牛田智大くん ピアノリサイタル in 壬生 | 耳をすませば

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雲ひとつない、やかな秋晴れの9月28日。


栃木県 壬生中央公民館大ホールで行われた


牛田智大くんピアノリサイタル


に行ってまいりました。



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曲目、曲順は、9月15日の愛知と全く一緒。




♪プロコフィエフ : ピアノソナタ 第7番 

              変ロ長調 op.83「戦争ソナタ」


♪モーツァルト : ソナタ第11番

             イ長調 K.331「トルコ行進曲付」


♪リスト : メフィストワルツ 第1番「村の居酒屋での踊り」



  *  *  *   休  憩  *  *  *



♪ショパン : 12の練習曲 op.10-3「別れの曲」


♪リスト : ラ・カンパネラ


♪ラフマニノフ : ソナタ「第2番 変ロ短調 op.36




そう。愛知では、登場した瞬間から、今までとは全く違う、何か決然とした空気を漂わせ、


衝撃的な迫力の演奏で、聴衆を突き放した(ように感じた)、


男、牛田智大。


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男:「俺達、もう別れよう・・・。」

イカ:「ヒドイワ、アソビダッタノネ・・・(涙)」





かと思えば、翌週の松戸のショパンコンチェルトで再び少年に戻り、


柔らかな音色と愛くるしい笑顔で聴衆を魅了した


天使、牛田智大。


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さてさて、今回は どちらの牛田くんが登場してくるのか。


とても楽しみにしておりました。




登場しました、ピアニスト。



あ!今日は前髪ピッタリ分けではありません。


かといってサラサラヘアともちょっと違う。


サイドの髪は固めてあるのかスッキリ。


前髪は自然ですが、以前のように目にかかる感じではない。


微笑みは浮かべているものの、表情が やや固いような気がします。



愛知とも、松戸とも、微妙に雰囲気が違う。


愛知が20歳、松戸が14歳とするならば、


この日の彼は、17歳くらいの感じでしょうか。


(こんな例えで分かります・・・? ^ _ ^ ; )



「あらっ!大きくなってるー!」


私の隣の席のご婦人が、嬉しそうに声をあげました。



まだ拍手が終わらないうちにピアノの前に座り、


そっけないくらいにすぐに弾き始めました。


「あら?もう・・・?」と隣のご婦人も拍子抜けした様子。


彼のいつもの演奏スタイルを知らない方にとっても、


意外なほど余韻を残さず、演奏は始まりました。




先週の松戸では、痛恨の支払いミスのおかげで、


牛田くんの85%ほどがピアノに隠れるという残念な席でしたが、


今回は前方のほぼ中央。



が、しかし、舞台と客席の高さにかなりの差があることと、


ピアノがやや左側に設置されていたことで、


牛田くんが演奏に集中して前かがみになると、


なんとピアノの角に表情が隠れてしまう。



(T_T)



この角。 銀座のイベントのトークでは、心細そうに牛田くんがずっと触っていたピアノの角。


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いわば、子供にとって、心の落ち着くお気に入りのぬいぐるみ。


それがないと眠れない薄汚れたタオル。



そんな心癒すアイテムが、私にこんな意地悪をするなんて・・・(TωT)



牛田率約92%のこの席。それでも十分満喫できました。




この日の牛田くん。愛知の時に比べて、随分肩の力が抜けているように感じました。


音も、硬さが取れて、少し柔らかくなったような・・・。



前回の愛知で、度肝を抜かれた「戦争ソナタ」。


ある時は眉間のあたりに苦悩の表情を浮かべ、


ある時は口笛を吹くように飄々とした表情。


私、前回で免疫がついたのでしょうか。


今回は殴られたような衝撃はなく、前回よりも落ち着いて聴くことが出来ました。



第3楽章のラスト。


ピアノを叩き壊さんばかりの激しい打鍵と大音量の迫力に


会場全体が凍りついたように息を呑みました。


力の限りを出し尽くすように、真剣な表情で連打する牛田くんの


まだ幼さの残る頬が、激しい腕の動きに合わせて揺れています。



弾き終わって立ち上がった牛田くん。


「はぁ~」と小さくため息をついて、肩で大きく息をしていました。


本当に全力を出し切ったのでしょう。


拍手の中、少しふらつくように袖に入っていきました。



モーツァルトの時は、さっきとは打って変わって演奏前の集中の時間がありました。


やはり、愛知の時より音が柔らかい気がします。


集中すると下の顎が出てきて、時々チラリと舌が顔を出します(*^ ^*)


戦争ソナタでは、ずっと視線を鍵盤に向けていましたが、


今度はほとんど鍵盤から視線をはずしています。


時々客席の方に顔を向けて、上の方を見上げるのですが


オレンジ色のライトが彼の瞳に反射して、まさに天使のような美しさでしたキラキラ


彼の姿と音色が、会場の空気を浄化している。


そんなふうに感じました。


今日の牛田くんは、「気品あふれる貴公子」です。




中盤を過ぎた頃から、弾く前にネクタイに手をやったり


左胸に手をあてたり、いつもより集中しづらいのかな?と思う場面もありました。



なんだか今日は辛そうに見える・・・。



「カンパネラ」のあたりからでしょうか。


立ち上がって挨拶する彼の様子が、なんだかとても苦しそうに見えました。




牛田くん、もしかして風邪でもひいたのかな?


そういえば、娘の学校でも、今風邪が流行っています。


台湾、愛知、松戸、壬生・・・と毎週のコンサート。


疲れが出ない方が不思議です。




そうか。


どんなに調子が悪くても、どんなに体が辛くても、


簡単にコンサートを中止するわけにはいかない。


途中で演奏をやめるわけにもいかない。


大人の私だって、体調の辛いときは仕事を替わってくれる誰かがいる。


でも、たった14歳の彼の代わりになる人は いない。



プロデビューを決めた時、彼もご両親も きっと相当な覚悟をされたことでしょう。


そして実際、何度も経験してきた演奏会の中で、辛い場面もあったでしょう。


そういえば、開場前にトイレに行った時、私の気のせいでなければ


ホールの方からピアノの音が聴こえてきました。


「あ、牛田くんが練習してる?」


そう思って時計を見たら、開場時間の10分前。


ベストを尽くすために、ギリギリまで、納得いくまで、練習していたのではないでしょうか。


あらためて、彼のプロ意識の高さを実感して、


尊敬の念といとおしさで胸がいっぱいになりました。




ラストのラフマのソナタ。


愛知の時と同じく、激しく情熱的な演奏でした。


でも、弾き終わったあとのご挨拶、


倒れてしまうのではないかと思うくらい、辛そうな表情をしているように見えました。



称賛の拍手がアンコールを求める拍手に変わる中、




もう 無理しなくていいよ。


サイン会だってやらなくてもいいよ。


お願い。体壊したりしないで!




そんな思いで、私も拍手を続けました。



でも皆さま。やっぱり彼はプロでした!



にこやかに登場して会場をどよめかせ、


胸に手を当ててお辞儀をし、


なんと、4曲も弾いてくれたんですよ!アンコールを。



拍手が終わらないうちに弾き始めた「ノクターン op.9-2」


深くせつない「エディット・ピアフ」。


袖に入っていったので、もうこれで終わりかと思いきや、


再び登場して会場を沸かせ、


「まあまあ。みなさん、落ち着いて♪」とでも言うように


手のひらをこちらに向けて、なだめるような仕草で


さらに会場を沸かせました。


ニーノ・ロータの「ロミオとジュリエット」。


続けて、「モンタギュー家とキャピュレット家」。


どこにこんな力が残っていたの?と思うくらい


力強くキレのいい演奏でした。



最後の最後まで微笑みを絶やさずに、サービス満点で聴衆に応えてくれた牛田くん。


プロ中のプロです。


ありがとう。本当にありがとう。







書こうかどうしようか迷いましたが、


やっぱり書かせていただきます。



演奏している牛田くんからも、きっとよく見えたであろう特等席のお客様。


秋晴れの気持ちよい日曜の午後、眠くなる気持ちも分からなくはありません。


おそらく、慣れていないクラシックのコンサートで


馴染みのない曲に集中力が途切れるのも分かります。


けれど、一家で海水浴に行ってきた帰りとかではないでしょう。


舟を漕いでしまう程度なら仕方ない。


でも、自宅のソファにいるかのように、家族揃って「寝」の体勢で聴くというのはいかがなものか。



その席をゲットするのに、朝早くから並んだのではないのでしょうか?



6月の発売日に、朝5時台の電車に乗って、遥か壬生までチケットを取りに来た私。


それでも既に10人ほどの方が並んでいました。


あなた方のお席、喉から手が出るほど欲しかったですよ(ノ_・。)



目の前のピアニスト、全身全霊で私達に真心こめた演奏をしてくれています。


最初の1音から、最後に鍵盤から指を離すまで、


少しだって手を抜かずに全力で弾いてます。


どうか、最低限のマナーで聴いて欲しかった・・・。



数ある演奏会を経験している牛田くんには、たいして気にならないことなのかもしれません。(いや、やっぱり気になるでしょ?)


いろんな場所でいろんな経験を積む。


これも大切なことなのかもしれません。


でもね・・・。 


とにかく私は、とってもとっても残念でしたよ!

。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。







今回のお客様。地元の方達が大半だったようです。


サイン会はサクサク進みました。



「体調大丈夫?」


「疲れてない?」


「無理しないでね。」



そんな言葉が浮かんできたけど、なんとなく飲み込みました。



それよりも、彼が元気になる言葉はないだろうか・・・?



          ひらめき電球



8月の私の夏休みの自由研究「『牛田』について」で書きました、私の世紀の大発見。


東京から、ここ壬生に来るのに使う東武線には、「牛田駅」と「羽生駅」がある!


という話。


唐突に、こんな話を切り出された牛田くん。


どんな反応だったかと言いますと・・・












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こ、こんなにウケてくれましたラブラブ


(≧▽≦)



この笑顔、私が「お二人はやはり赤い糸で結ばれているのでは・・・」


とかナントカ(緊張のためうろ覚え)


ピアノの話もせずに、しょーもないことを言った直後。


彼がこんなガハハな感じで笑うのって、珍しいことではないでしょうか?


ウ、ウレスィー…(T▽T)



ガハハなナイスショット、友人の、通称「グッジョブ」が撮ってくれましたラブラブ



3月の長野リサイタルでは、こんな素敵なショットを撮影した彼女。


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今回もいい仕事してくれましたラブラブ


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グッジョブ、これを撮る時、牛田くんの前にしゃがんで


「写真撮っていいですか?」と声をかけたところ、


「今書いてるからちょっと待っててね♪」と答えてくれたんです。


「待っててね♪」ですよ! 

「待っててね♪」 !!


(≧▽≦)



牛田くんのことは好きだけど、ワタシほどには溺れていないという彼女。 (///∇//)



ああ、愛しすぎない人って、

やすやすとステキなものを手に入れるのね…(涙)



もう、おかかえカメラマンとして、全公演連れて回りたいわ。



こっちもグッジョブ撮影


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ご覧ください。この立ち姿の美しいことキラキラ



「最後尾はこちら」のプラカードを持ったおばちゃんまで、

どさくさに紛れてサインをもらうの図。


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ちなみに右下には、高嶋ちさ子さんのサインも。



私もかろうじて1枚だけ撮影に成功!


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キャッホー!今回はブレてない!\(^ o ^)/



ちなみに、あんなしょーもない言葉をかけた私、

(いえ、自分的には重大な事実をお伝えしたと思ってますけど)


余裕綽々だったと思われるかもしれませんが、


緊張のあまり、腰が抜けそうでした(;^_^A


カメラを持つ手、振り幅最大4センチ四方ほど、大きく震えてました(←ホント)。


あー、ドキドキした~ドキドキ




そして…


ご覧ください!


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私の大好きな大好きなリスさん前歯のページに

サインいただいちゃいましたーっ!


(///∇//)





牛田くん。


力いっぱいの演奏をありがとう。


笑顔のサイン会をありがとう。


プロ意識を見せてくれてありがとう。


このあとも過密スケジュールが続くけど、


どうぞ体調を崩すことなく、


ひとつひとつの演奏を楽しんでください。