夏の訪れを告げる「蒲原まつり」 | 馬の会長日記

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「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

この週末は、柏崎市の「えんま市」、村上市の「村上大祭」と並んで、「新潟三大高市」の一つとされている、
新潟市で行なわれている「蒲原まつり」に出かけてきました。

「高市」(たかまち)とは「縁日」を意味し、栗の木バイパスの沿道に約1㎞に渡って所狭しと
700店あまりもの露店がビッシリと並ぶお祭りで、

打ち上げ花火などの派手な演出はありませんが、お祭り期間の3日間には20万人以上の人で賑わう、
有名で素朴なお祭りなんです。

この写真は人が少なめの時に撮ったものですが、もう歩くのも困難なほどの賑わいなんですよ。
しかも、夜になるともっと混雑するらしいです。

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相方は幼い頃によく来たそうなのですが、ボクは新潟市に10年以上住んでいながら、
上記の二大高市には行った事があっても「蒲原まつり」は今回が初めてでした。

それも毎年6/30~7/3と日にちが決まっていて、梅雨時ということもあったし、
この辺りに駐車場も無いので歩いて行くしかなく、なかなか行く機会を逃していたのですよねぇ。

でも、今年は週末とも重なり心配はお天気だけ・・・

新潟駅を降りて会場まで15分ぐらい歩いていると雨がポツポツ降ってきましたが、なんとかもってくれよ~


会場に到着すると、やっぱりスゴイ人と露店の数に圧倒されました。

その迫力に魅せられ写真を撮りまくっていると、目の前に明らかに常人とは違う
かなり目立っている大きな人がボクのフレーム内に入ってくるんです。

ってあれれ? 良く見るとなんとその人は!?

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その前日にビッグスワンで好セーブ連発していた、今アルビレックス新潟のGK、
東口順昭選手とそのご家族さんではないですかぁ!?

ご家族と一緒にプライベートを過ごされる選手には、声をかけないように気を付けているのですが、
突然のことだったし、それに東口は息子が一番最初に名前を覚えたサッカー選手でもあり、
『ひがしぐち~ひがしぐち~』と、ちゃんとコールまで覚えているので
思わず興奮して「東口じゃん!」って声に出しちゃいましたよ。

でも、大阪出身の東口は「お好み焼き」を買うのに夢中で
その声に気付かず人ごみへと消えて行っちゃいました。

新潟で食べるお好み焼きはどうだったのでしょうか?

それにしてもさすが有名なお祭りなだけあって、選手であっても新潟に住む人はけっこう訪れるんですね。

この後も、何人か知り合いにも出会いましたよ。

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もちろん「蒲原まつり」は露店が集まるだけのお祭りではありません。

この露天の中心には・・・と言ってもほとんど端っこですが、そこには「蒲原神社」があり、
「蒲原神社」は平安時代中期に決められた三代格式の一つに属す、延喜式内社の一つでもある
たいへん歴史ある古社なのです。

そして、天地自然をつかさどる農業の神としての「5行の神」が祀られていて、
毎年7/1の夜には新潟県下越地区の農作物の豊凶を占う
「御宣託」(おたくせん)という神事が行なわれるお祭りなのですよ。

この7/1に行なわれる「御宣託」が本祭で、五穀豊穣、家内安全、商売繁盛を願う大祈願祭。

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その前日の6/30には前夜祭の「宵宮」(よいみや)で、露店の並ぶ通りを「山の下木遣」を先頭に行列が進み、
「神楽殿」では「鳥屋野六階節」が奉納されます。

7/2は五穀豊穣祈願祭、太々神楽祈願祭。
そして最終日の7/3は交通安全講大祈願祭だそうです。

祭りの期間中には「六郎重宗の太刀と兜」が神社に飾られるんだそうですよ。

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830年もの伝統があるとされる本祭の「御託宣」では、22時になると宮司が神楽殿で
12枚のくじが入った筒から1枚引き、そこに書いてある内容がお告げとなるのですが、

今年のくじには『五穀七分八分の作、風あり』とあったそうです。

「風」は虫を意味するそうで、『多少虫がつくかもしれないけれど、今年は7~8分は豊作と言えるでしょう』
との、まあまあいい結果だったそうです。

つい近年まで、米の相場にも大きく影響したこの今年の「御託宣」のお告げを聞いて、
今でも安堵の顔を浮かばせる人も多かったと聞きました。

農業に携わっている人にとって、豊作凶作は大きな問題ですもんねぇ。

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ボクらは直接的に農業をやっている訳ではないのですが、農業を多く営んでいたり、
食品メーカーが多い新潟に住んでいるのでまったく無関係な話ではありません。

我が家も豊作を願ってお参りしましたよ。

神社がベテランになってきた息子も自らすすんで「手水舎」でしっかりとお清めをし・・・
って、水遊びがしたいだけなのかもしれませんが。

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そして、順番がきたらちゃんとお賽銭を『ぽいっ』と言って投げ入れ、
「鈴の緒」をガラガラ鳴らし、手をパチパチ。
最後に『おねがいします』と言って頭をペコリと下げます。

作法はメチャクチャですが、これだけ神だのみに行った事ある1歳児も珍しいんじゃないでしょうかねぇ。

珍しいと言えば、この本殿の横にこんな「ガチャガチャ」のおみくじも見つけてしまいました。

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さすが800年以上もくじを引いて今後を占ってきた神社だけあって、
それだけ時代に順応してきたってことなのかもしれませんね。

神社境内にはちょっとした広場があり、そこには「お化け屋敷」「大迷路」「射的」「輪投げ」などなど
遊戯関係のお店が並んでいましたよ。

小中学生の子どもたちは、きっと初めて自由に使えるお小遣いなどをもらってきたんでしょう。
特に賞品がもらえる系のものに熱くなっていましたねぇ。

もらえる賞品はゲームのソフトやら、ちょっと怪しいアイドルのサインだったりですが、
ボクらの時代とまったく変わらない子どもたちの姿でなんだか安心しましたよ。

こういうところで、ギャンブルの怖さであったり、社会のキビしさとかを学んだもんです。

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「お化け屋敷」からは「きゃーきゃー」とスゴい悲鳴が聞こえてきて、
たいへん盛り上がっている感じもありましたが、ホントにそんなに盛り上がっているの? 
スピーカーで流しているんじゃないの?と夢の無いことを考えてしまいましたが、
息子はその声だけで不安そうな顔をしていました。

息子に「お化け屋敷」や「射的」などはまだ早いですが、「金魚すくい」や「スーパーボールすくい」などは
足を止めて喰いいるように見ていましたよ。

っていうか、次々と現れるお店に親の事も気にせずこの人ごみの中をかき分けて
ドンドン進んで行ってしまうんですよねぇ。

息子なりに初めて自分の足で歩くお祭りを満喫しているようです。

せっかくなので「ヨーヨー釣り」を見て『あんぱんぱん』とうれしそうに報告に来たので、
「アンパンマン」のヨーヨーを買ってあげました。

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このヨーヨー、釣るのに挑戦するのは「200円」なのに、
どこにも書いてなかったのですが買うと「500円」したんです。
そんなに違うなら釣ってみれば良かったなぁ・・・

まあ、気に入ってたみたいだから思い出としていいか。

そして露店と言えばボクらは買い食いです♪

お昼ごはんを食べてきたばっかりなので、そんなにお腹は空いていないのですが、
全国各地から集まってきたんじゃないか?ってぐらいの露店の数なので、
ふだん見ない様な珍しいお店もたくさんあるんですよ。

なので、ついついそれに誘われて食べたのは「タイラーメン」。

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ボクの苦手なパクチーも入ってなかったし、ナンプラーや唐辛子酢、
砂糖などを使って味を調節できるのでとっても美味しかったです。

米粉で作った麺もモッチモチで、さすがタイも屋台で賑わっているだけあります。

ちょうどこの時、雨がザーっと降ってきたので、
タイミング良くこの露店の横にあるテントで食べられてラッキーでもありました。

そして、お次は、お!これは今年の3月にも出張で
本場のトルコでも食べる事ができた伸びるアイス「ドンドゥルマ」だ!

棒にアイスをくっつけて返したりするパフォーマンスはやや控えめでしたがあの味でしたよ。

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「トルコアイス」のお店はいたるところで見かけたのですが、
なぜか串焼きの「ドネルケバブ」の屋台も対になって並んでいました。

最近息子が一度食べさせたアイスの味を覚えてしまって、
親としては甘くてお腹を冷やすのであんまり食べさせたくないのですが、
最近その対処方法を発見しました。

それは、「パパにもちょうだい」って言うと、
息子はよろこんでスプーンにすくったアイスを食べさせてくれるのです。
自分が食べられる量が少なくなってしまいますが、なんだかその行動がうれしいみたいですよ。


・・・って、日本のお祭りに来たのに、海外の屋台ばっかり食べてますねぇ。

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いやいや、そんな事はないですよ。

今回は電車できた事だし、ビールも飲めます。

そしてこのビールはこの夏から発売になった「風味爽快ニシテ」という新潟限定商品。

実はサッポロビールの前身となる会社を設立したのは新潟の人なんですよ。
その感謝の意味を込めて、新潟の食に合わせた爽やかなのど越しのビールを作ったそうです。

新潟下越地域のお祭りの定番となっている「ぽっぽ焼き」ももちろん買いましたが、

このビール、新潟に食に合うって言ってもさすがに「ぽっぽ焼き」の甘さには合いませんでしたけどね。
でもこうして新潟の味もちゃんと満喫していましたよ。

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そして、特に決まった華やかなイベントが無いと思っていたこの「蒲原まつり」でしたが、
たまたま通りかかったところで「万代太鼓」のステージが行なわれていました。

これはついているなぁ。

さすがに目の前で見る太鼓の音の迫力に息子は固まっていましたが、
何か感じるものがあったらしく、家に帰ってきたら『たいこ~どこどこどこどどこ♪』とか言って
太鼓を叩く真似をしていましたよ。

途中、ほんのちょっとだけ寝た息子ですが、基本的にこの1km以上ある露店の中を自分の足で歩きました。

息子にとってきっと長い道のりで、人も多くて視界もせまく、そして賑やか過ぎる風景だったと思います。
それでも、これだけ歩いたってことはきっと楽しかったんでしょうね。

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帰りはの電車は特等席で帰れて興奮状態は家に帰ってもつづきましたが、
やっぱり布団にはいるとコロリンとあっという間に眠ってしまいましたよ。


1歳児からから楽しめる老若男女が盛り上がる我が町のお祭り。

何百年も続いている、歴史がある素朴なお祭り「蒲原まつり」が始まると、
いよいよこの雪国にも夏がやってくるという感じがします。