いよいよ、Vリーグの開幕まで2週間を切った。次に全日本の戦いを観られるのは来年ということになるが、一応今年の全日本女子に選ばれた選手について、個人的に各選手の活躍を総括しておきたい。

素人に毛の生えた程度の知識しかない私が、今後の全日本の戦略に言及して、知ったような顔で攻撃や守備、防御等の項目別に細かく評価するのではなく、“頼もしかった度”位な印象点であることはおことわりしておきたい。

先ずは一覧から

3   岩坂名奈………7点

4   新鍋理沙………10点

5   荒木絵里香……10点

7   石井優希………7点

9   島村春世………8点

10 冨永こよみ……9点

11 鍋谷友理枝……8点

12 佐藤美弥………7点

13 奥村麻依………7点

18 内瀬戸真実……10点

19 堀川真理………?

20 小幡真子………8点

21 井上琴絵………8点

23 野本梨佳………9点

C 中田久美………9点

今季の火の鳥NIPPONにも個人的に贔屓にしている選手はいるが、それはそれとして、グラチャンの中でのプレーの印象として採点してみた。

 

3 岩坂名奈選手 MB(C) 7点

岩坂選手は今季の火の鳥NIPPONで、中田監督により、自分でも「やったことがない」というキャプテンに指名され、コート内外で、積極的に仲間を鼓舞する姿が見られた。中田監督は、久光スプリングスで共に戦ってきた岩坂選手に対し、恵まれた身長等のポテンシャルや経験がまだ存分に発揮されていないと感じていたのだろう。彼女のメンタルの部分にその原因を見たのかも知れない。今回のように与えられた任務に対しての責任感があることは分かっている。しかし、自分からアピールすることを得意としない、いわゆる“押し出し”が強くないところが、更なる成長を阻害していると。逆に言えば、彼女の能力が全開になれば、相当に心強い戦力になるだろうとの評価をしているとも考えられる。キャプテンがチームを盛り上げ、チームメイトがそれに呼応すれば、それを受けた彼女自身にも高揚感が出る、つまりそれによって岩坂選手のメンタルを覚醒させようという、そんな狙いがあると読んだのだが、考え過ぎだろうか。

ただ、今回のグラチャンでは、そういった気持ちの面での積極性は伺えたが、それがプレーに大きな影響を与えるところまでを求めるのは酷だったか。ブロック、スパイクともいつも通りではあるが、プレー自体にチームを引っ張ろうという迫力は感じられず。また初戦の対韓国スト勝ちにはフル出場したものの、2戦目の対ロシアでは2セット途中から荒木絵里香選手に代わると、そのまま3戦目の対ブラジル、4戦目の対アメリカでは出場機会が無く、5戦目の王者中国戦でようやく先発出場のチャンスが与えられたものの、やはりこの相手ではそうそういい結果を残せるものではなかった。その意味では不運でもあったと思いたいが、本人もプレー自体には課題を感じていただろう。その分やや厳しい採点になった。同じMBの元キャプテン荒木選手の活躍が際立っていただけに尚更だ。ただ、新しいステージに立った彼女がその経験を咀嚼して、今期のVリーグを経て、来年度の火の鳥NIPPONでどんなプレーをしてくれるのかは楽しみにしたい。奇しくも同じMBで6歳年上の荒木選手がキャリアピークとも思えるような存在感を示しているのだ。思えば、荒木選手も元々はメンタルの強さをガンガン押し出すような選手ではなかった。色々な経験を糧にしての今回の活躍に他ならない。

岩坂選手はまだまだ成長できる、と信じている。