過去にした旅を忘れないように、思い出しながら記し、
もう一度旅の気分を味わっちゃおう!という「過去旅ログ 第3弾」は、
2006年の9月23(土)~26(火)の3泊4日で行った国内旅行、「山陽地方の旅」のお話です。
もう一度旅の気分を味わっちゃおう!という「過去旅ログ 第3弾」は、
2006年の9月23(土)~26(火)の3泊4日で行った国内旅行、「山陽地方の旅」のお話です。

さてお天気も最高な3日目は、2日間お世話になった広島市街のホテルをチェックアウトし、
「もみじ饅頭」をほおばりながらJR山陽本線の車窓から瀬戸内海を臨みつつ東へ向いましたよ。
そして、着いたのは目の前に瀬戸内海に浮かぶ向島との間の尾道水道を臨み、
山には狭い路地にたくさんのお寺や住宅街が並ぶ、映画の街「尾道」です。
山には狭い路地にたくさんのお寺や住宅街が並ぶ、映画の街「尾道」です。

なぜ「尾道」が映画の街かは、わざわざボクが解説しなくても有名な話ですよねぇ。
その初めてきたけど何だか懐かしいようなその趣のある街並みから、
数多くの作品のロケ地として登場をしているんですが、
数多くの作品のロケ地として登場をしているんですが、
ここを一番有名にしたのは大林宣彦監督でしょうね。
「転校生」(1982年)、「時をかける少女」(1983年)、「さびしんぼう」(1985年)の話題作は
「尾道三部作」として、
「尾道三部作」として、
その後、「ふたり」(1991年)、「あした」(1995年)、「あの、夏の日-とんでろ じいちゃん」(1999年)は
「新尾道三部作」として有名ですね。
「新尾道三部作」として有名ですね。
って、ボクと同世代の方はわかると思うのですが、若い方にはキビしいかなぁ?
「転校生」は2007年に舞台を長野市に移しリメイクされているですよねぇ。
「転校生」は2007年に舞台を長野市に移しリメイクされているですよねぇ。
きっと、この場所がこの中で最も有名な場所だと思うのですが、わかるでしょうかねぇ?

「御袖天満宮」の階段です。
オッさんが階段を転がり落ちているアホな写真に見えますが、
きっとここを訪れた方は思わずこうやらずにはいられないはずです・・・たぶん。
きっとここを訪れた方は思わずこうやらずにはいられないはずです・・・たぶん。
ここは「尾道三部作」の1作目、名作「転校生」の物語に大きく関わる場所なのです。
「転校生」は斉藤一夫(尾美としのり)と斉藤一美(小林聡美)の男女の中学生が主役のちょっとSF青春映画。
この階段の上で一夫が蹴った缶に一美が驚き、それで落ちそうになった一美を一夫がかばおうとして、
結局この石段を2人して転がり落ちたのですが、
なんと!そのショックで2人の体は入れ替わってしまうというお話なんです。
結局この石段を2人して転がり落ちたのですが、
なんと!そのショックで2人の体は入れ替わってしまうというお話なんです。
原作は山中恒の「おれがあいつであいつがおれで」を映画化したものなのですが、
この映画を思春期の時にみたボクはかなりドキドキしちゃいましたよぉ♪
この映画を思春期の時にみたボクはかなりドキドキしちゃいましたよぉ♪
ここの石段の54段は長さ5mもの1本の石からできていて、映画を知らない方が見てもとっても美しい階段です。
最後の1段だけが継ぎ石になっているのがまた粋なんですよねぇ♪
最後の1段だけが継ぎ石になっているのがまた粋なんですよねぇ♪
しかし、ここの石段を落ちても男女の体は入れ替わらないと思うので、
淡い期待をして映画のマネをするのは危険なのでやめておきましょう!
淡い期待をして映画のマネをするのは危険なのでやめておきましょう!
一美役の小林聡美もこの撮影のリハーサルで捻挫したそうですから・・・

そんな一美が自転車に乗って元気よく駆け抜けたのが「本通り商店街」。
6つの商店街が1.6kmに渡って連なるアーケードの入口には「尾道」ゆかりの作家林芙美子の像もあります。
またこの本通りの脇を「小路」(しょうじ)と呼ばれる小道に入るとまた
小さなほこらや古井戸、喫茶店や雑貨屋に出合えたりするんですよねぇ。
小さなほこらや古井戸、喫茶店や雑貨屋に出合えたりするんですよねぇ。
ここに並ぶお店はどれも懐かしさいっぱいのたたずまいで、これこそまさに映画のセットの様です。

その中でも気になるのはこの「大和湯」の看板。
ここ、実は今は銭湯ではないんです。
明治時代末に建てられた銭湯「大和湯」を改装して喫茶店「ゆーゆー」というお店です。
中は20年ほど前に営業していた当時の銭湯の名残りがいっぱいで、見学するだけで・・・
いや、お土産も売っていますのでぜひ立ち寄ってみてください。
いや、お土産も売っていますのでぜひ立ち寄ってみてください。

一美はこのアーケードを駆け抜け、一気に自転車をこいで力強く登ったのがこの「光明寺下陸橋」。
男の気持ちを持って力強くなった女の子をうまいこと描いてますよねぇ。
まあ、体は女の子なので体力は変わらないと思うのですが・・・
この先に一美の家があるという設定でしたね。
この陸橋は他の作品でも登場します。

一方、尾美としのり演じる一夫の家は、海の近くにあるこの民家借りて撮影されたそうです。
ちなみに尾美としのりは「あした」「あの、夏の日-とんでろ じいちゃん」以外の
4作品に登場するので、尾美としのりの成長記録としても見ても面白いかも。
4作品に登場するので、尾美としのりの成長記録としても見ても面白いかも。
実はボク、ここ「尾道」を訪れるにあたって「転校生」「さびしんぼう」のビデオを見直し、
「ふたり」と「あした」はこの時初めて見たんですが、ちゃんと予習してきたんですよ。
「ふたり」と「あした」はこの時初めて見たんですが、ちゃんと予習してきたんですよ。
その中でも一番印象に残っていたのが赤川次郎原作「新尾道三部作」の1作目、「ふたり」。
ドジでのろまな14歳の北尾実加(石田ひかり)、
突然動き出したトラックの下敷きになって死んでしまったのです。
しっかり者の姉 北尾千津子(中嶋朋子)は幸せな日々を送っていました。
しかしある朝、学校へ行く途中で忘れ物を取りに戻ろうとした千津子は、突然動き出したトラックの下敷きになって死んでしまったのです。
いきなりこの始まりですからショッキングですよ。
そして、妹の実加がこの後様々な困難に出会うと千津子の幽霊が助けてくれるという、
これまたちょっとSFが入った大林ワールドの作品です。
これまたちょっとSFが入った大林ワールドの作品です。
これも日本版「ゴースト」みたいですね。

その「ふたり」に登場した実加の親友、真子の家の料亭はこの「西山本館」。
時代を感じさせる旅館、じつはフジテレビの西山喜久恵アナウンサーの実家なんだそうですよ。

そしてこの写真、「ふたり」を見たこと無い人にはなんのヘンテツも無い電柱ですよねぇ?
でも、映画の中ではスゴい印象に残る場所です。
この道は姉妹の通学路になっているのですが、妹の実加はいつもここを通るたびに、右の隙間を通るんです。
なんだかそれがほのぼのしていておかしくて。
ここを訪れると、その映画を知らなくてもきっとこの隙間を通りたくなる衝動にかられますよ。

海に抜ける細い「小路」には「正一位鎌倉稲荷大明神」と書いた赤い鳥居があります。
実加がピアノレッスンのために向島に渡るときにいつもここを通ってました。
「あした」でもチンピラの大木貢(林泰文)が水をかけられるシーンで登場していましたね。
そして今回、「御袖天満宮」の階段とならんで見逃してはいけないと思った場所がここです。

姉の千鶴子(中島朋子)が亡くなった事故現場です。
右側の坂道を丸太を積んだトラックが下ってきて
左側にある民家と挟まれて死んでしまう悲しい場所なのですよ。
左側にある民家と挟まれて死んでしまう悲しい場所なのですよ。
そんな悲劇をうんだ場所ですから、ここを訪れる人が花を供えていったりするそうです。
また10月27日の千鶴子の命日には多くの人がこの場所に集まってくるんだそうですよ。
映画のお話なのにね・・・
しかし現場に行ってみると、かなり細い道幅で映画に出てきたような大きなトラックが
入れるようなところではないんですよねぇ。
どうやら撮影ではトラックの後ろだけを切って使って、ジープのウインチで引っ張って撮影したらしいんです。
入れるようなところではないんですよねぇ。
どうやら撮影ではトラックの後ろだけを切って使って、ジープのウインチで引っ張って撮影したらしいんです。
それだけ苦労してもこの場所にこだわりがあったんですね。
ちなみに左のお宅は吉田さんという個人がお住まいになる家なのですが、
最近では尾道を舞台にしたアニメ「かみちゅ!」の主人公が住む家としても、観光名所になっているそうですよ。
最近では尾道を舞台にしたアニメ「かみちゅ!」の主人公が住む家としても、観光名所になっているそうですよ。
この他にもいろいろ「ロケ地マップ」見ながら巡ったのですが、当時のボクはデジカメを持っていなかったので、
相方のカメラかボクのケータイで撮ったもので載せられそうなものだけご紹介しました。
相方のカメラかボクのケータイで撮ったもので載せられそうなものだけご紹介しました。
皆さんも「尾道」に行かれるさいには大林監督の「尾道三部作」と
「新尾道三部作」をご覧になってから訪れてみてください。
「新尾道三部作」をご覧になってから訪れてみてください。
何気ない小路や電柱を見るだけで大きな感動になるかもしれませんよ。
「サヨナラ、オレ」「サヨナラ、あたし!」・・・「転校生」より。
・・・つづく。