カナダ人はウナギを好んでは食べないせいか、ニューブランズウィック州内のアメリカウナギの釣りに関する情報は非常に限られていた。

得られた情報は、セントジョーンの近くのレイクでは過去に間引きが行われるほど増えすぎていたという情報と、ユーチューブで見つけた、ウナギを昼間にスピナーで釣っている映像 (場所不明) と Kouchibouguacis River の河口にあるクシブグアック国立公園で漁師さんがたくさんウナギを獲っている映像、少女が大きなウナギをモンクトンの近くのクリークで釣り上げたという画像、それに釣りフォーラムで見つけたセントジョーンリバーの下流域ではどこでも釣れるはずという投稿くらいだった。

セントジョーン近くのレイクには行ったものの、駐車した場所が遠くて人目につかない場所だったので夜まで釣る気にはならず早々に切り上げてしまい釣れず、モンクトンのクリークでもミミズとスーパーで買ったクラムチャウダーの具の二本針で臨んだがダメ。Kouchibouguacis River では美しい木造の橋の下でやってみたが、橋の基礎となる石がゴロゴロしているらしく毎投根掛かりした。別の晩には上流側で粘り何かがかかったが、すぐにバレてしまった。

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Kouchibouguacis River に架かる美しい木造の橋。上を車が走っていたが、残念ながら数年後にはコンクリートの橋に替えられるとのこと。ウナギは釣れなかったが、この橋があるうちにその下で釣りができて幸運だった。ニューブランズウィック州にはこの他にも多くの美しい屋根付き橋があった。


苦戦続きの中、ふと地図を見ていると州の北端近くにイール (ウナギ) リバーという川を見つけた。これはいるだろうと思い藁にもすがる思いで行ってみた。そして夜 10 時頃になって二回強い引き込みがあり、二回目はかかったのだがすぐにバレてしまった。これもウナギだったという保証はないが。

また公的機関のウナギ漁業に関する資料から、ポークマウシーリバーにはウナギ漁業者が多いことがわかり、行ってみたが、確かにイールネット (ウナギ用エリ) が張ってあっていいポイントだったものの、周りに住宅がある上、駐車スペースがなく、しかもフランス語圏だったので釣らずに退散した。

その晩は隣のノバスコシア州にまで足を伸ばすことを検討したが情報の少なさから断念し、結局最後の情報であるセントジョーンリバー下流域に非常に濃いという話に頼ることにした。そして釣りすごろく 2012 のテーマ内で書いたように、ついに初物をゲットすることができた。


蚊の猛襲に耐えてついに釣り上げた初アメリカウナギ、40 センチ。



初アメリカウナギ別影


ウナギ目ウナギ科ウナギ属。最大全長 152 センチ。オスはメスより小さい。湖、河川、クリークの泥底またはシルト底の障害物の影などに潜んでいる。濁りには強い。適水温 16~19 度。産卵は大西洋西部のサルガッソー海で行われ、生涯に一度だけ繁殖を行う。カナダではニューファウンドランド&ラブラドール州からオンタリオ州にかけて棲息しているが、オンタリオ州の個体数は1970 年台以降 99% 激減した。またオンタリオ州のアメリカウナギはほとんどがメス。

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リリース前の初アメリカウナギ。何とも言えぬ愛らしさがあって役所広司さんの気持ちが少しわかった。


2014 年10 月にインディアナ州で釣ったアメリカウナギ、46 センチ


アメリカウナギの俯瞰


アメリカウナギのハビタット