永遠にともにブローニュの森へ | 馬の会長日記

馬の会長日記

「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

ボンジュール♪



またすこし間があいてしまいましたが、過去の旅の記憶をたどる「過去旅ログ」です。

相方の強い希望で「ドイツ」から始まった2006年6月18日(日)~26日(月)の
ヨーロッパ「新婚旅行」の記憶旅も、いよいよ最終日となりましたよ。

「新婚旅行」最後の地は「フランス」は「パリ」に移動し最後の夜は「セーヌ川ディナークルーズ」
きらびやかなひと時を過ごしました。

そして明けて6/25(日)、残念なことに天候は雨だったのですが、
どうしてもボクの我がままで行ってみたいところがあったので相方を説得しそこに向かいましたよ。


目指したのはパリ市街から西に5kmほどのセーヌ川沿い、「ブローニュの森」の中。

そこまでメトロの1号線を「ラ・デファンス駅」方面に乗り、「ポルト・マイヨ駅」で下車。

そこから地上に出て左へ行くとバス乗り場があり、
「244番」のバスに乗って「ブローニュの森」の中に入っていきました。

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「ブローニュの森」には「フランス国立民族民芸博物館」や「子供遊園地」「オートゥイユ庭園」
「シェイクスピア庭園」、約1万本のバラが植えられている「バカテル庭園」、
または「全仏オープン」が開催されるテニス場「スタッド・ローラン・ギャロス」などがあり、
パリ市民のいこいの公園でもありますが、

数々の殺人事件もおきた地でもありますし、男娼の聖地としても有名で、
今でも日没後になると娼婦の姿を見かけることが出来、あまり治安がいい場所とは言えません。


相方には楽観的な表情しか見せていませんでしたが、
実は正直言って雨で真っ暗になった「ブローニュの森」は怖かったですよ。

バスに乗って15分ぐらい、「ムーラン・デ・キャンピング」というバス停で降りました。

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そこからもう少し歩いて行くと目的地の目印「赤い風車」が見えてきましたよぉ。

そうです!

って、わからない方にはさっぱりわからないと思いますが、
ボクがちょっと怖い思いをしてまで来たかった場所は
世界で1番美しいと言われる競馬場「ロンシャン競馬場」なんです。

仮にもボクは競馬サークル「馬の会」の会長ですからねぇ、この歴史、格、規模、
全てにおいて世界最大級の競馬場を一目見ておかねばいけないでしょう!


「ロンシャン競馬場」と言えば毎年10月の第1日曜日に
欧州最高峰のレース「凱旋門賞」(芝・右回り2400m)が行われる競馬場として有名です。

事実上世界一決定戦と言っても過言ではないレースに、
この2006年の秋に期待の日本生産馬「ディープインパクト」が挑戦することになっていたのですよ。

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結果、3着に入線となりましたが、
後に使用禁止薬物検出で「凱旋門賞」史上初の失格という汚点で歴史に刻まれてしまったのです。

まあ、「ディープインパクト」のフォローをしておきますと、
対象となったこの薬物「イプラトロピウム」という気管支治療薬は
当時、日本では禁止されているものではなく、人間の陸上競技でも禁止されていないものだったのです。

ん~、勉強不足が原因と言えば、それはディープ陣営の汚点となってしまう訳ですが・・・


この時の「ディープインパクト」は前年の日本牡馬クラシック三冠を無敗で制覇し、
日本の放送史上初めてNHKが地上波での海外競馬の生中継を行ったほど高い注目率だったんです。

もちろん「凱旋門賞」と言えば嫌でも世界中から注目が集まる訳ですから、
その舞台を事前に見ておけるなんて、このボクの胸の高鳴り伝わってますでしょうかねぇ?


ちなみに今年は10/3(日)に行われる予定で、日本からは皐月賞馬の「ヴィクトワールピサ」参戦するために
先日の8/18(水)、「パリ」へと旅立ちましたね。

そちらも楽しみですねぇ♪

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しかしあいにくこの日は競馬の開催が無かったので競馬場の中に入ることが出来なかったのですが、

警備員の人に「ボクは日本から来た競馬ファンで、すこし中を見学させてもらえませんか?」と、
交渉しに近寄ってみました。

もちろんフランス語なんかしゃべる事は出来ないけれど、この熱意、一生懸命伝えれば感じてくれるはず。

ボクらはこれまでこの旅行ではそうやってきた。

とりあえずはニッコニコの顔をして「ボンジュ~ル♪」と陽気にご挨拶。

すると、その黒人の警備員は立ち上がり、白い目をむき出しにスゴイ形相で何かを怒鳴りはじめました!

ボクらを追い払うジェスチャーをし、これ以上近づいたら
ピストルでも出しそうな剣幕だったので慌ててその場去りましたよ。

ヒィィィ、怖ぇぇ・・・

なんだよ・・・こんな優しそうな日本人が悪さなんてしないでしょ!
話だけでも聞いてくれてもいいのにさぁ、もう。

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ボクらはしかた無しに、このコースの外周を周ることにしました。

日本の競馬場のだいたいは高い位置からじゃないと中のコースが見えないことが多いのですが、
ここは一応フェンスとか垣根で区切られているのですが、外からでも充分に中のコースが見えるのですよ。

ほおほど、なるほどぉ・・・

「ロンシャン競馬場」の芝はいくら強いと言われている「ディープインパクト」には
不利だと言われるのもわかる気がしますよ。

「ディープインパクト」は父親が「サンデーサイレンス」でアメリカの馬だったのです。

アメリカの競馬はダートコースでのレースが主流で、日本のさらさらの砂みたいなものでなく、
土に近いもので、早いタイムの出る足元の硬いコースでやるんですよ。

芝のレースあることはあるのですが、短く刈られていてこれも高速馬場となります。

キレイに刈られ硬い芝を走る日本の競馬もそれに近いものがあるのですが、
ここ「フランス」や「イギリス」の競馬場は芝が長く、
走るにはスタミナを要するコースとなっていると言われています。

テレビなどで見ると普通に日本と同じ緑の芝だというぐらいしかわからなかったのですが、
目の前でみるとコレほどまでに芝が茂っているとは思いもしませんでした。

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日本の競走馬にも同じ芝コースであっても、新潟競馬場の「野芝」だったり、
北海道の「洋芝」、または「オーバーシードした芝」が得意な馬がいたりと
わりと繊細だったりするんですよねぇ。

アメリカの高速馬場で育った血統と、日本の芝で鍛えられた「ディープインパクト」には、
この「ロンシャン競馬場」の芝はこれまでとまったく違うところを走るのに近い
という事がこの目で見てわかりましたよ。


ちなみにアメリカ産の日本調教馬である「エルコンドルパサー」が1999年に2着になっていますが、
父親の「キングマンボ」はフランスの競走馬でしたね。

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しかしこんな雨の中、1周2,750mもある大きなコースのさらに外周を
そんな説明を聞きながら歩いた相方は、きっとそれほど楽しくはなかったかもしれませんね。

いちおう、フランスでの競馬は日本の昔からある「オヤジのギャンブル」みたいなイメージではなくて
立派なヨーロッパの貴族文化であるということを伝えたうえでの観光なんですよ。

そもそも日本では軍事からはじまったこともあり、競馬という職場は男くさいイメージがあるんですよねぇ。

ヨーロッパでは競馬そのものの発端が貴族同士の持ち馬自慢から始まった文化であり、たいへん優雅なもので、
競馬開催の時は女性や子どもも多く訪れている社交場としての場所なんだよ。とか・・・

大きなレースのある日には華やかに着飾った紳士&淑女がいて、
特に「凱旋門賞」では趣向豊かな帽子をかぶる風習があるんだよ。とか・・・

日本では「新潟競馬場」にしかない芝の直線1,000mコースがあるんだよ。とか・・・


相方が興味持てそうなボクのガイドつきで一周約3kmを見てまわりましたが、
そんなボクの話を聞いてくれて、濡れながら一緒に歩いてくれた相方に感謝感謝ですよ。

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これは「新婚旅行」。

ボクの我がままに文句を言わずついてきてくれるなんて、なんてステキな女性とで出会ったのだろう・・・

いや、ちょっとくらいのクレームはありましたけどね。

これからももしこの日の様に雨が降る時があったら傘を差し合いながら、
そして晴れた日は2人でいっぱい日の光を浴びながら・・・

共に歩き、共に探し、共に笑い、共に誓い、共に感じ、共に選び、共に泣き、共に背負い
共に抱き、共に迷い、共に築き、共に願い、そんな日々を描きながら・・・


あ! このくだり、なんだか縁起悪いような気がするのはボクだけでしょうか?

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さてさて、ついにこの「新婚旅行記」もエンディングを迎えようとしています。

「パリ」での滞在可能時間もあと7時間ほどとなってしまいましたぁ!

「新婚旅行」の最後の観光地が「競馬場」だなんて、さすがに相方も許してはくれませんよぉ。

最後、ボクらが観光地に選んだのはあの場所です!

地下鉄で再びパリの中心地に戻りますね。


オ フヴォワーフ♪ 


・・・つづく。