毎年この日は「十日市」 | 馬の会長日記

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「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

毎年12月10日は、大宮の氷川神社で暮れの最大の催事「十日市」が行われる日。

「十日市」と書いて「とおかまち」と読むのですが、新潟の「十日町」とはまったく関係ありませんよ。

縁起物の熊手を売る「酉の市」の事なんです。
本来、熊手市は酉の日に立つので「酉の市」と呼ばれますが、
大宮氷川神社では毎年10日に行われるから「十日市」と呼ぶんです。

正式名「武蔵一宮氷川神社」は200社以上ある氷川神社の総本社。
「大宮」という地名もこの氷川神社があるからこそ付けられました。

毎年日にちが決まっているお祭りなので曜日は定まらず、今年は平日となりましたが、
大宮区民としては仕事を早く切り上げてでも行かなければなりませんね。

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この「十日市」は、毎年11/30~12/11の12日間にも渡る氷川神社の長い神事「大湯祭」の一部で、
古くは大きな釜で湯を沸かし、清めの儀を行っていたというのが「大湯祭」。

その「前齋」として12/9までの毎晩19時半頃からの境内には篝火が炊かれ、無病息災や火防を祈願し、
12/10の「本祭」では15時から「百味膳」(ひゃくみぜん)という海川の物八種、山野の物八種で
一膳とした神饌を百膳お供えします。

その「本祭」に合わせて参道に熊手市が立ち並ぶのが「十日市」なんです。

また、12/11には「後斎」があり、「饗膳式」という古式の直会の儀が行われ
摂社、末社を順拝し神楽殿で直会をするそうです。

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「十日市」の日、12/10になったばかりの深夜0時頃から参道は賑わい、
毎年1000~2000軒もの露店が並ぶんですよ。

もっとも賑わっているのは、参道が県道2号線「さいたま春日部線」と交わる「二の鳥居」の辺りから。
大宮アルディージャのクラブショップ「オレンジスクウェア」がある辺りですね。

ちなみに「一の鳥居」はさいたま新都心駅の近くにある長い参道です。

もう昼間は悪天候だったのに夜には雨もあがったせいか、スゴい人、人、人!

実はボク、この「十日市」には初めてきた訳ではないんですよ。
有名なお祭りですからね、以前埼玉に住んでいた時にも来てはいたのですが、
どうも混雑していて身動きが取れなかったという思い出だけが残っていて・・・

でも長く新潟にいて考え方が変わったのかもしれません、
地元の賑わいにはやっぱり参加しないと損ソンって思うようになりました。

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露店は参道の両脇と、さらにはその左右の道路も通行止めになっていて3本の道に並んでいます。

でも何となく暗黙のルールで、真ん中の参道は神社に向かう人の流れ、
その左右は参拝の帰り道という一方通行な感じでなっていましたが、
まあどこでも流れに逆らう輩はいるもので、逆流している人がいれば流れが止まったりしていましたよ。

露店は定番のものはもちろんですが、初めて見るような珍しいお店もたくさん。

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「たくあん屋」「つくだ煮屋」「あゆ焼き」、なぜかたくさん見かけた「川エビ屋」。
またこの「十日市」の名物露店にはその場で好みに調合してくれる
「七味とうがらし屋」なんていうのもあります。

特に人だかりが出来ていたのは「飴細工屋」。
ボクも小さな頃、この手品の様な手さばきに目をキラキラさせて見ていましたが、
息子も同じ目をして見ていましたよ。

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お祭りっていいですねぇ~見ているだけでもワクワクしちゃいます♪

ただし警察の方から『「十日市」は23時までですので、それまでに露店は撤収できるように。
時間になったらきっちりと消灯をしますのでよろしくお願いします!』と放送が入りましたよ。

なんだかシラけさせる放送でしたたが、これだけ人や露店が集まるお祭りなので
ビシッと仕切らないとダメなんでしょうね。

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でもこれだけ魅力的な露店が立ち並んでいるのにちょっと失敗した事が・・・
実は直前に大宮駅付近で夕食を食べてきちゃったんですよねぇ。

食べ物露店が多いのに、あまり食べたいモードになれず見ているだけ・・・

それなのに、即買いした露天がありました!
見た瞬間、自分の目を疑ってしまいましたよ、

そこにあったお店はなんとあの、ポッ、ポッポポポ・・・

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新潟名物「ポッポ焼」のお店だったんです!

新潟でお祭りがある度に必ず買っていた、白山神社に行くたびに絶対口にした、
愛して止まなかったあの味に、まさか埼玉県でも出会えるなんて~♪

新潟名物と言っても、新発田から発祥した下越地区の限られた地域の超ローカルグルメなんですよ。
新潟県でも全土に広まっていないのにまさかこんな所で味わえるとは夢にも思っていませんでしたよ。

先にいたお客さんもやっぱり新潟出身の方みたいで『ついつい懐かしくて立ち止まっちゃった』と。

周りの流れるお客さんからは『ポッポ焼ってなんだ?』と声が聞こえてきましたが、
まだやっぱり県外の人には知られていない様子。

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新潟の露店ではやっていない試食をやっていたのは効果的かもしれませんね。

ボクは思わずうれしくてお店の人に「つい最近まで新潟にいたんですよ!」って、
ちょっとだけ世間話をしちゃいましたよ。

すると、なんと出身はボクが住んでいたところのメチャメチャご近所さんでしたぁ。

どうやら県外に露店を出したのは今回が初めてだそうで、
もしかしたら関東初進出の瞬間に立ち会えたのかもしれません。

ボクは「ポッポ焼うめぇ~」って少し大きめの声でアピールしておきました。

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息子がやりたがった「スーパーボールすくい」をやり、
「甘酒」で身体をあたためながらゆっくりと歩いて「三の鳥居」を境内へ入ると
そこから一気に風景は変わりました。

ここからがまさに華やかで活気がさらにあふれる「十日市」の核。
天幕に覆われた色とりどりで煌びやかな熊手市が立ち並んでいますよ。

熊手以外にも、神棚やだるま等も売られていますが、やはり皆さんのお目当てはこの縁起物の熊手でしょう。

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熊手は幸運や金運を「かき集める」という意味があって、商売繁盛の縁起物と飾るのが主なので、
この熊手を買っていくのは自営業の方が多いみたいです。

並んでいる熊手にあまりしっかりと値段が明記されていない事が多いのですが、
小さいのは1000円から、大きく華やかになっていと数十万円から100万近くするのもあるそうですよ。

いかにもお金持ちの社長さんって感じの人が巨大熊手を担いでいると、
みんなの目線が『スゲぇ、あれっていったいいくらするんだろう?』と注目を集めます。

熊手は前年よりもどんどん大きくしていくというのが商売繁盛等につながるとされているので
来年はどれだけ大きなものを買うのだろう?

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もちろん商売人じゃなくて一般の人が「家内安全」とかの意味を込めてささやかな熊手を買うこともできます。
縁起ものなので値切りの交渉も出来ますが、引いてもらった分はご主義として渡すのが粋だとか。

熊手を買うとだいたいその場で熊手に名前や店名をつけてくれたりするのですが、
さらにお店から威勢のいい三三七拍子のサービスが。

『○○会社の、商売繁盛を願って~ よぉ~お!』などと威勢のいい声が響き渡る中、
豪華な熊手を高々と得意気に掲げている人の姿もなんだか景気が良さそうで、少しあやかりたですね。

ただ、ちょっと逆にささやかな熊手を買いたいという人には買いづらい雰囲気でもありますが・・・

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賑やかな市を抜け、神池にかかる赤い太鼓橋を渡るとライトアップされた桜門が。
ここから神聖で厳かな空気に変わります。

何度も神社に訪れている息子も手水舎で順番通り手を清め、桜門で帽子を脱いでから一礼。
そしてしっかりとお賽銭を投げ入れ、二拝二拍手一拝をしました。

さて、しっかりとお参りもしたし、我が家はどんな熊手を買おうか?

実はお札やお守りを販売する新しくなった氷川神社の神札所でも熊手を買う事ができるんです。
小が1000円、大が3000円。

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神社のはお店で売られているものよりもシンプルで質素。
同じ値段を出してもお店で売られているものの方が豪華なんですよねぇ。

どっちを買うか迷うなぁ・・・と思っていた時、ここで熊手を買っている周りの人の声が耳に入ってきました。
『露店で売ってる熊手は豪華だけど、やっぱりちゃんと神社ものを買った方がご利益はあるでしょう』

いや、実際のところどうなのかはわかりませんが、それって気持ち次第ですよねぇ。
露店で売ってるものには、ナゼかアンパンマンやキティちゃんがくっついているのもあったりで、
妙にその人の声に納得しちゃいましたよ。

まあ値段もわからない、種類もたくさんある露店の熊手が選びづらかったというのがホントですが。

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で結局、我が家と実家、弟家に1本ずつ氷川神社の熊手を買い、
最後は大宮公園内にもつづく露店で「今川焼」を買って家に帰りました。

これまで縁起物の熊手を買った事なんてなかったけど、大宮の氷川神社の冬で一番盛り上がるお祭りに参加し、
これでもう一歩さいたま市民になれた気がしました。