雪国の晩秋を彩る「菊まつり」 | 馬の会長日記

馬の会長日記

「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

最近、公私共に何かとめちゃくちゃ忙しい上に、そんな時に限って体調不良。
ん~休めない・・・重なる時は重なるもんだ。

でも、過ぎ去る季節は待ってくれないですよねぇ。


今週はまったく太陽も顔を出さず、雪国の冬ももうすぐそこまで来ているお天気になっちゃっていますが、
先週の日曜日はお天気に恵まれたので、ちょっと「弥彦神社」まで足をのばしてきました。

「弥彦神社」の境内では毎年11/1から11/24まで、
出品者数や出品品目において全国随一の規模を誇る「新潟県菊花展覧会」、
通称「弥彦菊まつり」が行なわれていて、秋の風物詩としてたくさんの人で賑わうんですよ。

残念ながら、雪などで腐らない様に支柱が浮いている名物の正面鳥居は改築工事中。

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これまで何度か「弥彦菊まつり」には行った事がありますが、
あまり時季が遅くなると菊もしおれ、寒さも厳しくなってしまうので今回は早目に訪れることにしました。

でも、みんな考える事は同じなのかなぁ?
岩室から弥彦方面に向かう道は駐車場待ちの渋滞でしたよ。

あと七五三の時期でもありますし、それからこの日を含めた11/3(土)、4(日)は
参道へとつづく神社通りが歩行者天国になっていて、様々なイベントも行なわれていたんです。

ボクらが到着した時は、威勢のいい声と共に「よさこい演舞」を見る事ができました。

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踊るのが好きな息子も目の前で見る「よさこい」に圧倒されていましたよ。

参道の左右には県内外の菊作り愛好者が1年間丹精込めて育てた色彩豊かな名作がズラリと並んでいます。

1本の菊から数百の花をつける大菊や、中菊の古典菊の子菊懸崖、小菊の盆栽などなど、
様々な菊花に彩られ華やかです。

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今年で第52回を迎える「弥彦菊まつり」は約3000全点の作品が集まったそうですが、
例年よりちょっと少なめで、その出品者数の減少に歯止めを掛けようと今年は
審査部門に「女性の部」など2部門が新設されたそうですよ。

と、菊観賞の前にちょっと寄り道。
まずは「神鹿」にご挨拶。

境内には「鹿苑」があり10数頭の鹿が迎えてくれます。

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そしていきなりですが、毎年この「弥彦菊まつり」で最も話題になっている「大風景花壇」とご対面。

毎年テーマを変えて作られる「大風景花壇」は、新潟県菊花連盟の皆さんが半月かけて約60畳もの敷地に
土を盛り、3万本もの挿芽小菊を1本1本丁寧に手作業で作られた大作なんです。

毎年大迫力で、訪れる観菊者を魅了していますよ。

気になる2012年の「大風景花壇」テーマは 『天の岩戸』(あめのいわやと)。

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今年は日本最古の歴史書「古事記」ができて1300年だそうで、
それを記念して、「天照大御神」が弟神「須佐之男命」の乱暴に悲しみ隠れたとされる
岩屋「天の岩戸」をテーマにしたんだそうです。

「弥彦神社」と「古事記」がなんのつながりがあるのだろう?と疑問に思うかもしれませんが、それが大あり!

実は弥彦神社の御祭神「天香山命」は、「天照大御神」の曽孫なんですよ。

だから今年の「大風景花壇」はなおさら神々しさを感じるのかもしれませんね。

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さて、毎回驚かされるのですが、一言で「菊」と言っても色んな見せ方があるんですね。

いろいろ解説したいところですが、ボクには奥が深すぎてわかりません。
まあ、見ているだけでも心を奪われる花には多くの言葉もいりませんよね。

きっと、上の写真は一輪菊の「大菊」で「管物」と呼ばれる種の「細管」という種類らしく、
花ビラが管状になっていて直線的に放射状にのびるもの。

息子は『花火~』と言ってよろこんでました。

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また、菊の種類は多いと聞いてましたが、こんな珍しいのもありました。

これも「大菊」の仲間だと思いますが、「一文字」と書いてありお皿のような紙の上にのっていましたよ。

「大菊」の中でも唯一の一重咲きだそうで、花びらの数は16枚が理想とされるらしいです。
天皇、皇室の紋章みたいなので「御紋章菊」とも呼ばれるそうですよ。

「菊一文字」という名は鎌倉時代初期の名刀、新選組の一番隊組長沖田総司の愛刀でも知られますが、
まさに凛とした緊張感のある趣ですね。

息子もそれを感じて・・・って、あれれれ?

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息子は菊より水路に夢中。

溝(新潟弁では「えんぞ」)を流れる水に葉っぱを投げ、それが流れていくのが面白いらしく、
なかなか前に進みませんよ。

前に進まないどころか、水の流れにそってどんどん後戻り・・・

ボクも幼頃、そうやって遊んだ覚えもあるので気持ちはわかりますが、
いいかげんエンドレスなので他の事に気をそらさせて強引に行くしかありません。

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息子も初めて来る神社ではないのですが、落ち着きも無くキョロキョロ。

そんな事だから本殿の前の門でツマづき転んでしまいました。
上の写真はその直前の写真です。

本殿の背には紅葉に彩られた鮮やかな「弥彦山」が見えました。

目の前の木々はまだ青々としていて残念なことに紅葉観賞するにはまだちょっと早かったですが、
すぐそこまで深い秋が訪れているんですね。

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さて、しっかりと「おやひこさま」をお参りしましょう!

さんざん神社に行き慣れている息子なので、基本的な作法の「二拝二拍手一拝」はお手の物なのですが、
実はここ「弥彦神社」は、出雲大社や宇佐八幡宮と同じ「二礼四拍手一礼」なのです。

なので息子に「パン!パン!パン!パン!」ってやるんだよ、って言っていたら
なにやら目の前のカップルがこっちを横目で見てヒソヒソ・・・

ボクは「ちゃんとそのカップルもわかってくれたかな?」と思ったのですが、
見事その2人は『パン!パン!』とお参りしていました。

もしかしてボク、そのカップルに『このお父さん、間違った事を子どもに教えてるぅ~』なんて
ヒソヒソ言われていたのでしょうか?

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さあ、気をとりなおして再び菊観賞しましょう!

境内では一本の幹から伸びた「子菊懸崖」や、
1000輪近くの菊花を円形に仕立てた「大数咲」などが見どころですが、
最初の週末に来てしまったのでまだ七分、八分咲きのものも多かったです。

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「弥彦菊まつり」は約4週間やっていますが、以前、会期の終わり頃に行ったら、
花がしおれてたり、枯れているものもありました。

花がつぼみでもなく、しおれても無い、真ん中の2週間が見頃かもしれませんね。

中には形式にとらわれないタイプのものもあって、なかなか面白かったです。

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また、今回は「小菊の盆栽」なども様々な種類が見られ、華やかさや繊細さ、
ダイナミックさなどが表現されていましたよ。

根を剪定し木に這わせる「木付」。

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岩に根を這わせる「岩付」。

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鉢を盆に見たてた、そこに世界観を築く「盆景」。

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いくつかの鉢を置いた間やバランスを感じる「席」。

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さて、息子はこういった「わび」「さび」がわかるでしょうか?

って、ボクもこれを見て「盆栽をやられる人はプラモデルのジオラマ作りをやる感覚に近いのかなぁ?」
なんて、菊愛好家に怒られそうな発想をしちゃいましたが・・・

で、息子に「どの菊が好き?」と聞いてみて、『これ!』と指さしたのは、
ボクも「菊」と言ったら一番最初に思い浮かべるこの形。

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これは「大菊」の分類で花ビラが厚い「厚物」というものです。

数百枚の花ビラが中心に向けて鱗状にキレイに高く盛り上がったものが美しいとされているんですよ。

また、下に花ビラがたれているのは「厚走り」と呼ばれ、
「厚物」から袋状で真っ直ぐ長いく放射状に付いたものがいいとされているんです。

何だかこれを見ると、なぜか競馬の『菊花賞』連想してしまいますよ。

そんなことばっかり言ってるとホント怒られちゃいますね。
でも、花の楽しみ方に形なんてないですよねぇ?

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参道の途中には「菊ようかん」や「菊入りたまごまんじゅう」がありました。

それにもともと新潟はこういった観賞用菊の他に「かきのもと」という食用菊を食べる風習があるって
先日の「秘密のケンミンSHOW」でも紹介されていましたしね。

春菊があんまり好きじゃないボクも最初は抵抗ありましたが、
もうこの時季は「かきのもと」を食べないと秋を迎えた気がしませんよ

目で見て良し、舌で味わっても良し、香りは・・・あんまり好きじゃないけど、
菊って花は素晴らしいですねぇ。

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で、結局最終的には「花より団子」。

またまたボクの「弥彦神社」定番! 「おでん」と「甘酒」♪

さらに参道のお土産屋では「銀杏」をゲットし、家に帰って紙袋に入れてレンジでチン☆
秋の味覚をいただいちゃいましたぁ♪

さらにこのあと日帰り温泉に浸かって帰るのが定番なのですが、
ここから近場で人気の「さくらの湯」などはこの「菊まつり」の影響で混んでいると思い、
「弥彦スカイライン」の紅葉を横目に見ながら、日本海沿いに出て「太古の湯」に行きました。

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きっと、この日はこっちに来て正解♪

ナゼか入浴料600円のところが500円の特別料金になっていて、
しかも日本海に沈むキレイな夕日を眺めながらあったまりましたよ。

もうすぐ新潟には冬がやってきますが、そんな短い雪国の秋を五感で満喫しちゃいましたぁ♪