
「大地の芸術祭」とは新潟県の十日町と津南町の山里を舞台に
地域の魅力をアートを通じて掘り起こし、
再生していくことを目的とされている国際芸術祭です。
2000年から始まり3年に1度開催され、
今年は来年の第4回に向けて準備を進めているところで、
8月の1ヶ月間「2008夏 越後妻有大地の祭り」として
開催されているのです。
160を超える作品は、時には田んぼの中、時には空家、
時には廃校を舞台に突如姿を現します。
過疎化していった限界集落、産業廃棄物が放置されていた川辺、
地震や高齢化の波で増えていった廃屋、
少子化などの影響で子どものいなくなった校舎。
それぞれ存在の意味が無くなり朽ち果てていくのを待つのみと
なっていたものが、アートによって息を吹き返した様に見えます。
しかし、アーチスト達は自分を表現するために
勝手にその地に足を踏み込んでいる訳ではありません。
そこには自然と里と地元の人との共存があります。
具体的には、地元の人とのお見合いがあり、
そこにどの様なものがあると、里や土地や自然や建物などの
息吹をより感じられるようになるかをプレゼンテーションし、
時には、地元の人から提案し相思相愛のもと進められるのです。
また、アーチストはその土地に作品づくりのため
しばらくの間根を下ろすのですが、
その間、田植えや、雑草刈り、稲刈りなど、手伝いというものではない、
その地にいることにするあたりまえのことも行います。
若者が少なくなってきた地にこの機会をきっかけに人手が増えることは
この地の人も大きなメリットとなるでしょう。
・・・と言っても当初は「よそ者が来た」という感じは多少あったみたいです。
しかし、2004年の「新潟県中越地震」ではアートだけでなく多くの集落が崩壊。
アーチスト達は復旧活動にも多大に力を発揮し、そのこともきっかけで
里とアーチスト達がより強い絆で結ばれたことは間違いないでしょう。
現在はアーチストだけでなく、自主的にこの里や芸術祭をサポートしている
「へこび隊」という人々や、空家となった古民家を所有し、
作品制作はもちろん研修所として使用用途も自由の「空家オーナー制度」や、
作品によっては企業や個人等の協賛しているネーミングライツが導入されていたりと、
人手や資金など多方面から手が差し伸べられ、
この活動の大切さがじわじわと広がっている感じがします。
正直ボクは1つ1つのアート作品についてはよくわかりません。
でも、この自然と人とアートの融合により、
光をつよく放つものが生まれるということにかなり共感しています。
個々の作品の話になると、さらに長文になってしまうので、
今日はこの辺で、機会があればまた・・・
来年行われる「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」にも
機会があったらぜひまた行きたいと思います。
・・・再生。