ブリティッシュコロンビア州で手頃な目 (もく) が尽きた私は、隣のアルバータ州に範囲を広げることにした。レッドディアーリバーに行けば、ゴールドアイという魚に出会えるという情報を得たからだ。レッドディアーリバーはロッキー山脈の東麓を源流とし、最後はサウスサスカチェワンリバーに合流する全長 724 キロの川だ。

2006 年8月中旬、カルガリーに 13 時間かけて到着した私は、まずはモホークというガソリンスタンドに寄り、アルバータ州の1年間有効の釣りライセンスを購入した。

そしてレッドディアーリバーへ。川は前に降った雨のせいで、マッディで結構流れがあった。そこで、トロ場を探しながら上流へ向かい、対岸にトロ場を見つけたのでウェーディングで渡河を試みた。ベストが濡れるか濡れないかくらいの深さだった。

タックルは6フィートのシマノのライトスピニングタックルに4ポンドライン。7X のティペット約 40 センチをブラッドノットでラインに直結し、丸せいご8号を結んだ。そしてクラッピーグラブの頭からボディにかけてハリを通した。ラインとティペットの結び目の上にはガン玉1個を打った。

少し川に立ちこみ、トロ場の手前の瀬にキャストした。下流に目をやると、切り立った崖の前に二人のアングラーが見えた。彼らに気を取られながらリトリーブを始めた途端、グンとロッドに重みが加わった。また藻か何かに引っかかったのだろうと思い、ロッドをあおる。やはり藻のようだった。と思った次の瞬間、ロッドの先がクンクンと動いた。魚だ! しかも結構いいサイズで、ゆっくりと動き始めた。

とにかくロッドを立てたままドラッグを少し緩め、少しずつ出て行くラインを見た。4時間かけてのヒットだ。とにかく慎重にファイトして顔だけは見ておきたいと思った。最初のジャンプはヒットした場所だった。キャストしてすぐにヒットしたのではるか遠くのジャンプだった。白っぽい体色だったのでゴールドアイだろうと思った。

そのうち上流に向かって泳ぎ出したのであわててラインを巻き取り始めた。そして様子を見ながらのポンピングでだいぶ近くまで寄って来た。が、そこでまたジャンプ。完全にラインがフケてひやっとさせられたが、バレずに済んだ。近くで見るとゴールドアイにしては細いので、レッドホースかもしれないと思った。

その後も水面に出てはジャンプしようとしたが、ロッドを寝かせて防いだ。そしてついに体を横にして足下まで寄って来た。金色の目。間違いない。レッドホースではなくゴールドアイだった。ランディングネットをつかむ。そして魚を少し上流に泳がせ、もう抵抗する力のないことを確かめて尾びれの方からネットに流し、一気に掬った。「やったやったー!」と思わず叫んだ。直後にネットの中で跳ねてひやっとしたが大丈夫だった。



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初めて釣ったゴールドアイ、約 30 センチ


初ゴールドアイの別影


初ゴールドアイの俯瞰


アロワナ上目ヒオドン目ヒオドン科ヒオドン属。ムーンアイと同属である。ムーンアイ同様、舌に歯が生えている。大きな河川の深いプールや静かなバックウォーターおよび、湖の泥底の浅場などに生息する。しばしば速い流れの中で捕食活動を行う。濁りには強いが水質汚染には弱い。無脊椎動物および脊椎動物食性。最大全長 52 センチ。群で移動するので当たり外れが大きい。現地ではゴールダイと発音されるが、ここでは名前の意味がより直感的に伝わるようにゴールドアイとした。

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ゴールドアイの舌上歯

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2007 年8月にレッドディアーリバーにてウーリーバガーで釣ったゴールドアイ2尾と、取り込み前後の動画(それぞれ別個体3尾)



使っていたフライロッドは台湾製のドラゴンフライというブランドのDFWの3番で、バンクーバーの隣のバーナビー市にあったREDLスポーツ(現ビッグロックスポーツ)という問屋が扱っているためBC州内では一般的で手頃な価格帯のロッド。とても使いやすく、マウンテンホワイトフィッシュを州の内陸部の川でストーンフライニンフで狙う時にもいつも使っていた。




ゴールドアイのハビタット。アルバータ州レッドディアーリバー。


2012年7月にレッドディアーリバーで数釣りを堪能させてくれたゴールドアイ (右二段目と四段目はムーンアイ)


ゴールドアイの調理例:
イタリアン
https://www.youtube.com/watch?v=46OgBvqji78