ここで温泉と言えば、湯野浜温泉、福島県の東山温泉と共に「奥羽三楽郷」に数えられる「上山温泉」!
「上山温泉」にはたった100円で入場できる7軒もの共同浴場があるのですが、
それは街の人が入る銭湯みたいなところで、
洗髪料が別料金で100円かかるなどのローカルシステムなどもあり、
それは街の人が入る銭湯みたいなところで、
洗髪料が別料金で100円かかるなどのローカルシステムなどもあり、
出来れば今回ボクはシャンプーなども常備されていて、
少し休憩もできるような日帰りも受け付けている温泉宿にしようと思っていました。
少し休憩もできるような日帰りも受け付けている温泉宿にしようと思っていました。
そこで今回お邪魔したのは、「湯町」にある「ふぢ金旅館」さん。

「上山温泉」は「湯町」「新湯」「十日町」「河崎」「高松」「葉山」「金瓶」と
7つのエリアに分かれているのですが、ここ「湯町」は小さな家族経営の旅館が多く、
古き良き湯治場の雰囲気も残している街並みなのです。
そこにある「ふぢ金旅館」さんもそんな懐かしい雰囲気があって、
玄関をガラガラと開け、「ごめんくださ~い」と中に向かって呼んでみても返事が帰って来ない。
玄関をガラガラと開け、「ごめんくださ~い」と中に向かって呼んでみても返事が帰って来ない。
鍵も閉まってないけど、誰もいないのかなぁ?と思ってもう何度か呼んでみたら
外から『はい、はい、すみませんね~』と玄関の外から、旅館のお婆ちゃんが現れました。
外から『はい、はい、すみませんね~』と玄関の外から、旅館のお婆ちゃんが現れました。
なんだかまさに映画の「ALWAYS 三丁目の夕日」を思い出す光景です。

お風呂は一人ずつ入る小さな浴槽か、家族で入れる大浴場の2つがあるそうなのですが、
それは男風呂女風呂と分かれている訳でなく、順番に1組ずつ貸し切り状態で入っていくシステムらしく、
小浴槽ならすぐ入れるのですが、大浴場には今お爺ちゃんが入っているとのことでした。
特にボクらに急ぐ用事もないので、せっかくだから大浴場が空くまで待つ事に。
こたつの部屋で、みかんとお茶を口にしながらお婆ちゃんから
ウチの息子と同じぐらいの孫娘さんのお話を聞かせてもらって時間をつぶしていましたよ。
ウチの息子と同じぐらいの孫娘さんのお話を聞かせてもらって時間をつぶしていましたよ。
なんだかホントに田舎のお婆ちゃんちに来たような不思議な気分。
思わずボクが「お婆ちゃん」と呼んでいたら、後で相方に『せめてお母さんと言いなさい!』と
怒られてしまうほどくつろいでしまいました。
怒られてしまうほどくつろいでしまいました。
って、息子もくつろぎ過ぎで、こたつにあったミカンを
自分で丁寧に皮を剥いていつの間にか食べていました・・・
自分で丁寧に皮を剥いていつの間にか食べていました・・・

しばらくするとお爺さんも上がられてきたので、家族3人で入ることに。
なぜ、7つものエリアがあるところからこの「湯町」を選んだのかは理由があるんです。
実はここ「湯町」は「上山温泉」発祥の地で一番古くから温泉がわき出ているところなのです。
開湯は約500年前で、肥前出身の僧侶「月秀」が、水場で傷を癒している鶴を見て発見したとされていて
古くは「鶴脛の湯」とも呼ばれたんだそうですよ。
開湯は約500年前で、肥前出身の僧侶「月秀」が、水場で傷を癒している鶴を見て発見したとされていて
古くは「鶴脛の湯」とも呼ばれたんだそうですよ。
温泉場には鶴やら白鷺の伝説がよくありますが、やっぱりせっかくですから
この「元祖・上山温泉」をまずは味わいたいですもんね。
この「元祖・上山温泉」をまずは味わいたいですもんね。
それにもう一つ理由があって、この昔からある小旅館が並んだ「湯町」は、
江戸時代には当地に上山城および上山藩が置かれ、温泉地としてのみならず城下町として、
また羽州街道の宿場町としても賑わいをみせたんです。
江戸時代には当地に上山城および上山藩が置かれ、温泉地としてのみならず城下町として、
また羽州街道の宿場町としても賑わいをみせたんです。
代々と引き継がれ、これまで生計をたててこられた自然の恵みに感謝し、
お湯をとっても大切に扱う「湯遣い」がいるところが多いと評判なんですよ。
お湯をとっても大切に扱う「湯遣い」がいるところが多いと評判なんですよ。
共同浴場にはない、代々伝えられてきたお湯へのこだわりがあるんですね。
ここ「ふぢ金旅館」も例外ではなく、加水、加温、循環もしない源泉100%かけ流しの良質なお湯です。
源泉は、上山1号と2号の混合泉で、泉質は「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉」で、
身体の芯からあたたまる効果があるのにも関わらず、温度は43℃とやや高めなのでかなり熱く感じます。
身体の芯からあたたまる効果があるのにも関わらず、温度は43℃とやや高めなのでかなり熱く感じます。
そういったお湯のため、多くの人が入る共同浴場は誰もが入りやすい様に
きっと加水をしてうめているのかもしれませんね。
きっと加水をしてうめているのかもしれませんね。

また、お湯の色は無色透明、やや灰色の湯の花があり、臭いも微かに香ばしい様なしょっぱい様な・・・
これが温泉通がよく表現する「芒硝臭」っていうやつかな?
そしてとろみがあり、炭酸泉ではないのにややピリピリとする肌触りでした。
お婆・・・お母さんが『ここのお湯に浸かると2時間は湯ざめしないよ』と言うのがまさに肌で感じられましたよ。
見た目は普通のお湯に見えますが、ここまでの濃厚さを感じられるのもやっぱり、
昔からお湯を大切にしてきた人が提供してくれたからこの濃厚なお湯を味わえる事ができたんでしょうね。
昔からお湯を大切にしてきた人が提供してくれたからこの濃厚なお湯を味わえる事ができたんでしょうね。
『良質な食材があっても、味はそれを調理する者の腕次第』と同じように・・・
さらにここ「ふぢ金旅館」は宿泊客でなくても遅くまで日帰り入浴を受け付けているし、
大人400円(子ども200円)という良心的な旅館でした。
大人400円(子ども200円)という良心的な旅館でした。
いいお湯を、ごちそうさまでしたぁ~♪
上山温泉「ふぢ金旅館」 山形県上山市湯町4-1 電話:023-672-0102 日帰り入浴時間: 10時~22時 入浴料:大人400円、子ども200円
お風呂に入る前に旅館のお母さんとは、「上山競馬場」や「上山城」のお話もしました。
開催時期には温泉場への宿泊客で賑わった「上山競馬」は2003年に廃止されてしまい、
現在スタンドをそのまま活用して「ニュートラックかみのやま」として
地方競馬の馬券の場外発売所となっているそうです。
現在スタンドをそのまま活用して「ニュートラックかみのやま」として
地方競馬の馬券の場外発売所となっているそうです。
もともと地域に深く密着した闇競馬からの発祥だったり、
レースに自分の名前の冠を付けられる個人協賛競走を日本で初めて実施したり、
競走馬は11歳になると引退になる事に定め、年末に全馬が引退レースとなる10歳馬限定戦を行なったり、
あの大逃げで競馬ファンをわかしたツインターボが移籍していったりと、
レースに自分の名前の冠を付けられる個人協賛競走を日本で初めて実施したり、
競走馬は11歳になると引退になる事に定め、年末に全馬が引退レースとなる10歳馬限定戦を行なったり、
あの大逃げで競馬ファンをわかしたツインターボが移籍していったりと、
何かと日本の競馬界を牽引したり話題となった「上山競馬」に今会えないのは残念に感じました。
またこの辺りのシンボルになっている「上山城」はこの旅館街から近いと言うので
せっかくだから行ってみることにしましたよ。
せっかくだから行ってみることにしましたよ。

小高い丘の上、月岡神社境内の月岡公園にライトアップされた妖艶な「上山城」。
「上山城」は別名「月岡城」と呼ばれ、1535年に武永義忠が
高楯城の小簗川氏を滅ぼした後に月岡、天神森に築きました。
高楯城の小簗川氏を滅ぼした後に月岡、天神森に築きました。
復元後の今では中にはエレベーターもある鉄筋コンクリート製の「郷土歴史資料館」だったりもしますが、
上山満兼が伊達氏と中山、川口で戦ったり、
山形城の城主、最上義光の内応により里見民部が城代になったり、
伊達政宗や上杉軍と争ったりと多くの歴史の舞台になっているんですよ。
上山満兼が伊達氏と中山、川口で戦ったり、
山形城の城主、最上義光の内応により里見民部が城代になったり、
伊達政宗や上杉軍と争ったりと多くの歴史の舞台になっているんですよ。
ここから見る上山の夜景に、不自然なほどの41階建ての巨大なビル
「スカイタワー41」が右手に浮かんでいますが、
ここは「羽州の名城」として広く伝わった最上氏の最南端の支城「上山城」。
「スカイタワー41」が右手に浮かんでいますが、
ここは「羽州の名城」として広く伝わった最上氏の最南端の支城「上山城」。
そんな大きな現代の城にも引けをとらない風格がありました。

さあ、お風呂も入ったしきっと息子も帰り道で寝てしまうと思うので、
あとは夕飯を食べて新潟に帰りましょう!
上山は「蕎麦の里」としても有名で、山形と言えば太い十割の田舎蕎麦というイメージも強いのですが、
城下町だからなのか、上品な中細の更科系、二八蕎麦が主になっています。
城下町だからなのか、上品な中細の更科系、二八蕎麦が主になっています。
そして、かみのやま温泉そば街道「明日のそばを語る会」というのがあり、
そのメンバーは蕎麦屋7軒、18名で構成された組織で、お互いに知恵と技術を磨き合い、
上山の美味しい蕎麦作りに日々努力を費やしているのだそうですよ。
そのメンバーは蕎麦屋7軒、18名で構成された組織で、お互いに知恵と技術を磨き合い、
上山の美味しい蕎麦作りに日々努力を費やしているのだそうですよ。
今回はその1つ、「新湯」エリア「上山城」のすぐ近くにある
湯蕎庵「味津肥盧」に行ってみました。
湯蕎庵「味津肥盧」に行ってみました。

さすが映画「おくりびと」のロケ地にもなった「上山温泉街」にあるお店らしく、
店内にある囲炉裏があたたかな気持ちにさせてくれます。
店頭には『本日の蕎麦は上山産「でわかおり」を使用しております』と書いてあり、
そういった心遣いが期待を高めてくれますね。
そういった心遣いが期待を高めてくれますね。
この季節だからもちろん新蕎麦。
それを石臼でじっくりと自家製粉し、丹念打った白いお蕎麦は
きめ細かくてのどごしも良く、それでいて香りも高く嗜好の至幸の逸品。
きめ細かくてのどごしも良く、それでいて香りも高く嗜好の至幸の逸品。

それをボクらは、きざみ葱、とろろ、なめこおろし、すじ子、黄金イカ納豆、などの5つの薬味で食べる
このお店のオススメ、「割子そば」(1,600円)をいただきました♪
ちょっとお高目ですが、5層になったお蕎麦の量は1.5人前はあり、
えび、キス、カボチャ、ピーマン、茄子の天ぷらも付いて大満足。
えび、キス、カボチャ、ピーマン、茄子の天ぷらも付いて大満足。
色々な味が食べられてうれしかったですが、ボクはやっぱりこのこだわりお蕎麦は
シンプルにきざみ葱で食べるのが一番だと思いましたよ。
シンプルにきざみ葱で食べるのが一番だと思いましたよ。
こだわりの上山のお蕎麦でとってもいい旅の締めくくりができました。
ごちそうさまでしたぁ~♪
湯蕎庵「味津肥盧」(みつひろ) 山形県上山市新湯6-34 電話:023-672-3815 営業:11時~20時 定休日:木曜日
さて、このまま帰ろうとも思いましたが、お店を出ると目の前に「足湯」発見!
ここ上山温泉には5つの「足湯」があるそうですが、
見つけちゃったら浸かって行かない訳にはいきませんね。
見つけちゃったら浸かって行かない訳にはいきませんね。

ちょっと肌寒くなってきた季節、勤労感謝の日ということで癒しの旅に山形へ。
温泉で身体もあたたまり、風情のある風景に心あたたまり、
旬の味にお腹もあたたまった旅となりました。
旬の味にお腹もあたたまった旅となりました。
あまりにも心地よくなったために帰り路はちょっと眠気との戦いでしたが・・・
ちなみにこれが今回の戦利品です↓

山寺のお守りや参拝記念バッジ、蔵王のワインに月山地ビール、ラ・フランスジュース、
だだちゃ豆饅頭や東北限定じゃがりこのずんだ味、紅花入り庄内麩のクッキー、さくらんぼのお菓子。
さらには名物の風林堂「のし梅」の姉妹品の「のし山ぶどう」。
約2合入った山形産のブランド米「つや姫」はお気軽に買えてなかなかいいアイデアですね♪