入院生活での人間模様 | 馬の会長日記

馬の会長日記

「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

傷口がちゃんとふさがるまで伸びてしまった入院生活ですが、
キズを治す以外にもまた別に乗り切らなければいけない試練があるんですよねぇ・・・

それは団体生活。

ボクのいる部屋は広大な信濃川が見える6人部屋。
その入り口のベッドがボク。
 
 


たまたま今回は出入りの時期が重なって4人しかいませんけどね。
大部屋なのでカーテンで仕切られているとは言え団体での生活に対応していかねばなりません。


そうなるとます気になるのが夜のイビキですね。

いや、もちろんお金を追加すれば個室だって入ることはできますよ。

昔、絶対安静が治療条件だったときは利用しましたもん。
でも今回は自分が遊んでいて犯したケガだし、そんな贅沢はしませんよ。

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と、言ってもものスゴいんですよボクのとなりの人・・・

イビキだけでなく、歯ぎしりもすごくて、
「ぐがぁ~ぐあぁぁ、キリギリギリゴリゴリ・・・ぷぅ」
まるで隣で牛が鳴きながら反芻をしているのかと思っちゃいます。

仮にこのお隣のこの人を「牛魔王」と呼びますね。

これまでボクはスキーのバイトや合宿などで長期の団体生活をしてきましたが、
耳栓をしていてここまでやかましいのは初めてでしたよ。

他の人も眠れないようで頻繁にトイレに起きたり咳払いをしていたりしていました。

手術の当日の夜はそんなこと気にする余裕もなく、痛みで一睡も出来なかったのですが、
次の夜、そんな寝不足な状態なのに「牛魔王」の騒音に眠ることができず、2日連続睡眠不足となってしまったのです。

朝方あまりにも眠れないので、看護師さんに「眠剤」をもらいにいったのですが、
『今からだと朝にも残ってしまうので、0時までしか渡せない』と言われちゃいました。

で、結局その日はほぼ眠れず・・・


じゃあ、次の日の夜はちゃんと0時前にもらいに行きますので、
相談なんですが・・・

「ベッドの位置を変えてもらっていいですかぁ?」

と、ダメでもともと看護師さんにワガママを言ってみたら、わりとすぐにOKを出してくれて、
『どこの部屋がいいですかぁ?』って聞かれたのですが、
移った先が今より環境がいいかはわからないので、同じ部屋で「牛魔王」の隣ではなく、
入り口側でもう一つ空いているベッドにしました。

それにはもう一つ都合がいい事があって、いままで点滴する右腕側は狭くて出入りがしにくかったのですが、
逆に寝ることによってそのストレスも解消♪

周りの皆さんにもそれを理由にすればこの移動も不自然ではないですもんね。

イビキを理由に移動したなんて言ったら「牛魔王」も気分は悪いと思うし、
それにボクだってイビキをかいて迷惑かけているかもしれませんしね。

「イビキで眠れない」なんていうのは要するにそれはそれに対処法を持てなかった負け組の言うことで、
もしかしたら自分だって加害者になっているかもしれないんだから
眠ってしまったもん勝ちだとボクは思うんですよねぇ。

でも、今夜は対策をねってボクが勝たせてもらいますよ「牛魔王」!


とは言ったものの、ベッドは移動しましたが今がフラフラ、2日間寝不足だったので昼間にも寝なきゃ・・・

と思っていたのですが、今度は同じ病室に朝早くから面会にきている人がいるよ。

それは「牛魔王」の向かいの人のお母さんみたいなんですが、
面会時間を無視してずっと話をしているんですよねぇ。

決して大きい声じゃないし廊下の雑音よりはうるさくないのですが、
まったく止まらず朝早くから夕方まで話すので、会話の内容も気になってしかたないのです。

歳は30歳過ぎたところだろうか?
一日中病院にお母さんが付き添ってずっと話しこんでいるなんてスゴいなぁなんて思いましたが、

それが、逆に注意するほどでも無いから困りもので、結局昼間も寝られずでしたよ。

それにこの人は独り言もよく話すので「ぶつくさくん」と呼ぶことにします。

もう一人の人はまったくどんな人なのかはわかりません。
ご自分ではトイレに行けないみたいでいつも『トイレお願いしまぁす』という声以外は聞いたことないとっても静かな人です。

「チンモクさん」とでも名付けましょうか。

 


で、いよいよ夜がやってきて、「牛魔王」との対決です!

耳栓スタンバイ! ベッドも移動した! 「眠剤」も確保!

よ~し、今日は寝るぞぉ!



・・・途中ドアの開け閉めとか、左腕の重さで3~4回は目が覚めましたが、
トータルで9時間も寝ることが出来たぞ~

いやぁ~素晴らしい目覚め! この爽快感♪ 勝ったぞ~っ!

・・・っと、思ったら、この話はここで終わりませんでした。


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朝食を食べ終わった時に「牛魔王」が、『みんな、ちょっといいかなぁ?』
と部屋の4人にカーテン越しから声をかけ始めたのです。

って、カーテンから顔を出してしまったのはボクだけでしたが・・・
そして、『もし何か寝られないとか言う不満があるなら直接言ってくれよ!』って、怒ってるのです。

あれぇ?

もしかして、ボクが黙ってベッドを移動したことが、気に入らなかったかなぁ?
なんて思っていたら「牛魔王」は引き続き
『イビキがウルサいからってドアを開けっ放しにしたり、自分のベッドを蹴ったり、スリッパの音をパタパタたてて歩いたりするのはおかしくないか?』

へ?、それはボクじゃないぞ・・・
何?ボクがグッスリ眠っている時にそんなことがあったの?

そう言えばボクも何度か目が覚めたのはそういう時だったのかも。
「牛魔王」はその人に一言いたかったんですね。

って、「その人」とは爆睡していたボクでもないし、当然「チンモクさん」でもないよねぇ・・・


すると「牛魔王」は
『もういい大人なんだからさ、物に当たったりしないで、言葉で言えばいいんじゃないの?』

『ねえ? どう思う?』

と、「ぶつくさくん」のベッドのカーテンをめくりました。

あ、いたんだね・・・

そこで「ぶつくさくん」はこう言い放ちました・・・

『あ、ボクもう今日で退院しますんでもういいッス・・・』

だってさ。

ん~・・・なんだそりゃ・・・「牛魔王」とボクは顔を見合わせてしまいましたよ。


「牛魔王」は『ハハ・・・そうか、いやそう言う事を言っているわけでは無いんだけど、

やっぱりさ、オレらケガを気持ちよく治しに来ている訳だし、ここでわだかまりやストレスをつくってはいけないと思うんだ。
不自由なのは身体だけでさ、心まで病んじゃダメだと思うんだよ』


・・・なんだか「牛魔王」ってとっても熱くてまともな人なんだね。

その言葉になんかちょっと感動しちゃいましたよ。

ただ、イビキも最強ですけどね。
 
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ん?でも待てよ・・・
もしかしたら「牛魔王」が「ぶつくさくん」の夜中の行動を把握していたってことは、
「牛魔王」は起きていたって事ですよねぇ?

起きていたって事はイビキをかいていないって事!?

ってことは、「ぶつくさくん」の眠れなかった原因ってもしかして・・・ボク?


まあ、夜中は寝たもん勝ちってことで。

さて、今日は眠れるかなぁ?