奇跡の新幹線 | 馬の会長日記

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「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

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先日9/2(日)は車を西に走らせ、長岡市は関原の丘陵にある
「新潟県立歴史博物館」に行ってきました。

お堅い施設名ですが、この日は真面目に歴史のお勉強なのです!

新潟県に住んでいるからには新潟の歴史もちゃんと勉強をしておかないとね・・・

なぁんて、確かにその通りなんですが、さすがに2歳の息子にはまだ理解できないでしょうね。

実は今回ここに行った目的はこれなんです↓

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『上越新幹線開業30周年記念展「奇跡の新幹線」-開業、震災、そして30年-』

実は一般の観覧料が800円と、そこそこいいお値段のチケットをもらっていたんですよ。

まったく前情報が無く、新幹線も好きな息子が楽しめるのかはよくわからなかったのですが、
夏休み特別企画展示として7/28(土)~9/9(日)に行なわれているので大丈夫かな?

開催期間があと1週までに迫っていたのでせっかくだから長岡だけど行っておこう!
ということになったのです。

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ただし、こういった企画展示のほとんどはブロガー泣かせの撮影禁止だったりするんですよねぇ・・・

まあそれも撮影禁止を条件に借りている資料があったりするのでしょうがないですが、
その中でもたった1部だけ、「長岡鉄道模型クラブ」の協力によって行なわれている
「鉄道模型走行実演会」の様子だけが撮影可能だったので、

その「Nゲージ」の走る様子と共に簡単にこの「奇跡の新幹線」展をご紹介しますね。

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まあ、結論からいいますと息子にとってはかなり退屈な展示だったと思います。

それはまさに「歴史博物館」というだけあって、新幹線の歴史を学ぶ展示でした。

さすがに2歳児にはまだ早かったかなぁ・・・

でも、この日本の高度経済成長期を築き上げて行った新幹線の歴史を知る事は
日本人としてとっても大切なことで、
ぜひ小学生くらいのお子さんからは見て欲しい物でもありましたよ。

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まず、入り口に掲げられていたのは2004年10月23日に多大な被害をもたらした
「新潟県中越地震」の時に浦佐駅-長岡駅間で脱線した上越新幹線「とき325号」の大きな写真です。

新幹線が脱線したというのは日本ではこれまでにない事で、
緑と青のラインの200系の車体が多くく傾いている姿は
この地震の大きな破壊力を象徴する写真となりましたが、

同時にこれだけの大事故にも関わらず乗客155人全員が無傷でいられたという
まさに新幹線の安全面を改めて証明する出来事でもあったのです。

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そんな「新幹線つくった男」と称されているのが「島秀雄」という人物。

きっとこの展示で一番来館者に知って欲しかったところなんだろうなぁと思えるほど
鉄道技術者「島秀雄」という人物像が細かく書かれていました。

若い頃には機関車「D51」開発に力を尽くし、その後国鉄に入社してからは
当時、国鉄総裁であった十河信二の支援の元、国鉄技師長として新幹線事業に取り組みます。

そして1964年、東京オリンピックを前に悲願の東海道新幹線、東京~新大阪間の開通にこぎ付けますが、
実はその開業式に「島秀雄」の姿はありませんでした。

それは当時、「島秀雄」の恩人でもあり国鉄総裁であった十河信二氏が
赤字の責任を取らされて国鉄を辞めることになったので、
その後を追い「島秀雄」も国鉄を辞めていたからですなんですよ。

このように新幹線を完成することに技術者としてクールに熱意を傾けたと同時に、
恩を大切にするという熱い心を持つ人間身あふれた人の手によって、この新幹線は生まれたんですね。

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ただ、この基盤には戦前からあった「弾丸列車計画」にありました。

東京から下関駅、そしてそこから「朝鮮海峡海底トンネル」を経て、
釜山から北京までを時速200㎞で走る夢のような計画があったのですが、

昭和16年から実際に着工たたものの戦争が激しくなった昭和19年に中止になったものです。

それを計画した第一人者はなんと、「島秀雄」の父親「島安次郎」なんですよ。

「車両の神様」と言われる「島安次郎」のこの計画があったからこそ
新幹線計画はよりスムーズにいったのだと言われているんですねぇ。

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さらには「島秀雄」の次男である「島隆」も鉄道技術者となり、東海道新幹線0系の台車設計をしたり、
東北&上越新幹線の200系の車両設計の責任者にもなっています。

新幹線が今もこうやって走っているのは、高速鉄道の技術が島家3代に
受け継がれてきたからこそだと思うとなんだかロマンがありますよねぇ。


そうして、東海道新幹線は予想を上回るほどの日本の経済活動に多大な影響を与えていき、
その結果から上越新幹線、東北新幹線、成田新幹線の3本を作る計画が立ったそうです。

成田新幹線だけは沿線自治体の建設反対運動が激しく中止となりましたが、
雪国を走る事になる上越新幹線、東北新幹線も開通までの道のりは決して楽なものではなかったそうですよ。

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特に上越新幹線は三国山脈を通過するためトンネルの工事が大きな壁として立ちはだかり、
中山トンネルの工事では掘削時に異常湧水に悩まされ続け、
当初の予定から大きく迂回する計画に2度も変更することとなりました。

さらに、大清水トンネルの工事では火災が起き、16名の死者を出したのです。

そんな測り背れないほどの苦難があり東北新幹線との同時開業の予定だった上越新幹線は
5ヵ月遅れの1982年11月15日の開業となったのです。

それまで上越線の特急「とき」では新潟~上野間が4時間15分かかっていたのが
その半分位の時間で行けるようになったんですもんね。

これは新潟県民にとって大きな出来事だったと思います。

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そして、この時の上越新幹線の名前は速達タイプが「あさひ」、
各駅タイプが「とき」と名付けられたのですが、これらは一般公募された中から選ばれたそうです。

その時の面白いエピソードがあるんですよ。

公募で一番多く集めたのは「とき」だったのですが、なんと採用された「あさひ」は18位だったんです。

2位の「雪国」は暗いイメージがあるとして却下されたりなど、いろいろ理由づけされていたのですが、
5位の「えちご」は公募したハガキの中に「越後」と書かれているにも関わらず
そのふりがなが「いちご」と記されてあったのです。

それで、「え」と「い」をハッキリと発音出来ない新潟人の悲しい性に気づかれ
「えちご」は却下となった訳なんです。

思わずそれを読んでて笑っちゃいましたよ。

まあ結局「あさひ」は長野新幹線の「あさま」が登場した時に無くなっちゃったんですけどね。

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また雪に対抗するために開発された雪国仕様ボディーの200系新幹線の
実物のパーツがたくさん展示してあったり、
上越新幹線建設に伴って行われた「三ツ寺I遺跡」の発掘調査では豪族居館が発見された事、
さらには鉄道博物館でもめったに見られない個人所蔵の展示物も多く、
単なる鉄道マニア向けではない、新幹線という物が誕生することによって
色んな事が社会的に動いたという事を知る、
まさに「歴史博物館」らしい企画で、ボク的にはなかなか良かったです。

ただ、やっぱり息子は退屈・・・

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「鉄道模型走行実演会」の「Nゲージ」に興味をもってはくれましたが、案の定息子は触りたがります。

そして当然触る事はNG!

手持ちぶたさで、周りに張ってある赤い帯を触っちゃいますが、それもNGで係の人に怒られてしまいました。

その赤い帯は『これ以上中に入らないでください』って意味なんだと思いますが、
ボクもコンパクトカメラのレンズがほんの2cmそれを越えてしまっただけで注意されてしまいましたよ。

さらにはあまりにも退屈なので、息子は大人しくしているはずもなく走ろうとする。

するとまた怒られる・・・揺れるからNGなの?
ボクらだけで何度怒られただろうか?

そんなにナーバスに注意ばかりする展示なら、夏休みで子どももたくさん来るんだし、
触れない様にガラスに入れて、耐震対策など展示の仕方を工夫すればいいのに・・・

NG、NG、NGばっかり、「Nゲージ」とはそういう意味なのか?と思っちゃうほどでした。

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まあ、夏休みは終わったみたいですが、この日も子ども連れでなかなか人も賑わっていましたよ。

そう思っていたらこの日は「新幹線展」の中で最高入場者数を記録した日だったそうです。
総入場者数は1,047人で、この「歴史博物館」が平成12年の開館以来、1,000人越えの日が
通算100日となったメモリアルデーだったみたいです。

あと一週間で終わってしまうから駆け込み乗車、ならぬ駆け込み入館だったんでしょかねぇ?


ある程度大きな子どもと大人は展示をちゃんと見ると答えがわかる
「クイズラリー」にも必死になっていましたよ。

全問正解になるとプレゼントがもらえると言うのでボクも答えを探していましたが、
これがなかなか大人でも難しい問題があったりするんです。

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でも、全問正解して「記念シール」をもらっちゃいましたぁ♪

・・・って、まさか出口のところに答えが展示してあるとは思いませんでしたが。

そして退館の時、アンケートに答えたら長岡市に関する絵ハガキももらっちゃいましたよ。

って、あれれ?もしかしてこの「新幹線」の企画展示の他に常設展示っていうのもあるの?

そりゃそうかぁ~

アンケートを見て初めて知りましたよ。

ん~時間がもう無いけど、常設展示にも行ってみます!


『上越新幹線開業30周年記念展「奇跡の新幹線」-開業、震災、そして30年-』

鉄ちゃんはもちろん、新潟の事をより知りたい方は欠かせませんよ。

今週末9/9(日)までなので、ぜひ!


・・・つづく。