初カジカ大卵型を秋田の雄物川水系で釣った私は、日本海へ流入する某河川の支流水路へ移動した。目的はホトケドジョウだった。
湧き水が流れるその水路には水生植物が繁茂していたので、下流端近くから藻穴をチェックしていった。
使ったのは、ホリデー小継の穂先3メートル弱に結んだたなごウキ仕掛けで、板オモリを増やしてタナゴ極小バリに通し刺しにしたキヂ片が底に着くようにした。
期待とは裏腹になかなか釣れない。ホトケドジョウが好むとされる流れの緩い物陰のみならず、流心付近なども探ってみるがダメだった。
そうしているうちに、とうとうその区間の上流端まで来てしまった。最後の望みをかけて小橋のすぐ下流側の手前の岸辺を探ってみる。上からは枝がかぶっていて送り込みにくい。
岸には枯れ草が折り重なっており、湿原で見られる浮島の水中部分のようになっていた。
すると、プルッ、プルッというアタリ!上げてみると魚の感触!
上がってきたのは、まるで足のないサンショウウオのようなものだった。
もっと胡麻斑状の体色を予想していたので意外だったが、まさに求めていたホトケドジョウだった!
ホトケドジョウは主に湧き水の流れる流れの緩い場所を好むので、環境の変化による影響を受けやすいが、こんな場所にと思うような、他の魚が棲まないような所をあえて選んでいるので、ハビタット内では優勢種になっている場合が多い。
つまりいる所にはいるのが、ヘラブナなどとほぼ同じ価格で販売されている理由なのだろうが、そっとしておきたくなる魚種なので、この先再び追うことはないだろう。