先日、やっと観てきました。
映画『マイケル』
3月に観た『ウィキッド』の上映前に、初めて予告編を見た時から
早く観たくて仕方なかったこの映画。
しかし、6月は牛田くんのコンチェルト等が続いてなかなか行けず…
やっと見てくることが出来ました!
楽しみにしていた割には、予備知識がほとんどなく
なんとなく知っていたのは、マイケル役を演じたのがマイケルの甥っ子
29歳のジャファー・ジャクソンということくらい。
似てなくない?
タモリさんの孫って言った方がしっくりこない?![]()
それが…
似てるんです!
もちろん、全力で寄せてるんでしょうし
血も繋がってるわけですし
映画出演が決まったときから、血の滲むような努力をしてきたに違いないけれど
最初は私も
「似てるようでやっぱ細かい部分は違うよなあ…」
と間違い探しをするような感じで観ていたのですが
最後の方にはもう、マイケルにしか見えませんでした。
というか、
この映画を「似てるかどうか」の判断をしながら観るのはきっと野暮です。
ネタバレありますので、気になる方はここでSTOPしてください。
そもそも私は、特にマイケルのファンだったというわけでもないのですが
気が付けば、自分が生きてきた青春時代には、常に当たり前のようにスーパースター、マイケル・ジャクソンの存在があり
大人になってからは、常に当たり前のように彼のスキャンダルがありました。
彼が亡くなったというニュースを聞いたのが
娘の幼稚園のコーラスの練習をしてる夏の日だった…
というのを、今でもなぜかはっきり憶えています。
なので、「アメリカの大スター」という、ある意味象徴としてのマイケルのことしか知りませんでした。
ジャクソン5の中心として、子供の頃から歌っていたことは知っていたけれど
父親があんなに強欲なクソジジイ毒親だったことにまず驚き。
マイケルの栄光は、あの父親のスパルタあってこそかもしれませんが
叶えられなかった自分の夢を我が子に託す親の
異常なまでの執着と支配。
これは、マイケルも兄弟たちもかわいそうでした。
お母さんが優しい人でよかった。
子供時代のマイケル役の子の歌の上手いことときたら!
こんな逸材、どこから見つけて来たんでしょう?!
聴く者を幸せにしてくれる、伸びやかな歌声とリズム感。
ひょっとしてマイケル本人よりも上手なんじゃないの?と思ってしまうほど。
彼の歌声を聴いた大人たちが、みんなうっとりと虜になるのが分かります。
私も、もっとずっと聴いていたいくらいでした。
貧しい家庭が、子供たちの活躍で収入が増え
分かりやすいほどの「金持ちの家」に変わっていくのもちょっと面白かったです。
そんな中、子供時代から有名になりすぎてしまったマイケルは
巡業の為、まともに学校にも行けず
同世代の子供と遊ぶこともなく
唯一の親友はペットのネズミ。
ファンに愛され
贅沢を知り
有名人としてもてはやされる経験と引き換えに
普通の子供が成長しながら身に着けていく健全な人間関係を築けなくなったのは、気の毒でした。
青年期に突入してからも
愛おしそうに胸の内を語りかけている相手が
恋人ではなく、ペットのラマだったというのはちょっと切なくなりました。
友達がいない。
普通の人間関係が築けない。
そんな孤独なマイケルの愛情が動物たちに向けられたのは
ごく自然のことだったのかもしれません。
私の記憶では、マイケルは整形疑惑を否定し続けていたように思っていましたが
映画の中では、ちゃんと整形手術に関する描写がありました。
けれど、彼が自分の顔にコンプレックスを持った原因も
我が子を人とは思わないような父親の心無い一言が関係してたなんて…。
もう、ことあるごとに父親が憎ったらしくて仕方なくなりました。
父親が息子を抑圧し、自身の力を誇示し続ける。
これは、映画『シャイン』にも通じるものがありますね。
『シャイン』では、あまりのプレッシャーから息子の精神の糸が切れ
第一線のピアニストになる代わりに自由を手に入れましたけど
マイケルは本物の超スーパースターになりましたからね。
それでも
スーパースターになってからも、父親の支配と搾取は続くわけで
マイケルが大人になり切れなかった理由には、「若くしてスターになりすぎた」からだけではなく
こんな父親との関係もあったのかもしれません。
家族の結束が固いのはいいことではあるけれど
こんな共依存は考えものだな、と。
ちょうど今朝見た朝ドラ『風、薫る』では
ヒロインが、生まれて間もない自分を捨てた母親と偶然再会し
互いに母子と気付いていながらも
大人同士としての適度な距離を持ち続け
結局母は、名乗ることも謝ることもしないまま亡くなりました。
なんでー?名乗ってあげてよ。
一人でずっと頑張って生きて来た彼女のことを
「ごめんね」「愛してる」って抱きしめてあげてよ!(ToT)
と最初は思ったりもしたのですが
一人の人間として、ヒロインの生き方や人格を尊重し肯定するような母の言動からは
「依存」や「感傷」、「執着」や「慣れあい」よりももっと深くて潔い
「あなたなら絶対大丈夫。しっかり生きていってね」
という骨太な愛情を感じました。
…って、話それちゃいましたけど(^^;)
この映画の隠れたテーマは
父親とマイケルとの確執でもあったのではないかと思います。
子供たちを威圧して思い通りにコントロールし
金儲けの道具にする。
本当に最悪な父親なんですが、結構芯をついた言葉を言ったりもするんですよね。
ちょっとうろ覚えですが
独立したいというマイケルに
「周りがイエスマンだけになったら、お前は駄目になる」
みたいな。
長年の抑圧に加え
ときどきこんな正論を言ったりするもんだから
マイケルが大人になってもなかなか父親を切れなかったのも分かるような気もしました。
そして、家族を見捨てられないマイケルの優しさと、自分が稼ぎ頭であるという自覚。
そんな中、マイケルが次第にセンスと才能を開花させ
次々と新作を生み出していく様子は見応えがありました。
青春時代、テレビをつけると必ず目に耳にしたヒット曲の数々。
『ビート・イット』のPVは、対立していた2つの本物のギャンググループのメンバーと一緒に撮影していたなんて
今まで全く知りませんでした!
あの、赤いジャケットを一瞬はだける振り付けも、マイケルが即興で考えたのか!
マイケル凄いな~!
懐かしい音楽とリアルなダンスに
青春時代が蘇ってきて、テンション上がりました。
というか、いつのまにかマイケルそのものを見ていると錯覚させてしまうジャファー・ジャクソンが凄い!
歌声自体は、マイケル本人のものと、ジャファーの声を最新技術でミックスさせたようですが
それにしても凄い!
マイケルに感情移入し、感嘆しつつ
同時に役者さんの努力に感動するのは
映画『国宝』に通じるものがあります。
マイケルの鼻筋がどんどん細くなっていくのもリアル。
現代の映像技術って凄いですね。
スーパースターの顔とは裏腹に
母親と仲良くビデオを見たり
ピーターパンに憧れたり
動物を可愛がるマイケルの純粋さが
愛おしくもあり、悲しくもあり…。
撮影中に髪に火がついて大やけどを負ったあのニュース。
あんな背景があったなんて!
ますます親父が憎くなる。
そして、そのときの賠償金を、全額火傷治療患者のために病院に寄付したなんて!
私、本当にサラッとしか知らなかったなあ、マイケルのこと。
後半はもう、ストーリー云々よりも
ライブ会場にいるような臨場感。
あの音楽、あのダンス、あの熱狂!
次々失神するファンのように、自分の体の中をアドレナリンが駆け巡るのを感じました。
青春時代が戻ってきたような興奮と懐かしさ。
そして、その後のマイケルがどうなるかを知っているだけに
何とも言えない無念さと悲しさも同時に沸いてきました。
やはり「対・父親」が、マイケルにとって、この映画にとって 大きなテーマだったと思うのですが
マイケルが、とうとう大きな壁を乗り越えて…
「え、ここで終わり?」
と思うところで映画が終わりました。
やだー、すっかり引き込まれて、映画ってことをちょっと忘れてた。
めっちゃ綺麗なところで終わってるじゃん。
実際は、まだまだいろいろ続くじゃん。
というか、これからが正念場。
綺麗にまとめすぎてない…?
ちょっと前、ネットフリックスで戸田恵梨香さん演じる細木数子のドラマを見ましたけど
遺族からクレーム出ないの?と心配になるくらい
ダークな一面もちゃんと描いてましたよ。
だからこそ面白かったし
制作スタッフ、攻めてるなーって感心したのに。
『マイケル』は続編が予定されているという話もあるので
これから先に期待したいような
ここで綺麗なまま終わってほしいような…。
この映画自体、どこまでが真実なのかは分かりません。
スキャンダルによって、地に堕とされたまま亡くなったマイケルの
名誉を挽回するために作られた映画だとも聞きました。
ストーリーを楽しむとか、心理描写をあれこれを考察するというよりも
エンターテイメント性の高い映画だと思うけど
個人的には、フレディ・マーキュリーの『ボヘミアン・ラプソディ』みたいに
一人の人間としての、知られざる苦悩や葛藤も見たかった気がします。
でも、全体的に
見てよかったな、いい映画だな、と思える作品でした。
あんなカリスマ性のある超スーパースターは
今までも、これからも
彼しかいないんだろうな。
トップスターの座に君臨してからの彼は
ある時期を超えたあたりから
たとえ自分の体がボロボロになっても
スターの自分に出来ることを
使命感を持って模索し続けていたのではないか。
そんな気がします。
映画の中でも、彼が言われていたように
「世界に光を放つため」。
マイケルが今も生きててくれたらなあ、と思わずにはいられない。
この映画を観た人が、必ず罹るという
「マイケルのMVが見たくなる」病
私も発症しました(〃▽〃)
考えてみたら、今まで一度もちゃんと見たことがありませんでした。
見てみてあらためてため息。
マイケルって本当に凄い。
このダンスのキレ。
この世界観。
今さらだけど、本当に、正真正銘の唯一無二のスーパースターだったのね!
世界の音楽界にこんなすごい実績を遺した人の
スキャンダルとかもうどうでもいいわ。
彼が届けてくれた音楽と、スーパースターの顔だけを
私たちは受け取ればいいのかもしれません。
マイケル・ジャクソン
『スリラー』
映画予告編





