルの階段を上がって、3階にあります。

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中は広々。アンティーク調の心地よい空間。

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古いピアノと色褪せた楽譜。店内にはモーツァルトが流れています。

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モーツァルトのコンチェルト5番かな?

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人気メニューのグリーンカレーをいただきました。

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うん、美味しい♡

 

 

まだ早めの時間だったので、食後にコーヒーもいただいて、しばらくゆったり過ごしました。

 

 

 

 

 

 

 

店を出て、仙台の街を散策。

 

 

あちこちに素敵なカフェ。「Waltz(ワルツ)」って書いてある。

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伊達政宗像の前でサックスを吹く、BLUE GIANTのマンホール。

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仙台出身の主人公が、世界一のサックスプレイヤーを目指す漫画なんだって。

 

 

 

 

 

 

こちらは仙台七夕まつり。

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仙台で何度か見かけた青くて小粒の加工用いちじく。

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砂糖で甘く煮詰めたいちじくの甘露煮は、宮城の郷土料理なんだって。

 

 

 

 

 

 

パネルの前には仙台の顔、羽生くんとサンドウィッチマン。

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地下鉄で2駅分歩きました。

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道路が広くて緑が豊富。仙台の街って本当に素敵。

 

秋の晴天もあいまって、どんどん歩きたくなります。

 

 

 

 

 

 

一日乗車券を購入し、地下鉄に乗って会場へ。

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電車の中では、隣の人も、向かい側に座った人も、せんくらのパンフレットを眺めています。

 

 

なんか、いいなあ…照れ音符

 

 

 

 

 

 

昨夜も訪れた、イズミティ21。

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まず向かったのは公式グッズ売り場。

 

ちょうどジムで着るTシャツが欲しかったんです。

 

 

背中に「sencla」のロゴが入った、せんくらオリジナルTシャツを買おうと思っていたのですが

 

デザインが素敵だったので、胸に楽譜がプリントされたものを買いました。

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Symphonie No.9。ベートーヴェンの第九ですね!

 

 

 

 

 

 

本日最初に来た演奏会はこちら。

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トイレ、よし!

 

オペラグラス、よし!

 

 

うん、今度はばっちりです照れ

 

 

 

 

 

昨日は気づかなかったけど、アナウンスの前に美しいメロディが流れました。

 

せんくら20周年を記念して、オリジナル予鈴を作ったと、パンフレットに書いてありました。

 

 

 

オーケストラが登場しました。

 

第一ヴァイオリンとクラリネットに、ロマンスグレーの外国人のイケオジがいます。

 

美しいコンマスは、今日は襟ぐりの大きく開いたドレス。

 

 

ほぼ同時に登場した前田妃奈さんと太田弦マエストロは

 

にっこりもちもちした雰囲気がよく似ています。

 

 

 

 

妃奈ちゃん(敢えてそう呼ばせてもらいます)は、シルバーとゴールドの模様のドレスを着てました。

 

黒髪サラサラのショートボブ。右の耳の上に白い髪飾りをつけてます。

 

 

陽の空気をまとった彼女が登場すると、舞台がワントーン明るくなったような気がしました。

 

 

 

 

サン=サーンス:序曲とロンド・カプリチオーソ

 

 

ニッコニコの笑顔だった妃奈ちゃんは、ヴァイオリンを構えた瞬間、厳しい表情になり

 

超男前に変身しました。

 

 

 

カッコイイ!

 

ストラディバリウスから紡ぎ出されるキレのある音色。

 

 

この本物感。最上級のステーキみたい。

 

 

伸び伸びと 生き生きと 重厚に

 

身体全体が音楽になって躍動しています。

 

 

太田マエストロの指揮も、美しいコンマスも見たかったのに

 

このとてつもないソリストのエネルギーから目が離せない。

 

 

フルートが旋律を奏でるシーンでは

 

振り返ってフルートの方に体を向けて大きく体を揺らしてる。

 

オケを牽引しています。

 

 

親しみやすいキャラに、うっかり騙されるところだった。

 

この人は、超一流のヴァイオリニスト!

 

 

 

 

 

 

待ってました! ツィゴイネルワイゼン。

 

 

華やかで、情熱的で、勇ましくて

 

ヴァイオリンを習ったことのある人なら、一度は憧れる曲ではないでしょうか。

 

 

 

いやもう、凄いなんてもんじゃない。

 

ほぼ妃奈ちゃんの独壇場。

 

 

針に糸を通すような細く切れ味鋭い音色。

 

いったいどうやったらこんな音にたどり着けるの?

 

 

 

 

ヴァイオリニストの演奏を、耳で聴いているというよりも

 

圧倒的なエネルギーの流動を、体全体で目の当たりにしている感じ。

 

 

今まで私が知っていたヴァイオリニストの誰とも違う。

 

この唯一無二の存在感は何?!

 

 

前田妃奈さん、いい意味で化け物です。

 

 

 

 

 

ピアノ協奏曲の時と違い

 

オーケストラ全体がよく見えます。

 

 

ひな壇中央のティンパニーを頂点に

 

シンメトリーに広がるオケの配置の美しさ。

 

 

 

 

 

登場した時はサラサラだった妃奈ちゃんの髪は、シャワーを浴びたように濡れてます。

 

きっとものすごいエネルギーを消費しているに違いない。

 

 

ただもう、妃奈ちゃんの求心力に、圧倒されました。

 

 

牛田くんとデュオ・リサイタルを行うパートナー。

 

どちらもそれぞれ優れた演奏家ですが

 

陰と陽。タイプはまるで対照的。

 

 

このお二人が、どんな音楽を創り出すのでしょう?

 

今夜の演奏会が楽しみです。

 

 

 

これで2500円。せんくらって、お得~!キラキラ

 

 

 

 

 

 

続いては、ギターの福田進一さん。

 

青空のようなブルーのシャツを着て登場しました。

 

日に焼けた肌と白い髪に、ブルーのシャツはよく似合います。

 

 

重厚なイメージのオーケストラの中に、カジュアルなイメージのギターがあるのが不思議な感じ。

 

 

ピアノやヴァイオリンだけじゃなく、いろんな楽器がオケとコラボしたら楽しいかもね。

 

尺八協奏曲、オカリナ協奏曲、ハーモニカ協奏曲…。

 

 

 

…と、妄想していると、音楽は西部劇っぽい雰囲気に。

 

 

舞い上がる砂埃

 

スウィングする酒場の扉

 

木のカウンターを滑ってくるウィスキーのショットグラス…。

 

 

ハッ、イカん。また妄想を繰り広げてしまった…(^^;)

 

 

 

 

たまにはギターもいいね。

 

圧がなくて、これはこれで心地よい。

 

 

 

 

 

 

 

 

近くのお店で早めの夕飯を済ませ

 

次に向かったのは本日2つ目のこちらの演奏会。

 

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思いがけず、初ニュウニュウ牛です(≧∇≦)

 

 

…というか、凄くないですか?たった1時間でこのプログラム。

 

ニュウニュウって、作曲もしてたのね!

 

しかも、よく見たら上野耕平さんの名前もあるではないか!なんて欲張りな演奏会。

 

 

 

 

 

ホールに入ると、舞台中央にスタンウェイが置かれ、ひな壇の上には椅子や譜面台が一ヶ所に寄せてありました。

 

 

ニュウニュウ登場!

 

真っ白なタキシードを着ています。

 

エナメルの靴は真っ黒でピカピカ。

 

背が高い!手足が長い!

 

ピアノの前に座ると、ちょっと窮屈そうでした。

 

 

大人になったなあ…。

 

 

牛田くんと年も近く、幼くしてデビューしたニュウニュウは

 

私の中ではちょっと前までこのイメージでしたよ。

 

 

 

舞台に登場した彼は、すっかり大人でスターのオーラ。色気すら漂ってます。

 

 

私も老いを感じるわけだ…👵

 

 

 

 

1曲目から3曲目までを聴いて

 

うーん、よく分からないけど、あんまり好みじゃないかも…。

 

 

同じ曲で聴き比べたことがないから分からないけれど

 

私すっかりウシダ耳になってしまったから。

 

牛田くんを通してクラシックを知った私の場合

 

離乳食からトリュフやフォアグラ食べてるようなもの(〃▽〃)キラキラ

 

(感じ悪かったらスミマセン)

 

 

 

 

 

3曲目を弾き終えると、立ち上がってハンドマイクを持ちました。

 

 

まさかトークまであるなんて!

 

 

低音ボイスの日本語が、あまりにも流暢でびっくり!

 

 

 

「グッド・イーブニング、皆さまこんばんは。

 

ピアニストのニュウニュウです。

 

仙台クラシックフェスディバルは、3回目になります。

 

日本語で話すのは大変…ヤバい…汗」

 

 

めっちゃ上手!

 

「ヤバい」まで言うなんて、かなりの上級者。

 

 

 

そのあとも、たくさん話してくれました。

 

 

5年くらい前から作曲をするようになったこと

 

ロマンティックなメロディを作るのが好き

 

このあとは、ジュリアード音楽学院時代の仲のよい友達、ヴァイオリニストの廣津留すみれさんと一緒に演奏します

 

 

 

日本のお客さんのために、一生懸命日本語覚えてくれたと思うと、それだけで感激笑い泣き

 

 

 

 

目の覚めるような、真っ赤なドレスに身を包んで登場した廣津留すみれさん。

 

小柄で上品なたたずまいは、ちょっとピアニストの仲道郁代さんに雰囲気が似ていました。

 

 

第一声が

 

「ニュウニュウ、日本語上手くなったね!」

 

と。

 

 

みんな心の中で、大きく頷いていたと思います。

 

 

 

「今舞台裏で、みんなで『結構喋るねえ』って言ってたんですよ」

 

 

「この時間がピアノよりドキドキする」

 

と、片手で心臓の辺りを押えるニュウニュウ。

 

 

ちょっとりくりゅうの木原さんに似てる感じ。

 

 

これから二人で演奏するメドレーは、ものすごく激しくて、右腕がもげるかと思ったという廣津留さん。

 

なるほど!緩急入り混じり、時にビックリするほど速くなりアクロバティック。

 

 

途中からお二人がりくりゅうにしか見えなくなりました(笑)

 

 

 

知ってる曲がアレンジされたメロディーは楽しくて

 

会場を大いに沸かせてくれました。

 

ヒューッ!という声も飛び、客席は熱気に包まれます。

 

どんどんスピードを増す熊蜂の飛行では、私の前の席の小学生の男の子が、興奮したようにモゾモゾと、もの言いたげに隣のお母さんを見上げていました。

 

分かるよー、かっこいいもんね(^^)

 

 

 

お客さんを楽しませてくれるこのサービス精神に、最初のナニサマだった自分を反省しましたあせる

 

そもそも、プログラムの意図が違うのよね。

 

 

 

演奏が終わって二人が舞台から消えても、アンコールを求めるような拍手がいつまでも鳴りやまず

 

カーテンコールで登場してくれました。

 

 

 

そのあとで登場したサックスの4人。

 

 

これは、ちょっとやりづらいだろうなあ…(^^;)

 

 

 

ん?久しぶりに見る上野さんが若返った印象。前髪のパームドヘアがストレートになったからかな?

 

 

 

男性4人はそれぞれサックスを手にしていましたが

 

一人はバリトンとアルトの両方を手にしていました。

 

 

これから演奏するラヴェルのツィガーネという曲は、元々がすごく難しい曲で

 

それをさらに難しくアレンジしたので本当に大変で

 

演奏するのも今日が2回目とのこと。

 

 

ただ、ニュウニュウと廣津留さんのメドレーで散々盛り上がった直後だったので

 

客席はなかなかシフトできない感じでした。

 

 

元々知らない曲な上に、難解な現代アートを見せられているような独特の世界観。

 

これ、本当にラヴェル…?

 

 

2本のサックスを担当している人が、いちいち楽器を持ち替えるのが大変そう。

 

なぜ一人で請け負う?5人じゃダメなの?

 

あ、4人のグループだからか(^^;)

 

 

 

演奏が終わって「ああ、大変だった~」と、ため息をつく上野さん。

 

 

けど、腕と指がもげそうな、ニュウニュウ達のメドレーを見たあとだったので

 

今一つその大変さが伝わってこなくて

 

この構成は果たしてこれでよかったのか…。

 

 

 

そのあとニュウニュウと上野さんのセッションで

 

最後はニュウニュウが作曲した「Sunny Day」という曲で締めくくりました。

 

 

ジャジーな曲調はとても心地よく

 

タイトルもメロディも、変に捻らないニュウニュウの純粋さが伝わってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

イズミティ21のコンサートが終わり、ホールを出ると、外は暗くなっていました。

 

 

お次はいよいよ牛田くんと妃奈ちゃんのデュオ・リサイタルです。

 

 

地下鉄に乗って、次の会場 日立システムズホールのある旭ヶ丘に移動。

 

私と同じルートをたどる人がたくさんいました。

 

 

 

 

 

日立システムズホール

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お待たせしました!

 

 

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日立システムズホール コンサートホール(796席)

 

 

 

 

 

 

とても素敵なホールです。

 

客席の椅子は赤いベルベット。

 

前後のスペースにもゆとりがありました。

 

 

舞台中央には、スタンウェイピアノと譜面台が置かれ

 

ピアノの奥には譜めくり用の椅子。

 

背もたれのあるピアノの椅子は、いつもほど低くない印象。

 

 

舞台の右側には、シルバーの木や葉っぱを基調にした大ぶりな花がありました。

 

 

 

 

プログラム

 

♪ラコフ:詩曲

♪ショーソン:詩曲

♪マスネ:タイスの瞑想曲

♪シューベルト:幻想曲ハ長調 D934

 

 

 

 

妃奈ちゃんとのデュオ・リサイタルは今日が初めてなので

 

すべて初披露ですが、馴染みのない曲ばかり。

 

タイスの瞑想曲はかろうじて聴いたことあるし、練習風景の動画もアップしてくれてましたね。

 

 

通常の演奏会なら、プログラムの曲解説を読むところだけど

 

せんくらのプログラムは曲名のみなので

 

背景や曲調がまったく分からない。

 

 

 

 

時間になると、木のドアが開き

 

最初に妃奈ちゃん、そして牛田くんが登場しました。

 

 

妃奈ちゃん、今度は濃いめのシルバーのドレスです。

 

彼女が登場するだけで、場のエネルギーが持ち上がります。

 

 

堂々と明るい表情で、くつろいだ様子の彼女。

 

 

ソロ・リサイタルの初披露では、いつもちょっと近寄りがたい空気を纏っている牛田くんも

 

今日は柔らかな表情です。

 

 

 

 

ラコフの詩曲は、天国的な印象でした。

 

フワフワしたお花畑のような天国じゃなく

 

厚い雲から光が射しこむ宗教画のような。

 

 

男性ピアニストと女性ヴァイオリニストの組み合わせは、さっき聴いたばかりのニュウニュウ&廣津留さんと同じなのに

 

まったく印象が違いました。

 

 

油絵具を重ねた絵画のような厚みと深み。

 

 

笑顔で演奏する妃奈ちゃんを見ていると、こっちまで幸せな気持ちになってくる。

 

なんて魅力的なヴァイオリニストでしょう。

 

圧倒的な存在感と、すべてを包み込み肯定してくれるようなおおらかさ。

 

舞台と客席の間の壁を取っ払うような

 

くつろいだ空気と親し気な笑顔。

 

 

今までヴァイオリニストって、「高嶺の花」的なイメージだったけど

 

こんな演奏家もいるんですね。

 

というか、今までいなかったタイプじゃないでしょうか?

 

 

 

一方の牛田くんが「陰」なのかというと

 

そうでもないんですよね。

 

 

それぞれの持つ要素がいい感じに引っ張り合って

 

絶妙なバランスの立体感が生まれてる。

 

 

 

牛田くんがピアノを弾くと

 

伸びた前髪が顔にかかってかっこいい。

 

 

でも…

 

私、牛田くんが見たかったはずなのに

 

ずっと妃奈ちゃんから目が離せない。

 

 

 

 

 

2曲目の、ショーソン:詩曲。

 

さっきと同じ「詩曲」なのに、打って変わって重い曲調。

 

 

妃奈ちゃんの表情が険しくなって

 

二人の背後で囂々と炎が燃えている。

 

 

谷底に真っ逆さまに落ちていく。

 

底から無数の手が伸びて、おいでおいでと手招きしてる。

 

 

 

恐れ入りました…。

 

若い人同士で楽しくやってるんだろうな、なんて思ってたけど

 

ものすごく本気で、互いに音楽の高みのその先を突き詰めていたんですね。

 

 

それぞれが本当に優れた音楽家だからこそ、二人にしか作り出せない世界。

 

 

 

同じ「詩曲」で、天国と地獄を見るなんて。

 

 

 

 

 

 

3曲目の マスネ:タイスの瞑想曲は

 

あまりにも美しくて 清らかで 優しくて

 

心の奥の何かに触れて、涙が出そう。

 

 

ピアノとヴァイオリン。

 

違う音色をもつ2つの楽器。

 

違うからこそ、広がり深まって、濃くなる音の色。

 

 

モー牛、最高オブ最高!笑い泣きキラキラ

 

 

 

 

 

 

演奏が終わると、少し離れた場所に立ち、挨拶する二人。

 

 

会場の空気は、あったかくて 幸せで

 

きっと二人の場所から見たら、みんな笑顔に違いない。

 

 

 

 

 

 

 

一度舞台袖に消えた二人が登場する時

 

姿が見える前から、妃奈ちゃんの笑い声が聴こえました。

 

 

それを聴いた会場からも、笑い声が起こります。

 

 

 

妃奈ちゃんだけ、手にマイクを持ってます。

 

 

「さっきも私、演奏会をやったので、ちょっと疲れちゃって

 

トークでもしようと思ったんだけど、牛田さんが『私は喋らないよ、私は喋らないよ!』って。

 

みんなあなたの声が聴きたいのにね」

 

 

会場から、拍手と笑い声が起こり、ピアノの椅子の向こう側に立ったまま、苦笑いする牛田くん。

 

 

「このプログラムは、かなり前に決まったけれど、本当に難しくて。

 

ノリで決めたものの、『どうする?やめる?』と何度も言いました。

 

もう飽きちゃったかもしれないけれど、25分間あるシューベルトの幻想曲、どうぞお手柔らかにお願いします」

 

 

 

牛田くんに向かって「喋る?」とマイクを差し出すと、牛田くんも観念したようにマイクを受け取りました。

 

 

「私達二人は対照的で、私は演奏の前に話すと調子が悪くなるけれど、彼女は話すと調子が良くなる。

 

性格は合わないけれど、音楽は相性がいいんです。

 

幻想曲は、音楽のあらゆる要素が詰まっていて…」

 

 

と、話す牛田くんを、妃奈ちゃんがニヤニヤしながら見てるので、会場からも笑いが起こります。

 

 

「しゃべらないって言った割に、結構喋ってますよね(笑)」

 

 

もう会場は、すっかりくつろいだ楽しい雰囲気です。

 

 

 

牛田くんは彼女のことを「ケミストリーな人」みたいな表現をしていました。

 

 

 

 

妃奈ちゃん曰く、シューベルトの幻想曲は、ヴァイオリンもピアノも本当に難しい。

 

 

冒頭からして、ピアノの連打とヴァイオリンの超ロングトーン。

 

しかも、この曲25分間。

 

 

 

 

 

こんなトークですっかり場を和ませてからのシューベルト:幻想曲。

 

 

私の場所から、牛田くんの指は見えなかったけど

 

貧乏ゆすりみたいな音と腕の動き。

 

 

まっすぐな絹糸をどこまでも伸ばすような、妃奈ちゃんのヴァイオリン。

 

 

 

 

最初から最後まで、思ってたのの100倍凄かった!

 

 

なんですか?さっきのトークとのこのギャップ。

 

 

見たことも聴いたこともないような

 

それぞれの楽器の限界に挑むような超難曲。

 

優しいと思ってたけど、シューベルトって意地悪だったの?(笑)

 

 

フィギュアスケートのジャンプのように

 

どこかに山場があるんじゃなくて

 

全部が山場。まるで音楽界のSASUKE!

 

 

 

けれど二人の演奏は、決して技巧を見せつけてくるわけじゃない。

 

挑んでる。聴かせてくれる。魅せてくれる。

 

 

とにかく凄い。

 

凄いとしか言いようがない。

 

 

これで2500円?いいんですか…?

 

 

 

 

くるくると表情を変えながら

 

ヴァイオリンを高く持ち上げてのけぞるように

 

思わずステップを刻むように

 

自由に動く妃奈ちゃんのヴァイオリン。

 

 

 

伴走するように

 

挑みかかるように

 

何度も彼女に目線を送りながら

 

呼応し 広げる牛田くんのピアノ。

 

 

 

同じ呼吸。

 

同時に踊る髪。

 

 

 


 

本当に「もうやめる?」ってなってたの?

 

なのに、ここまでたどり着いたのね?

 

一人だけでもどれだけ大変だろうと思うのに

 

合わせて練習する機会なんて、数えるほどだったろうし

 

それぞれほかにもコンサートで披露する曲があったのに

 

 

よくぞここまで…。

 

 

 

さっきから鳥肌立って仕方ない。

 

 

あなた達、いったい人生何周目?

 

 

 

 

 

 

 

見事なフィニッシュを迎えると

 

会場は一気に沸き上がりました。

 

 

飛び交うブラボーの声とスタンディングオベーション。

 

 

共に物凄いものを目の当たりにした!

 

そんな一体感さえ感じます。

 

 

私も思わず立ち上がっていました。

 

 

 

 

 

確かに二人はケミストリー。

 

すごい化学反応を起こして爆発しましたよ!

 

 

 

 

 

 

 

(公財)ジェスク音楽文化振興会/霧島国際音楽祭【公式】 Xより

 

 

 

 

 

 

 

(つづく…)