前にも書いた通り、私のたなご釣り熱の原点は釣りキチ三平であり、中学生の頃には三平が使っていたたなご箱とそっくりなものを自作して使ったりしていた。

 

その三平が釣っていたのはタナゴという種名のたなごで、日本のたなご類の中では最も体高が低いのが特徴で、総称のタナゴと区別するためにマタナゴとか在来タナゴと呼ばれている。

 

三平のモデルは作者の矢口氏なので、きっと秋田の矢口氏の故郷にはマタナゴが多いのだろうと思っていたが、調べてみるとどうもそうではないようだ。田んぼの区画整理前にはいたということかな。

 

そこで、さらにマタナゴの釣れる場所を検索したところ、東日本に数箇所あることがわかった。

 

そのうちの一箇所をネット画像から割り出して今回の遠征の中で行ってみたが、全く見当違いだったことがわかって愕然とするしかなかった。

 

そこで大幅な移動を行い、関東地方某所に夕方到着。ところがここでも釣れるのはカワムツばかりで、タナゴのヒラ打ちはどこにも見られず、またしても見当違いだった。

 

ただしこの付近には違いないので、車中泊の翌日、探索範囲を拡大。一箇所目はハズレだったので、車で少し移動し、情報と矛盾しない区域へ。そこで車から用水路を見つけたので、歩いて用水路沿いに田んぼの中を上流へ。

 

すると結構な流れっ川であるにもかかわらず、流心脇の石の下流側でキラッ、キラッとヒラ打ちが見えた。

 

アカムシがないのでキヂ片で探ってみる。ハリは秋田狐の1号を使い、ウキ仕掛けで底を流した。

 

するとカワムツ、タモロコモツゴと来た後に、たなご体型の魚が釣れてきた。

 

ひょっとしてと思った瞬間に魚は草の上に落ちてしまった。それを濡らした手で慎重に拾い上げ、バケツの水の中に浸ける。

 

第一条が特徴的に高い黒みがかった短い三角形の背びれ。やった、ついに三平も釣ったタナゴを釣った!!こんな所にいたのか!

 

初めて釣ったタナゴ

 

この後、同じポイントで二尾を追加したところで終了とした。全てリリースした。

 

この日二尾目のタナゴ

 

この日三尾目のタナゴ

 

たなごころ賞などもってのほかと言うほど減ってしまったタナゴだが、実際に釣ってみての印象はたくましいものだった。これから是非巻き返して欲しいものだ。

 

2017年10月に北日本で釣れたタナゴ

 

2018年5月下旬に北日本の同一水系内で釣ったタナゴ

 

2018年9月に北日本で釣ったタナゴ

 

上記の個体と同じ川で翌年の春に釣った婚姻色をまとったオスのタナゴたち

 

産卵期のオスの、鳩ぽっぽと呼ばれたりもする追い星

 

上記のオスたちの前に釣れた大きなメス。産卵管が伸びている。

 

2019年秋に初タナゴスポットを三年ぶりに訪れ再会を果たした関東タナゴたち