【実験】 11/21(水) 土壌診断(2回目:CECなど)
また久しぶりになってしまいました。とりあえず、2回目の土壌診断の様子を記します。(1回目はこちら)
今回は塩基置換容量(以下、CEC)と、置換性塩基(CaO、Mg2O)の濃度・飽和度を測定しました。
【塩基置換容量(CEC)】
CECは、土壌が養分の陽イオンを吸着する能力の大きさを表します。この値は土壌固有のもので、大きいほどたくさんの陽イオン(Ca+、Mg+など)を吸着することができます。
植物は根から酸性物質を出し、H+イオンが土壌に浸出するのですが、陽イオンは次の順位で土壌に吸着されるという性質を持っています。
H+ > Ca+ > Mg+ > K = NH3 > Na
つまり、根から出たH+は土壌に吸い寄せられ、替わりに、もともと吸着していたCa+、Mg+などの養分が交換され、根に吸収されやすくなります。ゆえに、CECが大きいほど、植物の養分を保持するキャパ(=保肥力)が高いと言えます。農大土壌の主成分である黒ぼく土では20~50、砂質では5~15くらいで、同じ面積に同じ肥料を与えたとき、砂地では黒ぼくに比べて養分がすぐに下層へ流れ出てしまうことがわかります。
<測定法> ※容量、細かい作業は省いています
①1N-酢酸アンモニウムを作成し、土壌と混合して振とうする
⇒最終的に、この酢酸アンモニウムが土壌にどれだけ吸着していたかを調べます。1N-酢酸アンモニウムはアンモニア水、酢酸を加えてPHを7.0にします。振とうでは振とう機を用いて、1時間振とうします。
②振とう後の溶液を遠心分離機にかけ、上澄み液と土壌に分離する。
⇒遠心分離機は3000rpm、2~3分。上澄み液は後述の置換性塩基濃度測定にて使用。
↑遠心分離機。試料を4つ入れるスペースがあり、バランスを保つため、4スペース全てを試料で埋めるか、向かい合う2つのスペースを埋める。
③分離した土壌に80%アルコールを入れ、攪拌後、②と同様に遠心分離する。この操作を3回繰り返す。
⇒土壌中の測定不要な成分を洗浄するため。
④洗浄後、10%NaOH溶液を加え、1時間振とう後、同様に遠心分離。
↑振とう機。土壌(固体)を水やアルコールに溶かす。
⑤上澄み液を三角フラスコに取り、ホルマリン溶液5ml、1%TB指示薬を2滴加える。
⑥1/10N-NaOH溶液により淡青色になるまで滴定する。その後、諸計算。
↑滴定中の溶液。CEC、置換性塩基ともに、赤紫色から淡青色に変化する。この「淡青色」がとてもきれい。
<結果>
深さによって5層の土壌サンプルを用いましたが、浅い層から約55、43、34、43、16。実験地として妥当で、かつ、作物を育てるのに非常によい土とのこと。
【置換性塩基(CaO、Mg2O)】
土壌が陽イオン(養分)蓄えられる能力を示すCECに対して、実際、現在の土壌がどれだけの陽イオンを吸着しているのかを示したものが置換性塩基濃度です。CECは土壌固有で長い期間変わりませんが、こちらは施肥の状況によって刻一刻と変化するものです。なお、CECのうち特定の塩基(陽イオン)が占めている割合を飽和度[%]でも表します。
標準的な黒ボクではCaO、MgOそれぞれの飽和度が50%、15%と高い割合を占めます。うろ覚えですが、Caは植物の生育スピードに、Mgは開花・結実に大きく影響する元素です。
<測定法> ※容量、細かい作業は省いています
①CEC測定②の上澄み液にPH10の緩衝液(塩化アンモニウム+アンモニア水)を5mlと、EBT指示薬1~2滴入れる
②これを1/100M-EDTA溶液で滴定。淡青色で滴定終点。
⇒諸計算によりCaOとMg2Oの合量の濃度が分かる。
③CaO単独の測定では、CEC②の上澄み液に蒸留水、PH12の緩衝液、トリエタノールアミン1滴、NN指示薬少量を加えて②と同様の方法で滴定。
⇒ついで、Mg2Oの濃度もわかる。
<結果>
1層目はCaO、Mg2Oそれぞれの飽和度が55%、12%と標準に近い。2層目、3層目はMg2Oが0.6%、6.0%と下がり、測定ミスかもしれないし、ありえない値でもないとのこと。値が正しければ、Mgが多い堆肥を与えるというアクションに結びつく。
次回は、食物加工の実習(=調理実習!)について簡単に書きます。
以上


