行ってきました。

 

 

 

 

 

2026年3月16日(月)15時開演

牛田智大 ピアノ・リサイタル

八ヶ岳高原音楽堂(長野)

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星屑を散りばめたような牛田くんのブラームスを聴くたびに

 

星空の美しいこの音楽堂で聴いたら

 

絶対素敵だろうな、とずっと思ってました。

 

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牛田くんが、ここでリサイタルを行うのは、2023年、2024年に続いて今回が3回目。

 

 

私は2023年に一度ここに来たことがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家を出た時は曇っていたけれど、甲府に近付いたあたりから青空が見えてきました。

 

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今やすっかり乗り慣れた、特急あずさの車窓から見える景色はのどかです。

 

 

 

 

 

小淵沢駅でJR小海線に乗り換え。

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小海線の窓から見えるのは、まだ葉のない高い木々や別荘のような建物。

 

早春の林の中を電車は進みます。

 

 

 

 

 

標高約1345.67m。日本一標高の高い野辺山駅の小さな駅舎は可愛らしい。

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駅舎の天井は星空です。

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送迎バスに乗って、到着しました。八ヶ岳高原ロッジ。

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売店にピアノをデザインしたワインがありました。素敵♪

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レストランでランチにパスタをいただきました。

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筍、菜の花、ぜんまい、春キャベツ…

 

高原の春の彩り満載で、想像以上に美味しかったです。

 

 

 

 

 

 

開場時間が近づくと、ロッジから音楽堂までバスを出してくれました。

 

 

 

 

 

 

森の中にある三角屋根の音楽堂。

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3年前は雨だったので、晴れてて嬉しい。

 

 

 

 

まだ雪が結構残ってます。

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受付でチケットを渡し、筒状に丸めて立ててあるたくさんの紙の中から一つを選びました。

 

今日の座席は抽選です。

 

 

このホールは、牛田くんを見るというよりは

 

大きな窓の外の景色を楽しみながら演奏を聴く感じなので

 

どこの席でもいいし、できれば後ろの方がいいなと思っていたけれど

 

私が引いたのは、ちょっと微妙な席でした(^^;)

 

 

 

 

 

ファンからのお花。

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全国どこに行ってもこんな風にお花が迎えてくれるのは

 

きっと牛田くんも嬉しいだろうなと思います照れ

 

 

 

 

 

 

ロビーに置かれたピアノ。

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名だたる演奏家のサインがあちらこちらにあります。

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アシュケナージのサイン。

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椅子の上それぞれに、番号を書いたカードが置いてありました。

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八ヶ岳高原音楽堂(250席)

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(画像お借りしました)

 

 

 

 

 

天井のガラスから射す光

 

窓の外の景色

 

木のぬくもり

 

森の中にひっそりと建つこのホールは、何から何まで特別です。

 

 

ピアノはスタンウェイ。

 

客席側の窓から入る光を反射していました。

 

 

 

 

 

 

 

プログラム

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ブラームス(1833ー1897):

 

 

♪7つの幻想曲 作品116

 

♪3つの間奏曲 作品117

 

 

~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~

 

♪6つの小品 作品118

 

♪4つの小品 作品119

 

 

 

高坂はる香さんの解説です。

 

 

まず、冒頭の文章をお読みください。

 

 

 

 

■曲目解説       高坂はる香(音楽ライター)

 

 牛田智大さんはブラームスについて、多くの敬愛する作曲家のうちでも特に「自分自身を投影して考え、愛を持って向き合える存在」だと話す。

 なかでも晩年の一連のピアノ小品集にはずっと憧れてきたが、今後、ライフワークとしてドイツ・ロマン派に取り組もうと考えていることもあり、20代の今挑むことを決意したという。

 ブラームスが円熟期に達した境地を示すような、深い精神性と内省的な情緒、諦観の念と胸の奥にたぎる情熱が感じられる作品群 ー 牛田さんは以前、「この作曲家はこういうスタイルだという呪縛にとらわれて作品と向き合うと、別の一面を見逃すことも多い」と語っていた。

 本作品に向き合う時間を経て見つけた、今、彼だけの目に映るブラームスの姿、そして八ヶ岳という環境だからこそ生まれる表現を、今日はここに示してくれる。

 作品116~作品119には主に、ヨハネス・ブラームス(1833 - 1897)が60台を目前にした1892年の夏、避暑地のバート・イシュルで書いた。彼はその2年前、一度作曲の筆を折ろうと考え、遺書までしたためていたが、創作意欲を取り戻すと数々の名作を残した。

 それまでのブラームスに見られた堅固な構造を持つ交響曲やソナタとは一風異なるシンプルな形式を持ちながら、細やかな作曲技法を駆使して書かれた傑作が揃う。

 

 

 

 

 

そして、20曲の作品それぞれについて、分かりやすく簡潔に解説してくださっているので、ここにご紹介しておきます。

(速度・発想記号は省略します)

 

 

◎7つの幻想曲 作品116

情熱的な4つの間奏曲からなる。

第1曲 カプリッチョ…重く力強い和音でドラマティックに始まる。

第2曲 間奏曲…一転、哀しみを吐露するような音楽が流れる。

第3曲 カプリッチョ…情熱的な音楽と優美な中間部からなる。

第4曲 間奏曲…ノクターン風の穏やかな小品。

第5曲 独特の呼吸間でもの悲しさが表現される。

第6曲 間奏曲…無言歌風の優しい音楽が流れる。

第7曲 忙しく音楽が上下し、重厚な和音がドラマティックな効果をもたらす。

 

◎3つの間奏曲 作品117

いずれもゆったりとしたテンポで歌われる優しい小品。

第1曲…18世紀の詩人ヘルダーによるスコットランド民謡の子守歌から「やさしく眠れ、我が子、やさしく美しく眠れ。私はお前が泣くのを見るのはつらい」という詩が添えられている。

第2曲…慰めるようなゆったりとした音楽。

第3曲…暗く不穏なメロディをっ持つ部分と、感情が発露する中間部からなる。

 

◎6つの小品 作品118

作品119とともに、ロベルト・シューマンの妻であるクララに献呈されている。

第1曲 間奏曲…情熱の中に侘しさをはらんだ音楽が響く。

第2曲 間奏曲…慈愛に満ちた歌が流れる。晩年の作曲技巧をよく示した作品として名高い。

第3曲 バラード…力強く軽快なメロディを持つ音楽と、過去を回想するような中間部からなる。

第4曲 間奏曲 悲しいメロディが急速に流れ、鐘の響きを思わせる和音が響く。 

第5曲 ロマンス…穏やかな優しさにあふれた、甘い曲想。

第6曲 間奏曲…悲しみが次々押し寄せる音楽と、若き日を回想する中間部からなる。書かれなかった交響曲第5番の緩徐楽章として着手されたといわれる。

 

◎4つの小品 作品119

生前に出版された作品番号付きの最後の作品。

第1曲 間奏曲…悲しい歌とハーモニーが儚い喜びを感じさせる。クララ・シューマンはこの曲を「灰色の真珠」とした。

第2曲 間奏曲…中間部には過去を懐かしむような音楽が流れる。

第3曲 間奏曲…軽やかさと遊び心を持ちながら、わずかに憂鬱な響きを残す。

第4曲 ラプソディ…力強い和音によるテーマが印象的。重厚な音楽で閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

天井や壁に使われた木の明るさと

 

天窓のガラスや大きな窓から入る陽の光に

 

ホールの中は眩しいほど明るく健康的で

 

いつもなら、照明が徐々に落ちる過程で心の準備が出来るのだけど

 

突然左側のドアから牛田くんが登場したのでちょっと驚きました。

 

 

 

 

挨拶をして牛田くんがピアノの前に座ると

 

私の場所からは、太い木の柱に彼の後ろ姿が半分隠れて見えなくなりました。

 

 

 

3年前もそうでしたが

 

視覚的な情報に影響されやすい私は

 

窓の外の早春の山の景色とか

 

明るくて、舞台と聴衆の境界線がない感じとか

 

視界に入るお客さん達など

 

あまりにもいつもと違いすぎて

 

目からの情報量が多すぎて

 

 

このシチュエーションを楽しみにしていた割にはなかなか「聴く」ことに集中できずに戸惑いました。

 

 

 

 

音色は残響が短く、視覚的な影響もあるのか明るく感じました。

 

 

 

ホール全体や窓の外などの見晴らしはいいのだけれど

 

角度的に微妙なのと

 

どうせなら、後ろ姿しか見えない牛田くんの全体像を見たいと体の重心をずらして聴いているうちに

 

だんだん腰が痛くなってきて、ますます集中できなくなりました(T T)

 

 

あと、ちょっと変な姿勢をしていたせいで

 

クッションがなく、枠に革を渡したような椅子の座り心地がイマイチで…あせる

 

 

 

ピアノの音色と共に、牛田くんの唸るような息遣いが聴こえ

 

いつもと違う角度から見える、細い足首と先のとがった靴は

 

アニメのルパン三世のようでした。

 

 

 

 

前半の演奏が終わり、立ち上がって挨拶をすると

 

彼の姿は柱の陰に隠れて完全に消えましたえーん

 

 

 

 

 

休憩を挟み、後半になると

 

前半の戸惑いが嘘のように演奏に入り込んで聴くことができました。

 

 

 

シンプルだとは言われているものの

 

独特の拍やリズムがあちこちに散りばめられていて

 

跳躍したり、交差したりする牛田くんの指の動きからも

 

これらの作品が、かなり高度な技術を必要とすることが分かります。

 

 

どこだったか忘れましたが、鍵盤を押したままの指を激しく揺らすような場面もあって

 

ピアノを弾かない私には高度な魔術のようです。

 

 

 

 

どの作品の演奏も

 

それぞれに本当に美しく

 

個性を持ちながらも、根底に共通した痛みや憂いを抱えている。

 

 

 

牛田くんのツアーが始まる前、予習のためにYouTubeで聴いたいろんな人の演奏と

 

牛田くんの演奏が繰り広げる世界観の違いに驚いたけれど

 

何度か牛田くんの演奏を聴いてから、あらためてもう一度YouTube動画を見ると

 

どれもこれも味気なくて紙を食べているみたい。

 

 

色がない。味がない。

 

深みがない。物足りない。

 

 

…あ、素人が偉そうにスミマセン汗

 

でも、本当にそうなの。

 

 

 

牛田くんのブラームスを聴いた後

 

もうほかの人の演奏は聴けない。

 

 

 

 

丁寧に丁寧に紡ぎ出す音色と音楽があまりに美しく

 

私の持っているボギャブラリーの言葉に当てはめてしまうのも

 

独りよがりな意味づけをしながら聴いてしまうのももったいなくて

 

今日の演奏のこの感覚は、とてもブログに書いて表現できないや、と思いました。

 

 

 

気がつけば、山の陽が傾き始め

 

窓越しの舞台にも影が落ち

 

その影が、ブラームスのこの作品に落ちる薄暗い影と重なって

 

この特別な時間を、さらに深く味わい深いものにしているのでした。

 

 

 

 

特に印象的だったのは

 

Op.118-6の終わりの音色の行方を見届けて

 

静寂ののち そのまま新しい世界に送り込むような119の始まりへの繋ぎ。

 

 

 

次の作品に移るのに

 

牛田くん本人も客席も

 

ひとつになって息をひそめ

 

共に音色の最期を看取り

 

雲の上のあの世で歌う幻想的な音色を聴いているような感覚は

 

鳥肌が立つほど唯一無二で美しく

 

これが現実なのかさえわからなくなりそうでした。

 

 

 

いろんな会場で聴いてきましたが

 

私が知る限り

 

この瞬間が、こんなふうに静寂の中で紡がれたのは初めてです。

 

 

 

 

そよ風が踊るようなOp.119-3では

 

あと一か月もしたら

 

今見ている窓の外の景色は春の彩りで賑わうんだろうな、と

 

頭の中で春を先取りし

 

黄緑色の新緑や花、鳥や蝶をイメージしながら聴きました。

 

 

 

 

最終曲のOp.119-4では

 

今まで感じたことのない、内側で血が踊るようなワクワクした気持ちになって

 

でもやはり、この感覚も、とても言葉にできません。

 

「情熱」に近いけれど、とてもそれだけでは語れない。

 

 

 

 

ああ、よかった。

 

ありがとう。

 

 

そんな気持ちでいっぱいでした。

 

 

 

 

 

演奏が終わると

 

男性が「ブラボー!」と叫びました。

 

 

その絶妙なタイミングも声の張りも大きさも完璧で

 

ああ、どなた様か存じませんがありがとうございます、という気持ちになりました。

 

 

 

 

立ち上がり、挨拶をする牛田くんは

 

またしても私の視界から姿を消しましたえーんううう…

 

 

 

 

 

 

 

アンコールの1曲目はショパンの舟歌。

 

 

ブラームスの時と全く違う種類の

 

触れるとそのまま消えてしまいそうな柔らかな音色。

 

 

やがて厚みを増し、すべてを包み込むように大きく膨らむと

 

牛田くんが、ピアニストとしての「人生」という名の船の舵を切り

 

大海原に乗り出しいていくような気がしました。

 

 

今ここで、一緒に船に揺られている私たち。

 

 

 

もう最高だ!

 

 

 

 

なんだか無性に嬉しくて

 

さっき売店で見たピアノ柄のワインを買って乾杯しようと心に決めました(*^.^*)

 

 

 

牛田くんは、確実に新たな境地に踏み出した。

 

そう確信しました。

 

 

 

 

 

 

 

2曲目のアンコールはショパンのノクターン17番。

 

 

鈴のように転がるトリルの振動で

 

あたたかな木のホールの中も

 

窓の外の山も空も

 

全部金色の光に包まれているような気がしました。

 

 

 

 

 

来てよかった~!(T^T)゚。

 

 

 

 

 

最後の挨拶は、私もぐっと体を伸ばして見ることが出来ました。

 

 

最後の最後に、一瞬胸の前で両手を合わせ

 

確かな足取りでドアの方に歩いていく牛田くん。

 

 

 

3年前、このホールで演奏を終えた後

 

柱の近くに立って挨拶する彼が

 

ちょっと心もとなくて少年のように見えたことを思い出しました。

 

 

 

もう、ずっと遠いことのよう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

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3年前は、このロッジに泊まったけれど

 

今シーズンは、もうこれ以上仕事の休みが取れず…あせる

 

 

晴れてるから絶対星空綺麗だろうな、と思うと後ろ髪引かれて仕方ありませんでしたが

 

バスに乗って駅に向かいました。

 

 

 

また、是非来たいです。

 

 

 

 

 

 

バスから見えた力強い山と雲が美しかった。

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日暮れ時、灯りが灯った野辺山駅は、小さな教会みたいに見えました。

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⛪  ⛪  ⛪  ⛪  ⛪

 

 

 

 

コンサート情報です。

 

 

 

 

2026年11月21日(土)15時開演

室内楽

岡崎市シビックセンター(愛知)

 

 

 

 

 

 

 

 

初出しの写真、素敵!ラブ

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(^-^)ノ~~